格安スマホのシェアも徐々に大きくなり、当初は価格を下げずに様子見を決め込んでいたキャリアも無視できずに耐えかねて大幅引き下げを迫られた形でしょう。
まだ浸食されてシェアを奪われても料金引き下げで単価を下げて減収となるよりも得策と考えていたドコモやソフトバンクも、格安スマホはスルーしてもKDDIの値下げは無視できずにきっとほぼ横並びで合わせて来るでしょう。
そもそも規制緩和して格安スマホ業者に多数参入させたのも競争を引き起こして3大キャリアの寡占で高止まりしている料金を引き下げさせることも大きな目的の1つ。
政府や総務省がキャリアにスマホ高過ぎだから引き下げろと直接圧力掛けなくても、ちゃんと競争を促してやればキャリアは自分の為に勝手に料金を下げて来ることを証明し、これに関しては総務省グッジョブ!ですね。
顧客単価を下げたくないキャリアはあの手この手で必要もない付加価値を付けることで格安スマホとの差別化を図った訳ですが、高いスマホ料金を払って牛丼タダ券を貰って金曜日の行列に並んで喜ぶよりも、格安スマホに変えて牛丼代は牛丼屋に定価で払った方が安いに決まってる!
遂にウォレットカードの還元率アップでは対抗できずにKDDIがギブアップして(!?)身を削って値下げする判断をしました。
今回は惰性でキャリアを使い続けている人や格安スマホのメリットは理解しつつも品質含む要求の高さで乗り換えられない人にも値下げで恩恵がある訳ですが、格安スマホ業者が頑張ってくれたお陰です。
KDDIの株価は本日3%程下げているようですが、投資家が当面は減益要因と見ているのでしょうが、経営は長期的には引き下げない方が減益要因と判断したのでしょうし、ドコモやソフトバンクとも判断が別れたのでしょう。
でもKDDIが下げてドコモとソフトバンクがスルー出来る筈ないので結局業界横並びで下がって、総務省してやったりですね。
格安スマホ業者が使う卸回線提供キャリアはドコモが圧倒的でKDDIは数社、ソフトバンクはほぼないという状況。
これはドコモの卸料金が一番安く、KDDIは消極的でソフトバンクに至ってはなんで貸さにゃならんと攻撃的防御(笑)だったからですが、格安スマホがシェアを伸ばすとドコモには格安スマホ業者から回線使用料の収入が入るので一番打撃は少ない訳です。
自社から格安スマホに移った客分は単価大幅減で減収要因ですが、格安スマホがKDDIとソフトバンクの客を奪ってくれればドコモは何の営業努力もせずに増収要因となる訳です。
(単価が違い過ぎてドコモにとっても格安スマホに浸食されていることは同じですが)
結局格安スマホ業者への閉鎖的態度も自らを苦しめ値下げに追い込まれた自業自得とも言えます。
(ドコモと同じように開放していれば、スマホ業者からの回線使用料も得られたのに卸はほぼドコモが独占)
あまり過当競争になっても共倒れですが、キャリアの値下げで格安スマホが更に料金を引き下げて対抗したり様々なサービス競争に繋がれば、株主にとっては嬉しくなくても消費者にとっては良いことですね。
まあ、寡占の中でキャリアは今まで甘い汁を充分吸ってきたので、総務省も頑張ってまだまだもっともっと競争を促していきましょう!

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