2013年11月30日

証券優遇税制廃止に伴い2013年内に含み益を全て吐き出せば税金トクなのか?

2013年も残り1ヵ月となりますが、10%の証券優遇税率は今年一杯で廃止となり、2014年からは本則の20%に戻り税金倍増なので消費増税どころの騒ぎではありません!?
(復興特別所得税を含めると、10.147%から20.315%へと倍以上のアップ!)

消費増税前に消費を前倒しした方が税金トクなのと同様に、優遇税制の今年中に株・投信を売った方が税金トクするのは基本的には当たり前です。
基本的ではないケースとしては、30年ホールドするつもりなので税引後再投資で元本が減り結果減税分以上に損することもあるとか、元本に対し含み益が小さいと減税分を売買コストが上回ることもあるとか、・・・。

投資家各々で作戦は変わってくるので、絶対的にこうすれば良いとマニュアル化できるものでもないと思います。
私個人も基本的には年内の含み益吐き出しを考えていますが、どのようにどこまでやるかは決めあぐねています。

現状ポーとフォリオ全体の含み益が100万円だとします。
来年以降利確するよりも年内に行えば、10万円[=100万円x(20%-10%)]の節税になります。(復興特別税は考慮せず)

しかしながら、ポートフォリオなので複数の金融商品で構成され、黒字(計200万円)も赤字(計100万円)も入り混じってネット100万円の含み益とします。
この場合、黒字商品だけ年内に売り、赤字商品は来年以降に売り繰越損失にして2017年までの利益と相殺できれば、年内で全部売ってネット100万円の利益確するよりも更に10万円の節税になりオトクです。

当たり前なんですけど、では黒字1000万円で赤字900万円の構成でネット100万円の利益ならどうでしょう?
単純に年内1000万円の利確して赤字900万円を来年持ち越しが正解だと一概に言えるでしょうか?
これを実行するには3つの壁があると思います。

●含み損を抱えながら先に大きな税金を払う!
結果として節税になっても、大きな含み損を抱えながら小さくない税金を先に払うのは、再投資額が減ること以上に心理的に避けたい。

●真っ赤っ赤のポートフォリオが出来上がる!?
全体では含み益だったのに黒字を全部売った後に残るのは900万円の恐ろしく真っ赤っ赤なポートフォリオです。売った分を再投資に廻してもしばらくは0近辺を行ったり来たりで全部真っ赤になるかも知れず、決して気分が良いものではなく心理的な壁になります。

●大きな繰越損失は期限内で相殺できるかわからない?
含み損で長期間持ち越すなら問題になりませんが、年明けに大きな損失確定をしてしまうと2017年までの4年間で新たに生じる利益と相殺できるとは限りません。
というか今後4年の相場環境も不明ですし、僅かな損失でも右肩下がりの環境なら1円も相殺できないかも知れないし、どこまで吐き出すかは自分で判断するしかありません。
ということで、算数上の損得を考えながら心理的な壁と戦って自分で決めましょう。(笑)

来年はNISAも始まるのでその資金作りで売るケースもあるでしょうし、含み益だろうが損だろうがポートフォリオの見直しで金融商品の入れ替えも兼ねて整理するケースもあるでしょう。
今年残り1ヵ月は税金面だけでなく様々な観点から投資方針やポートフォリオを見直してみる良い機会かも知れませんね。
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posted by 太助 at 19:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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