私も購入しているHSBCブラジルオープンはフィディリティ証券の3カ月販売実績ランキングで1位となっています。
(私はフィディリティではないですが、取扱銘柄が多いので例に挙げました。)
ブラジルはBRICsの中では勿論、数ある投信の中でも日本で今一番人気と言ってよいでしょう。
(騰がったから買うという理由も多分にあると思いますが・・。)
ロシアも同様に資源国として人気が上がっています。
ここに、野村AMは投信ではなくETFをぶつけてきました。
調べて見ると、野村AMは中国・インドの投信は出していますが、ブラジル・ロシアは出していないようです。(やっぱり!)
しかしながら、投信ではなくETFを出してきたのは英断だと思います。
野村AMのブラジルETFとHSBC投信のコストを簡単に比較してみます。
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野村ETF HSBC投信
信託報酬 0.9975% 1.99%
販売(売買)手数料 約0.2% 3.15%
1年保有時のコスト 1.2% 5.1%
3年保有時のコスト 3.2% 9.1%
5年保有時のコスト 5.2% 13.1%
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コストで投信がETFに勝る点はありません。
ETFの売買手数料はネット証券で片道0.1%と見積もりましたが、投信をキャッシュバックで買えたとしても0.2%の違いしかないので無視できます。
信託報酬1%の違いがリターンの差を生み、5年後には投信が5%(+販売手数料分)不利になる訳です。(ファンドマネージャーの腕が良ければ別ですが・・。)
ETFと投信を選ぶ人の違いは今後いわゆるファイナンシャルリテラシーの違いとなってきます。
今大人気のブラジル株に連動したETFが日本で売れなければ、どんなETFを出しても日本ではダメと言っても過言ではない!
ブラジルETFが成功したと仮定します。次に何が起こるか?
●ブラジルの投信販売が落ち込みファンド運用会社が焦る
●野村がやったように自分の手薄なところにETFを投入し始める
●ブラジルETFの充分な出来高・流動性を見て、日本への重複上場をためらっていた外資が日本市場に前向きになる
●日本の会社では難しそうなインデックス投資家さんが待望する先進国や世界に連動・分散したETFを外資が投入してくる
●本邦投資家の目はますます投信・海外ETFより国内ETFに向く
●ETF戦国時代に突入し、ETF文化が日本に根付く
となる(かもしれない)。
楽天がネット証券で真っ先に海外ETFに力を入れたように、利鞘を減らしても新しい市場に真っ先に出て行くのは王者ではなくチャレンジャーが取るべき戦略ですよね。
そういう意味で証券業界の巨人である野村がETFの口火を切ったのは、金融ガラパゴスの現状を物語っていると思います。
これからも期待は野村と外資勢ということになるのかも知れません。
因みに、私はブラジル・ロシア・南アのETFを当面購入する予定はありませんが、機を見てブラジル投信からETFへの乗り換えは考えます。
またETFが出る頃に記事にしますが、最初の1週間くらいは飛びつかずに購入は様子を見るのが無難だと思います。
指数と乖離してETFなのにストップ高ということも起こりえると思いますよ。
(中国A株連動の上証50ETFも酷かったですから)