ステート・ストリートが11月19日に東証上場させる残り2つはゴールドETFなのですが大きなインパクトはないので、9月26日に上場済みでほぼ横並びの最安信託報酬となるグローバルXのゴールドETFも併記します。
グローバルX金ETFの概要
名称:グローバルX ゴールド ETF
為替ヘッジ[銘柄コード]:なし[425A]、あり[424A]
投資対象:豪籍ETFに投資してMirae Asset Gold Bullion ETF Hedged Indexに一致させる
信託報酬:税込0.1775%程度
既に上場済みのこのETFはオーストラリア籍のETFを投資対象としていますが、その経費率は0.15%になっています。東証ETF側で税抜き0.025%を上乗せすると税込額にもピタリと一致します。豪ETFもグローバルXが組成しているので日本側でのコストを低く抑えても最安値を取りに行き、トータルで儲かれば良いという考えでしょうね。
まだ上場して約1カ月ですが純資産は約60億円。スパイダーETFが上場するまではゴールドで日本最安かつゴールドがバブルと言われる程の急騰を演じていた中で資金をよく集めたのか?物足りないのか?投資対象が豪籍ETFで連動対象指数もよくわからないと言った点で手を出さずに様子見していた投資家も多かったのかも知れませんね。
スパイダー金ETFの概要
名称:ステート・ストリート・スパイダー ゴールド ETF
為替ヘッジ[銘柄コード]:なし[447A]、あり[448A]
投資対象:主としてSPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラストの受益証券に投資
信託報酬:0.17%(税込:0.177%)程度
一方、11月19日上場予定のスパイダー金ETFは本家米国ETFであるSPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラストが投資対象です。経費率は0.10%なので東証ETF側で税抜0.07%の上乗せと仮定すると税込額にもピタリと一致します。
実は既にSPDRゴールド・シェアETF(1326)が東証上場していますが、こちらの信託報酬は0.40%で米国ETFのSPDRゴールド・シェア(GLD)の重複上場版になります。そのミニかつ廉価版である米国ETFのSPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)を投資対象とする国内組成ETFが今回の447A/448Aという構図になります。
S&P500ETFと同様に純資産規模の大きい既存ETFはいじらずに利益を守りつつ、新規の廉価版で他社に対抗してパイを拡大する作戦だと思います。
両ETFの比較
と言っても、スパイダーはまだ上場していないし情報は限られるのですが、信託報酬はスパイダーが0.0005%だけ下回りますが一目では桁数もわからないほどの誤差中の誤差なので、日本の中では両者が並んでゴールドETF・ファンド最安信託報酬ということでよいと思います。
後出しのステート・ストリートがグローバルXを意識してギリギリ下回る値付けをしたのは明らかですね。でも、そんな必要もないほどに両者の運用会社としての格や信頼には残念ながら差があると言わざるを得ません。(グローバルXは新興だから仕方のないこと)
また、スパイダー金が投資対象とする米国ETFの純資産総額は現在23,827(百万ドル)あり、1ドル150円で換算すると3兆5千億円を越える規模ではないかと思います。一方、グローバルXの投資対象は豪ETFですし純資産も計算するまでもなく二桁少ないと思われるし、この部分においては比較になりません。
よって、国内上場の金ETF購入を考える際にスパイダーを外して敢えてグローバルXを選択する理由は今のところ見当たらないかと思います。
SBI金投信とのコスト差小も選ぶならスパイダー!
しかしながら、最安投資信託との信託報酬差はそれ程大きくありません。低コストと言えばやはりSBIアセットの「サクっと純金[SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド]」が0.184%であり、スパイダー金ETFは0.007%下回っているだけでほぼ差はない。
ゴールドの場合は配当がないのでその扱いを気に掛ける必要がなく、ETFでも投信でも好きな方を選べば良いと思います。私がもし金ETF・投信を購入するなら為替ヘッジなしの「ステート・ストリート・スパイダー ゴールド ETF」(447A)を選んで、配当を気にする必要がないので貸株で預けっぱなしにして金利収入(平常なら)0.1%を貰い続けると思います。
少なくとも日本側で掛かる0.07%の信託報酬を惜しんで、米国株口座で高い購入/為替手数料を払ってGLDMを買いに行き、上級投資家の俺は経費率がたったの0.10%!とドヤるのは最早マニアやオタクの世界ですね!?(東証ETFなら貸株金利で上乗せ信託報酬程度はお釣りが来ますって!)
でも、グローバルXにも頑張って欲しいですね。値下げしないなら運用とパフォーマンスで数年間の実績を作って信頼を獲得するしかないと思います。
競争によりゴールドETF・投信のコストが下がるのは良いことですが、運用サイドは最高値更新を続けてゴールドが注目される現況で需要が大きいと踏んでいる証拠。タイミング的には逆指標の天井サインとして注意ですね!?
