2024年12月27日

投資信託の翌営業日約定の基準価額は二度推定を繰り返して予想可能!?

12月になってから今年のNISA残り枠を全て埋めようかと思いましたが、新規で追加投資したい株価や為替の水準ではありませんでした。
そこで特定口座の売却金額同額を同日にNISA口座で買い付けて手動ロールオーバーしようと考えたのですが、一部に口数での売却しか受け付けない銘柄がありNISAでの購入金額とピタリと合わせることが出来ずに困りました。

そこで普段はやりませんが、当日売却注文を出す銘柄の約定基準価額を推定した上で逆算して売却口数を計算することにしました。
これは当てずっぽうではなくそこそこの精度で推定可能なんですね。

NISAで翌営業日約定の銘柄Aを10万円買い付け、同時に特定口座で同じ(似た)カテゴリーの銘柄Bを口数売却で10万円売却したい場合を考えます。
注文したい日に把握している昨晩に更新された基準価額は約定日の2営業日前を基準としています。
当然2日後の未来も不確実なのでそのまま口数計算に使うと売却金額もソコソコぶれてしまいます。

まずは注文日の夜に判明する1営業日前をベースにした基準価額を推定します。
推定と言っても、既に事実としては全て判明しているので割と精度は高いのですが、どこまで労力かけて細かく計算するかにもよります。

SBI証券のQ&Aから「ご注文日の翌営業日が約定日となる投資信託は、ご注文日の当日の海外等のマーケットの終値を基に、円換算して算出されます。
為替レートはご注文日の翌営業日、午前10:00頃の投資信託協会が定めるレートが適用されます。」
基本はこの通りに計算するだけです!?

単一指数なら簡単で、わかりやすいS&P500を例に取ります。

【最新(昨晩更新)の基準価額 x (1+株価指数の前営業日騰落率) x (1+為替レート変動率)】

S&P500の前営業日騰落率は簡単に拾えるはずで例えば26日終値ベースでは▲0.04%の下落でした。
ドル円レートは前営業日と当日の午前10時のレートを拾い増減率を計算します。
私は投信協会が定めるレートを知らないので、マーケットスピードからリンクを踏んで直ぐに確認できる楽天証券の10時算出ドル円レートを参照します。(増減率だけなので揃えて拾えば簡便な方法で何でもいいでしょう。)

楽天の10時レートは例えば26日が157.31円、27日が157.96円になっているので、増減率は△0.41%になります。
有名なslim米国(S&P500)の26日現在基準価額34,409円を例に取りましょう。

今夜算出の基準価額はズバリ34,533円でしょう!(当たるかな?)
種明かしは34,409円x(1−0.0004)x(1+0.004)の計算結果ですね。

ここまでは既に事実としては判明している当日約定(前営業日ベース)の推定値なのでどうしてもブレるのはここからです。
投信注文日に今夜の米国終値も翌営業日午前10時の為替レートも正確に当てるのは不可能。
出来ることだけ淡々とやりましょう。

データを拾うのはなるべく未来に近付く午後3時手前まで引っ張ります。
【推定した前営業日基準価額x(1+最新の場中株価指数騰落率[or先物騰落率])x(1+現時点の為替レート変動率)】
で翌営業日の基準価額を推定する他ありません。

今日は都合上午前11時台で拾いますが、楽天証券のマーケット情報でS&P500先物は▲0.15%の下落、為替レートは157.5円付近となっているので午前10時レートに対して増減率▲0.3%。

よって、本日注文翌営業日約定のslim米国株の基準価額は
34,533円 x (1-0.0015) x (1-0.003) = ザックリ34,377円
と推定されます!

単一指数なら簡単なのですが、オルカンや先進国(コクサイ)指数の場合も考え方は同じで株価指数と為替レートの増減率を各国の騰落率と国別構成比で加重平均して計算すれば良いだけです!?
と言ってもデータを拾うのも大変だし、努力したところで精緻な推定は不可能なのに虚しい労力になりかねません。
特に米国で重要指標の発表がある日は日本時間で米国先物が△1%で推移していても翌朝に▲1%の終値で引ける(その逆も含めて)なんて普通に起こるので推定には限度があります。
それなのにフランスの株価変動率にユーロ円の変動率かけて数%の国別構成比で加重平均するとか私はやりません。

基本は米国株指数とドル円レートの変動だけ見て、米国構成比の高いオルカンにもコクサイ指数にも流用すれば良いと思います。
(NASDAQ100ならS&P500ではなくその指数を使えば良いし、インド投信の推定なら午後3時前の場中インド株価指数騰落率とインドルピーのレートも考慮した方が良いですね。)

まあ、この推定でそこそこ口数売却の金額を買付額に近づけることは出来ました。
少なくとも2営業日前の最新基準価額で売却口数を計算するよりはマシでした。

口数の計算だけでなく、基準価額がここまで下げたら買いを入れたい(ここまで上げたら売りを入れたい)という時にも使えるのでザックリ推定の仕方は理解しておいて損はないと思います。
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posted by 韋駄天太助 at 12:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月20日

楽天グループの株主優待「楽天モバイル1年無料」は利回り30%越えの大盤振る舞い!?

楽天グループが来期の株主優待を公表しましたが、「楽天モバイル」回線の音声+データ30GB/月プランの1年間無料提供となりました!

これは今期の優待内容を引き続き提供することになりますが、元々1年前に発表された今季優待は音声なしデータSIMの数カ月限定提供でしたが、無配となったお詫びみたいな形で優待をグレードアップさせた経緯があります。
また、優待の継続は保証されていなかったのでこの発表に株価も反応して800円台から900円台へと必要額1万円程度ジャンプアップしました。

株主に提供される内容は法人向けに月額3,058円(税込)で提供されている「音声+データ30GB」プランと同等と考えられ、年額ベースでは36,696円になります。
これが1年無料ということは株価を現状より少し高く投資額10万円で見積もっても優待利回りは36%を越えるので大盤振る舞いです!
通話無料でもそんなに掛けないし自分にはデータ3GBで充分という人でも低めに月1000円の価値と見積もっても、優待利回りは約12%にもなるので魅力的な優待であることには変わりません。

でも、優待目的で楽天株を保有する場合は優待の継続は保証されていないので今回の1年限りでもし続けばラッキー程度に考えておいた方が良さそうです。
何年も継続するにはサービスし過ぎで持続可能な優待制度とは思えません。

では、楽天グループは何故こんな大盤振る舞いの優待を導入したのでしょうか?
一番の目的はシンプルに個人株主に使って貰ってサービスを気に入って貰い正式に楽天モバイルと契約して貰い利用者を増やしたいからでしょう。
以前も1年無料とか(物議を醸した)月1GB未満利用なら無料のプラン変更とかやっていましたが、電波状況や使い勝手の改善を実感してもらって一旦去った客にも戻ってきて貰いたい。
と同時に株主になって貰い(低迷の長い?)楽天株を支えて貰いたい。

もう1つの目的は公には言いませんが、契約数の水増し、もとい株主の無料利用も含めた利用者数をカウントして対外発表の契約者数を多く見せられるメリットがあるからでしょう!?
(但し、実際に株主優待分を契約数にカウントしているかは把握していません。でも、楽天さんが含められるものなら含めない訳がないと!?)

24年11月現在で楽天モバイルのMVNO含む全契約数が812万回線、MNO契約が741万回線となっています。

どこに株主優待分が含まれているのか不明ですが、仮に含まれているとすれば、1年無料の株主優待を止めてしまうことでおそらく数十万回線規模の契約が一気に減ってしまうと見栄えが良くない。
せっかく世間は楽天モバイルの契約数が順調に伸びていると受け止めていて、かつ大目標の1千万回線が視野に入って来たところで1年無料を止めるのは得策でない。
少なくとも1年は延長して1千万回線を達成した上で株主に切り替えの正式有料契約か解約を迫るのがベスト。
もちろん優待改悪は株価への影響も大きくようやく6万円台の底から回復したところで個人株主に逃げられるのもタイミングは良くない。
まあ、三木谷さんの考えていることはこんな感じでしょう!?

楽天モバイル並びに楽天グループの財務状況を鑑みれば、大盤振る舞いの株主優待をいつまでも続ける余裕はなく、今回で大盤振る舞いの1年無料は終わりと考えておいた方が良いと思います。
来年中に1千万契約を達成しなければ契約数を減らしたくないから更に1年延長もあるかも知れないってところでしょう!?

非常にオトクな株主優待ですが、デメリットはMNPが出来ずに楽天モバイルが新規発番する電話番号になること。
従い、アプリによる無料通話も自分のメイン回線を発信番号にすることは出来ません。

1年無料を活かすならメイン回線は主に電話着信用として、現利用キャリアの最安プランやほぼ無料で維持できるpovoやMVNO日本通信の290円プラン等に移行するのが良さそうです。
その他にもデータ利用量の確認が出来ない(月30GB使い切る人はいつ200kbpsの速度制限が掛かるかわからない)等のデメリットもあるようなので、本気でこの優待を狙う人は条件をよく確認した方が良いでしょう。

国内株の年内受渡は12月26日約定分までなので、この優待を取りに行くならもう数日しかありません。
株主優待にウキウキで850円近辺から1000円まで上昇した株価も一旦頭を打って900円台で推移しているので少し買いやすくなったかなとは思いますが、優待利回りも現状なら40%近いし!?

別に推奨ではないし(私に何のメリットもない)少し美味しすぎる優待だと思ったので紹介してみました。
取る取らないや楽天の株価に対する評価は自己責任でどうぞ。
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posted by 韋駄天太助 at 11:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月13日

iFreeETF NASDAQ100が信託報酬最安値も現状の運用内容から1年程度様子見が無難!

前回のエントリーでiFreeETF NASDAQ100が圧倒的最安値の信託報酬0.11%(税込)に値下げしたことを書きましたが、もちろん現時点で最善の選択肢と推奨した訳ではありません。
最新の月次レポート(11月末)を見て現状の運用内容から改めて様子見が無難であると考えるので前回の補足をします。

為替ヘッジなし(2840)のレポートで確認すると101銘柄の現物株投資は全体の64.5%に過ぎません。
残りの22.0%がNASDAQ100先物であり、13.5%が米国ETFのQQQへの投資です。

いくら信託報酬が低くてもQQQを組み入れている限り、QQQのパフォーマンスを上回ることは難しくなります。
高い比率ではありませんが、QQQの経費率分(0.2%x13.5%=)約0.03%が信託報酬0.11%分の外側で発生することになります。

また、先物への投資比率が約2割を占めているので、金利コスト等の負担があり現物投資よりもコスト高(実際には先物価格に反映されているので騰落率の減少)となりがちです。
この2つの要素は確実にパフォーマンスを押し下げる要因になりますが、実際はどうなのでしょう?

運用実績10年超でiFree値下げ前は同一信託報酬だった野村NEXT FUNDSヘッジなし(1545)と比べてみます。
1545も先物比率が2.2%ありますが極めて小さく、株式比率が97.6%で「外国投資信託」の記載もないのでQQQは一切組み入れていないものと推測されます。

<11月29日現在の騰落率>
       3カ月間 6カ月間 1年間
野村1545  +11.8%  +7.8%  +33.5%
大和2840  +11.7%  +7.6%  +32.7%
差異     0.1%   0.2%   0.8%

直近1年をどこで区切っても野村のパフォーマンスが大和を上回っているようです。
要因は1つや2つでなく複数あるでしょうが、上記に挙げた先物・QQQ組入れの違いによる影響が小さいとは考えられません。

しかしながら、この1年で劣後した0.8%は前半の6カ月で0.6%の差を付けられ、後半の6カ月は0.2%の劣後に過ぎず運用が改善されているようにも見えます。
もしかしたら、半年以上前は更に先物とQQQ比率が高かったのかも知れません。

大和がこのような運用方法を取っているのが純資産総額の小ささによるものだとすれば、今後は規模増大に伴いQQQ比率0%を目指し先物比率を極小化することで、信託報酬最安値が効いてパフォーマンスでも1位のファンドになれるかも知れません。

因みに分配金利回りも比較してみると、12月12日を基準日として野村1545の0.39%に対して、大和2840は0.44%で0.05%上回ります!
配当金のない先物比率が高い大和の方が下回りそうですが、こちらも様々な要因でこの程度はぶれますね。
とは言っても、信託報酬差0.1%のファンド優劣を比較する時に分配金0.05%分を誤差だと見做す訳にもいきません。
(それなら、そもそも信託報酬が誤差ですから!?)

ということで、現状のiFreeETF NASDAQ100の組み入れ方(先物とQQQの比率)では現物株組入100%に近いファンドに必然的にパフォーマンスは劣後すると推測され、運用方法の変化・向上と実際のパフォーマンスを今後1年程度は確認した方が無難と思われます。

やはり騰落率で年間0.1%は他ファンドを出し抜いてくれないとNASDAQ100連動で信託報酬0.11%の圧倒的低コストも意味がありません!
大和は純資産1600億円のNASDAQ100投信も運用しているし別に難しいことでもないと思われ、iFreeETF NASDAQ100の今後の運用改善と低信託報酬を活かして騰落率トップのファンドになることを期待します!
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posted by 韋駄天太助 at 12:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月06日

東証のiFreeETF NASDAQ100がなんと本家QQQを大きく下回る信託報酬0.11%に引き下げ!

まだあまり認知されていないようですが、個人的には東証ETFにとって画期的な大いなる一歩と捉えています。
大和アセットは12月4日からiFreeETF NASDAQ100の信託報酬率を年率0.22%(税込)から年率0.11%(税込)に引き下げました!

大和アセットは為替ヘッジなし(2840)と為替ヘッジあり(2841)の2本を出していますがどちらも引き下げ対象です。
ビッグニュースは突然50%下げたことでもNASDAQ100連動ETFの中で突出した低コストになったことでもありません。
NASDAQに限定した話ではなく、遂に本家米国ETFの経費率を下回る信託報酬を設定する東証ETFが(今回は値下げだが)登場したことが画期的!

超有名な本家米国ETFのQQQは年間経費率が0.2%。
その廉価版となるQQQMが23年6月に登場しましたが年間経費率0.15%です。
米ドルに交換してこれらの本家ETFを買いに行かなくても、東証ETFでそれを下回る信託報酬率0.11%のNASDAQ100連動を円で(大手ネット証券なら)手数料無料で買える訳です!

でも、何故大和はこのタイミングで利益を削り本家を下回る低コスト設定の決断をしたのでしょうか?
NASDAQ100連動ETFは投資家に人気があり商品数も多くて、例えば老舗の野村NEXT FUNDSのETFは信託報酬0.22%で為替ヘッジあり・なしの合計で直近の純資産総額は850億円程度あります。
一方、後発で22年上場の大和iFreeETFは2本計で純資産総額は128億円程度(24年10月末時点)となっており、投資家に選ばれるためのアピールポイントに乏しい。

更にはETFより安く信託報酬0.2035%(税込)に設定したニッセイのNASDAQ100投信が二年足らずで純資産2千億円越え、同信託報酬に値下げしたeMAXIS投信も1千億円越えとNASDAQ100連動のETF全体が劣勢の状況にありました。
現状では大和iFreeETFの大幅な純資産増加は見込めず、過当競争の中で劣勢な状況から抜け出すには信託報酬でアピールするしかなく、中途半端な値下げでは追随を招いてパイは増えずに利益を削るだけなので、思い切って本家米国ETFをも下回る50%値下げで0.11%(税込)に下げて勝負に出たのでしょう。

おそらく元々ETFに多少負けるコスト差は構造的に許容できる投信は値下げに動かず、東証ETFの中でも追随対抗値下げするところが出て来るかは不明です。
日本のNADAQ100連動ETFや投信が米国本家QQQに匹敵する信託報酬0.2%程度に設定・値下げした時も画期的だと思いましたが、遂に本家を凌駕する信託報酬0.11%に値下げするファンドが現れたことは東証ETFにとっても大いなる一歩だと思います。

日本の投資環境は後進国でコスト高というレッテルはもう剝がさなければならないのかも知れないし、投資においては日本製より米国製の方が安くて性能も良くて当たり前という固定観念はこれからも壊し続けて欲しいですね。

と言っても、正直年間0.1%程度のコストダウンに直ぐ飛びつく必要は全くなく、値下げが実際のパフォーマンスに反映され、1年騰落率でQQQやQQQMに日本製のiFreeETF NASDAQ100が匹敵するか上回ることを示して外野(って誰?)を黙らせて下さい!
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posted by 韋駄天太助 at 11:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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