2021年02月22日

業界最低水準を目指すPayPay投信はeMAXIS Slimに真っ向勝負か逃げの一手か!?

昨年の7月にZホールディングの金融6社が社名やサービスを「PayPay」ブランドに統一することを発表していました。
ジャパンネット銀行はPayPay銀行、One Tap BuyがPayPay証券、YJFX!がPay Pay FXなど。
この社名変更を喜んでいる社員は1人もいないと思いますが(?)、スマホ決済「PayPay」をいかに重視してブランドを浸透させようといるかがわかるし、何でも利用して手段を選ばず、もといグループの総力を結集して徹底してやるのがソフトバンクらしいところですね。

この時に「アストマックス投信投資顧問株式会社」も「PayPayアセットマネジメント株式会社」に社名変更し、サービス名は「PayPay投信」となることは決まっていました。
3月8日付けで新生「PayPayアセットマネジメント」が始動しますが、これに合わせて同日から
「PayPay投信 日経225インデックス」(信託報酬:税抜0.13%)及び
「PayPay投信 NYダウインデックス」(信託報酬:税抜0.18%)
の運用開始を発表しました。

どちらも業界最安値で投入してきましたが、これらは「PayPay投信インデックスファンドシリーズ」第1弾であり、業界最低水準の運用コストを目指すとしています。
つまり、今後シリーズ内で追加される投信についても業界最安値での設定が期待されます。
私は今回の出し方を見て、PayPay投信シリーズには真逆に近い2つの方向性が考えられると思いました。

@eMAXIS Slim等にガチンコ勝負を挑む王道路線
最初に日経とNYダウを選んだのは業界最安値を取れるインデックスだからであり、今後はMSCIコクサイやS&P500等の王道(?)インデックスでも業界最低水準の同コストで設定していく方向。
最初にコクサイやS&P500を出してSlimと同値では注目されないし、下回ってもSlimに公約通り追随されるだけ。
まずはメジャーな指数でありながら比較的コスト高めの日経とNYダウで最安値を取って注目を集めようと考えただけ。

AeMAXIS Slimとの勝負を避け敬遠して若干ニッチな路線へ!?
PayPayアセットマネジメントは「インデックスファンドシリーズ」としか言っていません。
私は1月25日のiFree NEXTに関するエントリーでも「インデックス投信の主要指数は値下げ競争が激しく今更コクサイ指数やエマージングマーケット指数を出したり値下げしても儲かる訳がないという状況になっている」と書きました。

今更後追いでeMAXIS Slimやニッセイの超低コストインデックスファンドに勝負を仕掛けてゼロからシェアを奪ってかつ薄利で儲けられると考える運用会社が出て来るとは思いませんでした。
それなら大和アセットの「iFreeNEXT NASDAQ次世代50」のようにどこも手を付けていないファンドを出した方が儲かるでしょう。
これも立派なインデックスファンドであり、勝手にイメージで決め付けてしまいますがファンドシリーズ内にMSCIコクサイ連動を含める義務もない。

ここまでニッチではなくてもまだ信託報酬競争が進んでいないNASDAQ100指数とか業界最安値を狙えるインデックスだけを選んでシリーズ化する可能性もあると思います。
その第一弾として、S&P500と比べて30銘柄に過ぎないのにコスト高の説明もつかないNYダウと、S&P500と比べて自国の株式なのにコスト高の説明もつかない日経225を選んだ。
第二弾以降も最安値を取れるインデックスだけを選び、どうせ勝ち目のないeMAIXS Slimとのガチンコ勝負は徹底的に避けるというパターン。

さて、どういう路線になるかはシリーズ3本目の投入を見てみましょう!
当初はジャパンネット銀行とSBI証券での取り扱いになりますが、販路は順次拡大する考えのようです。
まずは身内からでしょうが、SBIグループとソフトバンクは既に2006年から資本関係を解消しているんですよね。
Zホールディング傘下の金融各社はライバル関係にもあるのですが、PayPay金融がSBIグループに挑んでいく気概があるのかも気になりますね。

Zホールディングの親会社である「携帯のソフトバンク」にとっては携帯を始めた楽天グループの金融各社も当然意識して「PayPay投信」を投入して来たと思います。
楽天グループの携帯回線安売りがそうであるように、参入が遅れた後発にとっては業界最低水準を死守してシェアを拡げていくしか道はありません。
様々な意味で「PayPayインデックスシリーズ」の次の一手が注目されます!
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posted by 韋駄天太助 at 10:54 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月15日

SBI証券とマネックス証券がクレカ投信積立ポイント還元で楽天証券を2年半後に追随!?

楽天証券が楽天カードのクレジット払いで月5万円までの投信積立に1%の楽天スーパーポイントを付与するサービスを開始したのは2018年10月のことです。
その後に類似サービスを投入する大手ネット証券もなく楽天グループの独壇場かと思われたところで2021年になってから2社の追随が明らかになりました。

マネックス証券は新生銀行グループのアプラスと業務提携して今春に「マネックスカード」を発行して投信積立サービスも提供予定です。
投信積立額に対して何%の付与かは明らかになってないと思いますが、ショッピング100円につきマネックスポイント1%還元なので投信積立においても1%付与が期待されます。

SBI証券は三井住友カードと提携して6月30日に「三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託が買える投信積立サービス」を開始して月5万円を上限に0.5%のVポイントを付与します。

第一印象として、楽天証券に遅れること2年半での追随はあまりにも遅く中途半端に映ります。
ポイントの利便性でも楽天スーパーポイントが圧倒的に勝るのに追随で上回る所もなさそう。

当初は楽天カード積立でポイント還元の影響を軽視して追随する意思もなかったが、楽天証券はこれにより契約者も増やして預かり残高もジワジワと拡大させて来た。
一方、SBIやマネックスもジワジワと楽天に奪われる悪影響を無視できなくなり2年半後に仕方なく追随したということでしょう。

簡単に追随できないのは証券会社の負担が大きいからだと思います。
楽天証券はグループ内の楽天カード決済なので証券会社がカード会社に手数料何%を払おうが、グループとしては楽天カードが顧客に付与する1%の持ち出しだけです。
(これも投信積立なら大きな負担だけどね、JCB/VISA/Masterへの支払分は不明なのでここでは除く)

一方でSBIや楽天は関係が近くても連結対象にはならない提携相手なのでカード会社が付与する0.5%-1%還元以上の決済手数料を負担すると考えるのが自然です。
通常3%程度はかかる決済手数料を投信積立で証券会社が負担すればビジネスが成り立たないのでかなりディスカウントした率で提携していることは間違いないでしょう。

もしかしたら、投信積立に関しては還元分だけの手数料負担にしてもらって提携したかも知れません。
カード会社にとっても大手ネット証券の顧客を自社に取り込める訳で月5万円の積立をする顧客ならそこは儲けなしで提携しても通常ショッピング利用での儲けに期待できると。
(個人投資家の場合は投資額と消費額が逆相関だったりして全然アテにならないのだけど[笑])

ここで1つ疑問なのは、SBI証券ならSBIグループの住信SBIネット銀行がミライノカードを発行しているので三井住友を使わずにグループ内取引でコスト削減できるのにしなかったこと。
SBIグループはそれ以前のSBIカード時代からクレカ事業には弱く規模も小さいので、ミライノカードでは楽天カードに全く対抗できないと自らの弱みを認識した上でブランド力のある三井住友カードと提携したのかも知れませんね。

即追随したとしてもポイントの強さで楽天証券と楽天カード連合が選好されていたと思いますが、更に2年半遅れですからね。
楽天から奪い返すのではなく共存しながらウチでも積立してくれれば良いという考えでも、投信積立だけで3社に月15万円を落とせる顧客は限られるので、優先順位を付けると楽天証券楽天カード連合がトップで優位は簡単に揺るがないように思います。

遅ればせながらやらないよりはマシだし、結果論で言えば2年も待たず可及的速やかに追随するべきだったんでしょうね。
文句ばかりになってしまった感がありますが、各社が競争して顧客が低廉で利便性の高いサービスを利用できるようになることは歓迎です!
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posted by 韋駄天太助 at 11:24 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月08日

日経平均が30年ぶりの2万9千円台ってまさかの3万円が早くも目前に!

週明けの日経平均は一時600円近く上昇して2万9千円台を軽々と超えて来ました!
なんと1990年8月6日以来で30年半ぶりの高値です!

その頃確か私は・・・と記憶を手繰り寄せてもすぐには思い出せない程の長い長い失われた30年ですね!?

先週末の雇用統計を受けたNYダウは0.3%高で大きく上昇した訳ではありませんでしたが、週初に3万ドルを回復して上がり続けた1週間でした。
1月21日に付けた最高値31188ドルに後一歩とまた迫って来ました。

ゲームストップ株を巡るロビンフッダーとヘッジファンドの対決に振り回された先々週の動きをものともせずに下落分を取り戻してきました。
市場参加者全体がファンダメンタルズ無視のイナゴ状態でロビンフッダーを笑えないという状況にならなければ良いですけどね!?

私は年初に「ここからたった7%上昇すればなんと日経3万円ですが、今月や今年中に見られるのでしょうか?」と書きましたが、今年中はともかく1月中は大袈裟のつもりでした。
でも、そんなに大袈裟でもなく現実に2月上旬には29400円手前まで来てしまいました。

ここから3万円に到達するために必要な上昇率はたったの2%です!
まさかの日経平均3万円が数日以内にも見られるかも知れませんね。

過去のエントリーでは日経平均が最高値3万8915円を越えるのは何十年後のことだろうかと書いた記憶もあるのですが、いやいやわからなくなってきました。(笑)
30年前の日経平均もゲームストップ株みたいにファンダメンタルズ(この国の脆弱さ)を無視した(過大すぎる評価であまりにも過剰な期待を織り込んだ)上昇だったのに、ユーフォリアの渦中にいる人の中で気付く者は稀だったことを忘れてはなりませんね。

「節分天井、彼岸底」のアノマリーにある通りに2月上旬は高値を付けやすい時期ですね。
相場全体がゲームストップ株みたいな動きになり市場参加者全員がロビンフッダー「れべる」だったとならないことを願います!?
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posted by 韋駄天太助 at 11:31 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月01日

ゲームストップ株における正義の個人対ヘッジファンド対決はもうゲームストップせえや!?

米国で個人対ヘッジファンドの対決が世界の相場まで揺らして下落させる事態にまで発展しています。
米ゲームストップ株が割高だとして空売りを仕掛けたヘッジファンド勢に対して個人投資家がSNSで連帯して買いで応戦した結果、個人がファンド勢を打ち負かして買い戻しを迫られて株価は急騰。
個人は大儲けしてヘッジファンドは大きな損失を出しました。

その結果、ヘッジファンド勢が損失を穴埋めするために他銘柄に売りを出して相場全体が下落して世界にも波及した?(ほんまかいな?)
私はこのニュースでback numberが歌う「水平線」の歌詞が思い浮かびました。


さて、個人投資家の行いはヘッジファンドの売り崩しからゲームストップ株と企業を守って救った正義でしょうか?
ファンダメンタルズから見て高いと判断して売りから入ることは健全な価格調整機能であると考えられているので「空売り」という仕組みがあります。
しかしながら、ヘッジファンドが流動性の低い小型株によってたかってハイエナの如く売り崩しに集まってきて、資金力にモノを言わせて力業で個人の買いを投げさせて不当に安い価格まで落とし込んだ所で買い戻して儲けるという悪行(?)を得意としていることも事実。

今回は個人が連帯することでヘッジファンドを上回る資金力を生みヘッジファンドの悪行を防いだという見方も出来ます。
でも、ネットの掲示板で情報交換した個人が連帯して業績が好調でもない株価を何倍にも釣り上げる行為は健全な市場機能の破壊者に過ぎません。

今回俺たちがお前らにしたことは今までずっとお前らにされて来たことだ!
相場で資金のある方が資金のない方を振り回して奪うことは簡単でお前らは無能だ!何がファンダメンタルズなんだか?思い知ったか!!!
その通りではある。

個人対機関という構図だけではなく、更には個人対富裕層という構図もあります。
連帯した個人は無料掲示板(SNS)で情報交換して無料取引できるロビンフッドを使って株式投資を行う層でありハイソサイエティーとは言えませんね。
(日本で言えば、5ちゃんねらーが連帯してヘッジファンドの売りに立ちふさがり踏み上げるとか考えられないけどね)

一方、ヘッジファンドに大金を預けるのは概して富裕層でありそれを元手にレバを掛けて売り崩して来る訳です。
金持ちではない零細投資家が連帯して買いで応じて踏み上げさせてヘッジファンドに大損させることは即ち大嫌いな富裕層に大損させてやることです。
更には、ゼロサムゲームなので彼らの損失は俺たちの利益になる訳で富裕層から金を奪い取ってやったぜと溜飲が下がる訳です。

さて、これは正義でしょうか?
否。
でも、「正しさを別の正しさで無くす悲しみにも出会うけれど」「あなたの夢が一つ叶って歓声と拍手の中に誰かの悲鳴が隠れていること」は別の正しさで失って初めて「耐える理由を探しながら」「あなたは自分を知る」のかも知れません!?

でも、ゲームストップ株だけにもういい加減ゲームストップしてくれないと世界が悲鳴を上げるから!?
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posted by 韋駄天太助 at 11:58 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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