現状の上場規則ではETFが「適格指標に連動する」ことを条件としているためアクティブ運用ができないが、1〜2年以内に規則を見直し指数に連動しないETFを上場できるようにするとのこと。
具体的に何が出来るようになるかと言うと、現在販売されているアクティブ投信をそのままETF化して東証に上場させることが出来て、信託報酬は販売会社取り分がないので低コスト化することが出来ます。(現実的にやろうとする運用サイドがあるかは不明)
アクティブETFと言えば、米国ではキャシーウッド女史率いるアーク社の破壊的イノベーションに特化したETFが有名ですね。
代表するARKKという銘柄で経費率は0.75%なのでパッシブETFと比べれば安くはないでしょうが、日興アセットがアーク社の助言を受けて運用している「グローバル・フィンテック株式ファンド」の信託報酬は税込1.925%なので、例えばアーク社が米国ETFをそのまま東証に重複上場させてくれれば本邦投資家は安く取引できるようになります。
(日本では米国株でもアーク社のETFは購入できないので期待薄ですけどね)
多様なETFが取引できるようになることは基本歓迎ですが、同時期に東証ETFに関して懸念するニュースも出ています。
東証は「NEXT FUNDS 南アフリカ株式指数・FTSE/JSE Africa Top40」(野村南ア40、1323)を7月25日付けで上場廃止すると発表しました・・orz。
野村アセットのリリースによると理由は、約14年運用継続したが残高が増加せず信託終了条件の1つである200万口を4年以上下回り今後も増加が見込めないと判断したとのこと。
指数自体の推移は堅調でこのETFは今年の4月にここ10年で最高値を付けていますが、残高が少なく取引も活発ではなく残念ながら上場廃止が決まりました。
確かに新興国の中でもニッチで南ア指数を定期的に買い付けるとか、短期の値上がり期待での買いやトレード需要も小さく売買は盛り上がらないし、残高も増えなければ野村アセットの取り分も小さく、逆に儲からないのに頑張って14年間も続けたと言えるのかも知れません。
しかしながら、米国にも南ア株価連動ETFは上場されて運用され続けている訳で東証ETF全体の取引が活発で投資家層が厚ければ廃止となることもない筈であり、既存ETFの残高増加なくしてアクティブETFを上場可能として取引が盛り上がるでしょうか?
何らかの知名度や実績もないのにアクティブETFを組成したところで本邦投資家が主体的に調べてアプローチして東証で取引をするとは思えません。
少なくともパッシブの南ア株価指数連動ETFは投資対象がとてもわかり易い訳で、アクティブETFは銘柄名見ただけではサッパリわからないことも多く、アークの重複上場でもなければ運用会社が投資家に手を出させるのは難しいように思います。
とはいえ制限されていたことが解除されETFが多様化することを否定するものではないので、アクティブETF解禁が東証ETF全体を盛り上げる起爆剤になることを期待しておきましょう!
