こんな見出しが新聞に載って「若者の車離れ」を煽ります。
嘘です!
日本自動車工業会が4月8日に発表した2015年度の乗用車市場動向調査では「車を保有していない10〜20代の社会人」のうち購入意向なしが59%です。
そりゃ29歳で車持ってなければ今後も買うつもりがないだろうし、そんな当たり前のことも含めて6割の若者が車買う意向なしと世間に刷り込もうとします!?
地球温暖化を嘆きつつ、日本の若者が車離れしていることをケシカランと嘆くのもおかしな話で、若者の変質という観点だけではなく社会環境の変質として捉えないと背景が見えなくなってしまいます。
環境変化はいくつも挙げられると思いますが、私が大きそうだと思われる要因を挙げてみます。
●若者へ税・社会保障負担をシワ寄せ!
平成28年度の国民年金保険料は月額16,260円となり史上最高値を更新します!
自営業やバイトは厚生年金と異なり数億円稼ぐ人と同じ平等な(?)負担額です。
毎月の駐車場代やガソリン代を払わなきゃいけないから、年金保険料を滞納するという褒められない車好きもいることでしょう。
昭和50年の年金保険料は月1,100円ですが、1万5千円の負担増をどこで吸収しろと?
消費増税で大変なのは年寄りばかりではなく、年金の原資も負担する若者はそれ以上なので車乗ってもらいたいなら30歳未満に「臨時車購入給付金」でもばら撒いてはどうか?
●車なしでもネットで家具・家電を購入し送料無料
通勤や日常の買い物には使わない人でも必要性を感じるのは少し大きな荷物を買って運ぶケースでしょう。
冷蔵庫ほど大型ではないが、テレビや電子レンジを買うときには店舗に自転車や徒歩で行けたとしても運ぶために車が必要というケース。
また、小さめの家具や本棚や布団を買うケースも。
もう少し日常的なモノなら米やビールケースなど徒歩や自転車で運ぶのが少しキツイものは車が便利。
しかし、今では(と言っても既に古い環境変化ですが)ネット通販でより安く買えて1万円を超えるような買い物では少々重量のある中型製品程度なら送料無料で玄関まで運んでくれます。
米やビールでも数千円買えば送料無料です。
荷物を運ぶ手段として車を保有する必要性が薄れたことが大きいと思います。
●スマホがカーナビのみならずクルマそのものを駆逐!?
風が吹けば桶屋が儲かる。若者にスマホ普及すれば車屋が儲からない?
「スマホ」だけで若者が車を買わなくなった理由をいくつも挙げられます。
・スマホの購入・維持コストの負担大きい
キャリアで無料で入手できるケースも多かったですが、アイフォンの定価は10万円近くで性能充分なノートPCより高いし、月々の維持費もキャリアなら5千円では済みません。
で、これが大事なのですが、スマホ取りますか?クルマ取りますか?という究極の選択を迫られたら若者でなくてもスマホ取る人の方が多いでしょう。
そうなると、購入維持費は車に比べると圧倒的に小さくても、財布に余裕のない若者はスマホを維持するために車をあきらめて、どうせ手が出ないから関心もなくなるんです!
・車運転したらスマホいじれねえだろ、移動は電車・バスの方がいい!
「若者の車離れ」で最大の理由を挙げろと言われれば、私はこれですね。
スマホが無料でカーナビにもなるからって、じゃあカーも買おうかと100万円出すかローンを組むなんて奴はいない!?
電車の中で若者に限らず老若男女がスマホをいじり倒す風景はある種異様です。
スマホいじりが移動時間の暇つぶしというよりも、まるで生活の中心であるかのように無我夢中。
そうです!電車の中は退屈な移動時間ではなく、立っていようが座っていようがスマホを思う存分いじり倒せる貴重な時間と空間に変わってしまったのです!
「車運転してたらスマホいじれへんやん!貴重な移動時間がモッタイナイ!なんで何百万円で鉄の塊を買って余計な税金も取られて鉄置き場代を毎月払って、運転中はスマホをカーナビにして両手塞がっていじれないってアホちゃうか?」
そうです!単純化すると、車を運転する楽しみがスマホをいじる楽しみに負けてしまったのです!
もう少し言うと、スマホいじる時間も奪われて何百万円のローンを抱えてまで車を運転する楽しみや所有する利便性や必要性があるのか?
と、若者が気づいて車離れするのは賢いし当然なんです!?
勿論、今の若者がバブル時代のように見栄にこだわらくなった内面の変化もあるでしょう。
しかしながら、「武士の馬離れ」と嘆いたところで時代の流れは変えられないんだから!?
スマホはカーナビのみならずクルマそのものも駆逐して社会環境を変えてしまい、若者を虜にする強力な道具になってしまったのです!
将来は運転席で下向いてスマホいじっていても安全に自動運転してくれるようになれば「車離れ」も逆回転するかも知れませんね!?

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