ウォーレン・バフェット氏が米鉄道大手バーリントンを4兆円買収で人生最大の賭けに出た!米国の未来は明るいの?

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社が鉄道会社のバーリントン・ノーザン・サンタフェを440億ドル(約4兆円!)で買収すると先週発表した。
(既に保有している株と引き継ぐ債務を含む総額ベース)
 
既に22.6%の株を保有していて筆頭株主でしたが、完全子会社化します。
 
この買収はバフェット氏にとってもバークシャー社にとっても過去最大の大型買収になります。
 
コカコーラが有名だと思いますが、氏は安い時に有望で安定的な株をどかどか買って基本的に永久保有するスタイルを取ります。
 
このような大きな賭けを外さずに成功を重ねてきたバフェット氏の一点集中買いは今回も成功するのでしょうか?
 
バフェット氏の今回の買収に関するコメントを拾ってみます。
 
「提案を申し出て、取締役会で検討するという返事をもらい、かかったのはおよそ15分だった」(相変わらずの即断即決ぶり!15分で4兆円のお買い物!)
「米国の今後の経済に対する一つの賭けであり、こうした賭けは嫌いではない」
「米国経済が好転すれば、鉄道運輸が活性化される」
「わたしたちの国の将来は効率的な、また、よく整備された鉄道システムによっている。米国は今後とも鉄道事業を伸ばしていくべきだ」
「大きな賭けであり、とても満足のいくものだ。来月や来年について賭けているのではなく、バーリントンを永久に保有し続ける」
「経済の調子が良ければ、底堅いビジネスだ。私は経済が良くなると信じているよ」
 
コメントを拾うと、氏は米国経済が好転することに大きく賭けていることがわかります。
(逆に言えば、それが賭けになる程米国悲観論が強いということ)
 


コカコーラとは違って、米国経済に閉じた鉄道ビジネスなので米国経済が好転しなければこの買収も利益を生まないことになります。
さて、我々はバフェット氏の米国経済に対する楽観的な見通しを受け入れても良いのでしょうか?
 
私は氏を尊敬していますが、米国経済の好転には単純に賛同することはできません。
 
コメントに「来月や来年について賭けているのではなく」とあるように、長期的な視点で勝算があると考えていると思います。
裏を返せば、後5年米国が低迷しようが構わない・・。(氏が生きている間とも限らない・・。)
 
また、氏は近年海外への投資も積極化していますが、基本的には米国の経済発展の中で国内の株式投資により成功した人です。
 
バフェット氏は大変愛国心の強い人だと思います。
 
勿論、会社の金で投資するので株主が損をするような決定をしないはずですが、人間だから優先順位や重み付けは変わってくることもあると思います。
 
私は氏が昨年から自信喪失気味の米国人を鼓舞するような言動を繰り返し、自ら手本を示すように積極的に投資している姿勢を示しているように感じます。
 
氏は米国経済の好転に賭けるというよりも、米国経済の再興に自分が手を貸して恩返ししなければならないという意識が強いのかも知れません。
 
平均的な寿命なら氏はもう晩年ですし、愛する米国のために自分が生きているうちに出来ることをと投資判断にバイアスが掛かってもおかしくないと思います。
 
米国悲観論に敢えて抗うような行動は、いつものように間違える大衆と反対の行動を取る天才ぶりなのか、自分が行動することで米国を再興したいという愛国心なのか・・?
 
でも、私は米国の再興に決して楽観を持てません。
 
まさに世界恐慌の最中の1930年に米国で生まれた株式投資の申し子であるバフェット氏が、米国の発展と共に人生を送り強い米国に投資することで成功し、晩年には米国に百年に一度の危機が訪れた・・。
 
米国の栄光はバフェット氏の人生のスパンと重なるような気がしてならないのです・・。
 
(因みに今回の買収の副産物で、バークシャーB株1株が50株に分割されるので、個人投資家はバークシャー株を買いやすくなるそうです。)
 
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