昨日書いた記事ですが、メディアの情報を見て色々な感想を持たれたかと思います。
「株をやると怪しげ」とは総理の意見ではなく地方の一般的な意見を代弁した可能性も高く、当ブログでもよく日本のメディア批判をしているにも関わらず、メディアと一緒になって不確実な情報に基づく偏った内容を書いてしまったことを読者の皆様にお詫びします。
エンタメも大好きなので昨日はこんなものお笑いのネタにしかならないと茶化しましたが、フォローも兼ねて真面目(?)に斬ります。
昨日麻生さんが「株屋は・・」と説教なのか批判なのかアドバイスなのか判りませんが、話した相手は松井証券の松井社長です。
ご存知の方も多いと思いますが、松井社長も二世です。
でも、親の七光りではありません。娘婿です。
中小証券会社の後釜として社長になり、数々の斬新な改革を行い、遂には店舗営業を全部止めてしまい、来るべきネット時代にいち早く対応してネット専業証券会社に変革しました。
今は競争で劣勢を強いられている感はありますが、旧態依然として証券業界の風雲児として、個人投資家の方を向いて手数料競争を仕掛けた功労者で、うさんくさい株屋のイメージを変えてきた人です。
私もAIGに保険屋という言葉を使いましたが、この言葉は揶揄する時に使うものです。
「政治屋は・・」と政治家が面と向かって言われて、揶揄されたと受け取らなければ相当な鈍感です。
だから、政治屋の麻生さんが株屋を否定した松井社長に向かって「株屋は・・」という場面は物凄く奇異に移りました。
(松井社長はしっかり麻生フォローされていましたけど)
二世にも色々な方がいますね。
会合の経緯は以下のようです。
松井社長が日本の株式市場のメインプレーヤーが外国人であることを指摘し本邦個人投資家をもっと取り込むことの必要性を訴えました。
これに対して、総理は理解を示しながらも「私も経企庁長官の時から10年貯蓄から投資へと言っているが」とその難しさを口にします。
その後に例の「株屋は信用されていない」「地方では株をやっていると怪しい」などの発言がありました。
確かに一連の説明を聞くと、総理が株式投資をネガティブに捉えている訳ではないかもしれません。
しかしながら、だから何なのか私にはサッパリわかりませんでした。
問題解決に対してはポジティブではないと私は捉えました。
地方の特に高齢者は投資にネガティブであることは証券業界も世間もわかっていることであり、茶飲み話に過ぎません。
証券会社の姿勢に対する批判に意味があるとする考えもあるようですが、批判するなら相手にわかるように言葉を選んで話すべきであり、目の前で聞いている証券業界の人がチンプンカンな内容では意味がありません。
またその指摘も日本人のマネーが投資に向かわない極々小さな理由にしか思えません。
寧ろ経企庁長官の頃からやっているのに成果が上がっていないことを証券会社の姿勢の問題にすり替えてリスクヘッジしていると受け取れます。(性格の良くない私には・・。)
以下は私の意見です。
日本の高齢者の潤沢なマネーを株式市場に向かわせるのは大変難しい。
高齢になる程先入観や考え方が凝り固まり、それを変えるのか難しいのは自明の理です。
(株屋は怪しくないと思わせるのは株屋が努力しても大変ですよ。不思議なことに元本保証って嘘を言うと集まりますけど!?)
また、株式投資でリスクを取るべき必要性もあまりありません。
株屋の問題ではなく、そもそも保守的な国民性に加えてバブル崩壊のトラウマが未だに消えない年齢層です。そこに現在の株大暴落です。
彼らのマネーを株式市場に呼び込むのは絶望的と考えた方が良いのではないでしょうか?
でも、溜め込んで貰っても困るので、これも大変難しいのですが、「不良老人のススメ」で遊んで消費をしなさいと。
次の世代が大変だから余裕のある人は墓場に持っていけないんだから使ってくれとお願いする。
じゃあ株式市場にお金をどう呼び込むかは、やっぱり外人マネーに戻ってきてもらうしかないのでは?
日本の経済構造と株式市場は同じ構図です。
外需依存で内需拡大は難しいから、勿論内需拡大は図りつつ、外需減は外需増でカバーする。(マネーの出所は世界に沢山ありますよ)
本邦個人マネーは現役世代に地道に啓蒙していくしかないでしょう。
ニワトリとタマゴの関係ですが、国と企業が結果を出してGDPアップ・増益になれば頼まなくても資金はやってきます。
外人にも本邦投資家にも、米国や欧州や中国よりも儲かりまっせとアピールして彼らのマネーが日本以外に向かわないように競争して勝つ他ありません。
裏技講じてマネーが集まったところで、日経平均のPERが30倍なんて正当化されないんですから。
それを株屋の姿勢や、地方のお年寄りの意識の問題にしているのはあまりに時代錯誤でお茶を濁しているとしか思えません。
(だからどうするの?外人が聞いたらSo what?)
マジメな長文へのお付き合いに感謝!
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