(投資には関係ありません。)
賛否両論の事業仕分けも終了したようですが、厳しい削減目標には及ばないようです。
私には各々の判断が正しいかはわかりませんが、各省の予算を厳しく追及していく過程を国民にガラス張りにしたこと自体は良かったと思います。
メディアは必殺仕分け人が突っ込んで担当官僚が答えに窮する場面ばかりを報じるのでバイアスは掛かっているのでしょうが、それでも役所の甘さ・いい加減さは露呈されていたと思います。
トヨタのコスト削減は「乾いた雑巾を絞る」と形容されますが、民間企業は売上を伸ばしコストを削って利益を出し続けなければ存続し得ないのに対して、他人の金(税金)を使ってその効果も測定されない役所の杜撰さはよくわかったと思います。
スパコン予算凍結に関しては、東大京大早慶の学長さんもノーベル賞受賞者の皆さんも非難の嵐でしたね。
一番印象に残ったのは、ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏の言葉です。
「不用意に事業の廃止、凍結を主張するかたには将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか問いたい」
日本の数少ないノーベル賞受賞者の大変重い言葉だとは思います。
各論で凍結すべきか否かについて門外漢はコメントを控えますが、必要なもの・切れば支障が出る大事な予算についても聖域なく見直すことは重要だと思います。
それをやらなければ、いつになったら歳出を歳入で賄えるようになるのでしょうか?
勿論、こども手当てや高速無料化よりスパコン優先だろとの意見に異を唱えている訳ではありません。(いやその通りだと思います。)
スパコン廃止論者に歴史の法廷に立つ覚悟を求めるなら、私は、
「不用意に歳出を膨らまし、国債増発を主張するかたには将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか問いたい!」
まさに日本のバブル崩壊後は、日本の歴史の法廷に立たされているのだと思います。
(賢明な時代としてか、そうでないかは言わずもがな!?)
しかも、今は開廷されてから随分時間が経っていて残された余裕は少ないと思います。
また日本の学問の最高峰の学長が揃いも揃って非難し、日本が更に衰退するなんてエラソーに仰っていますが、バブル崩壊後から日本を浮上させられなかったことは日本の知を司る有名大学にも大いに責任はあるのではないのか?
日本の政財官でリーダーシップを取っているのは概してその辺の卒業生であり、アカデミズムの見地から政財官に有名大学教授達は適切なアドバイス・批判をして来たのか?
(ノーベル経済学賞を1人も排出しない経済大国の悲劇か?)
日本では、詫びる時や恥じる時の表現として「ご先祖様に顔向けできない」なんて言ったりします。
これを軽視する訳ではありませんが、誤解を恐れずに言えば、もう生きていない方の気持ちばかり重んじていても仕方ないので、これからは
「ご子孫様に顔向けできない」という恥じ方や考えが重要だと思います。
これから日本に生まれてくる人達に恥ずべきことはせずに「歴史の法廷に立つ覚悟があるか」を政治家ばかりではなく自分に問うことだと思います。
年寄り重視で未来や若者軽視も日本人独特の植えつけられた考えがそうさせていると思います。
もういい加減、年食った者が偉いという原始長老社会の発想は止めませんか、この国!
(そんなに年食ってないけど、偉くもなんともないと断言できますよ!
念のため、電車の座席をお年寄りに譲るべきとの常識・エチケットとは全く矛盾しません。)
スパコンも別の観点からも歴史の法廷に立たされるべきであり、子供に現金を支給するか、科学立国日本の未来を渡すかに優先順位を付けるべきでしょう。
不用意に日本に莫大な借金を残して先に卒業される方々は歴史の法廷に立つ覚悟はあるのか?
(一体何を卒業するのかもよくわかりませんけどね!?)
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]
コメント
民主党による仕分けに対してはさまざまな反応がありますがあえて私見を言わせていただくと整理や縮小される側から出てくる意見は極めて「ポジショントーク」の色が濃いように感じます。
民間企業がこういった部分に資金を投じる場合、その原資は会社の利益から出ているので当然結果が求められます。ところが今回見直しされる部門の原資は税金であり、たとえ結果が出なくても当事者の責任に問われず結果として恒常的に「官のやることは民のやることに対してパフォーマンスが大幅に劣化している」状態になっているのではないでしょうか。
今回の仕分けに対する民主党の本当の意図はおそらく増税に対するコンセンサスを導き出すことであると思われます。。
最初に公約した公務員の削減についてはシカとして先送りにしました。地方公務員でさえ平均年収が800万というのは明らかに異常です。他の先進国の1.5倍以上の待遇を受けている公務員のコストの削減を行えば現在の仕分け作業とは比べ物にならないほどの費用対効果が得られると思うのですが・・。
まあ民主党の支持母体が何であるかを考えればこの結果は見えていたとも言えるでしょう。
自民党時代の「かんぽの宿」の件での大騒ぎ(金額的には取るに足らない額)といい今回の一件といい政府がパフォーマンス効果を狙った行動を起こす時にはその裏には常に「注意をそらせて本質的な負の部分を隠蔽したい」といった目的があることを国民はもっと認識すべきではないでしょうか。
>「官のやることは民のやることに対してパフォーマンスが大幅に劣化している」
その通りだと思います。
日本で重要な学校暦や偏差値では、民間がキャリア官僚に敵う訳がありません。
にも関わらず、そうなってしまうのは、カルチャーが腐っているか、採用の仕方に問題があるかのどちらか、というより両方だと思います。
気概のある若手がいたとしても、こんなカルチャーで正しいことを実行するのは大変でしょう。
公務員の数は多すぎますね。
地方行政では、そこ3人でやっている仕事は1人で出来るだろと思うことは度々あります。
人が増えれば必要もない仕事を作り出して、正当化して楽をするのでしょう。
民間が会社の業績が悪くなればボーナスが出ないこともあるように、国の業績が悪くなれば公務員も連帯責任で給料を減らされるのは当然だと思います。
所得の減っている国民にとって明らかな重荷だと思います。
未だに勘違いして「昭和の時代」を公務員は謳歌しているから、歳出が歳入の二倍以上になってしまうのでしょう。
まさか、20年間も一時的な不況が続いているだけでまた日本に昭和の安定繁栄が復活すると彼らは思っているのでしょうか?
うーん、太助さんもオージーさんもさすがですね。知識も洞察力もすごいです。公務員は、そんなにもらってるんですね。うちの近所の公務員住宅の家賃は、この辺の相場の3分の1ですよ。
わたしは、スパコンもやっぱり対象にすべきと思います。「無駄」ではないかもしれないけれども、お金がないのだから、切り詰めるしかない。もちろん、子供手当ても高速道路も検討の余地ありと思います。先送りも多すぎるし。学者も含めて、みんな自分のことしか見えてない気がします。
その公務員住宅に住みたいですね~。
市民の皆さんが間接的に家賃の3分の2を払ってくれるなんていいご身分ですね~。(笑)
>学者も含めて、みんな自分のことしか見えてない気がします。
その通りです。
私が言いたかったのも、有名大学の学長やノーベル賞受賞者が怒りまくっても、ひるまないで欲しいということです。
(この件に関しては客観的立場ではないので)
年功序列批判も「みんな自分のことしか見えてない」と思うからです。
お年寄りに座席は譲っても、意見は譲るなと言いたいですね。
間違いを重ねてきて世界の反面教師になっている日本のバブル崩壊後から日本が一番学んでいないのも(概して年だけが)上の者のやることを批判できない精神構造だからだと思います。
年を取れば人間的にも成熟し自分のことのみならず全体を考えるという前提があれば、年功序列もある程度肯定されますが、現実がそれを示していると考える人は多くないと思います。
待機児童の問題とか、妊婦たらいまわしの医療問題とか、ネットカフェ難民とか、問題山積なのに選挙の強者である高齢者の関心事と比較して優先順位が正しいかも甚だ疑問です。(ね?)
わたしもスパコンは、と書くべきところを間違えちゃいました(^^;
官僚となあなあもまずいと思いますが、対立ではなく、協力して経費削減にあたるようになれないもんですかね。頭を切り替えていただきたいです。(頭をすげ替えた方が早いか・・)
ところで、「ご子孫様に顔向けできない」って名言ですね(>▽<)
>協力して経費削減にあたるようになれないもんですかね。
歳出を歳入以下に抑えたら、ボーナス支給でどうでしょう?
しっかりやってくれれば、官僚の給料が高くても全然問題ないと思いますけどね、国の中枢を担っている訳ですし。
でも、現状ではどこを向いてどんな姿勢で取り組んでいるのか疑わしいですし、こんなに借金を膨らませてきた責任は小さくないので、特に上に居座っている人達はガンガン減らさないと駄目だと思いますけど・・。