SBI証券が9月30日より国内株式手数料の完全無料化を発表しましたが、数年前からやると宣言していたことであり驚きはありませんでした。
しかし、楽天証券も10月1日から即追随して無料化すると発表したことは少し驚きでした。
最近の楽天証券は口座数等でSBI証券に引けを取らずネット証券界の2強に伸し上がったことと楽天モバイルの赤字補填(!?)で還元縮小措置が目立ったので高見ではなくても横見の見物をするのではないかと?
やっぱり国内株式手数料でSBIに大きな差を付けられるとマイナス影響が大き過ぎると苦渋の無料化追随断行となったのでしょうね。
SBI証券は新NISA決定前から国内株式手数料無料化を宣言していましたが、今後も各社から新NISA開始に向けてNISA口座を開設or移行してもらおうと大きな施策が打ち出されるかも知れません。
というか、私には既に松井証券が今回SBI・楽天と同時期に打ち出した施策が絶大なインパクトになりました!
松井証券はNISA口座のみで国内株式・米国株式・投資信託の売買手数料無料化を発表しましたが、そのことではありません。
特定口座ではSBI・楽天に追随できずに白旗を振った発表ですからね!?
11月1日から「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」を開始すると発表しましたが、どうもこの内容がSBI証券の投信マイレージを上回る驚きの内容となっているようです!?
POINT1:全銘柄に対して業界最高のポイント還元率!
POINT2:投信残高に対し、年間最大1%のポイント還元は松井証券だけ!
POINT3:新NISA、現行NISA、特定口座、一般口座すべての口座が対象!
POINT4:他社で買付した投信もポイント還元の対象!
付与されるのは「松井証券ポイント」であり、投信自動積立に利用できますが対象投信が「eMAXIS Slim 先進国株式」を含むたった3銘柄に限られているので、この点は大きなデメリットです。
しかしながら、dポイント・Amazonギフトカードには等価で、PayPayポイントには0.9倍で交換できるので「松井証券ポイント」の使い道で困ることはないでしょう。
実は現時点で明らかなことは最大1%の還元だけであり、還元率の決定方法等詳細は明らかにされていませんが、一例として示された還元率から容易に推測することが出来ます。
SBI証券が0.05%未満の還元としている超低コストインデックスファンド(例:eMAXIS Slim米国株株式)では還元率が完全一致。
しかし、信託報酬がもう少し高くSBI証券が0.05%還元としているeMAXIS Slim新興国株式では松井証券の還元率が0.0745%と示されています。
このパーセンテージは当該ファンドの販売会社取り分の信託報酬(税抜き)と一致します!
また、「iFreeNEXT インド株インデックス」の還元率はSBI0.1%に対して松井0.32%と例示され、やはり松井還元は信託報酬の自社取り分(税抜き)に一致します!
因みに、このファンドは信託報酬(税込)0.781%で設定されているので還元込みの実質信託報酬はSBI0.681%に対して、松井0.461%まで下がりますね。
一例ですが、これが松井証券「投信残高ポイントサービス」の威力でありインパクトです!
おそらく松井の還元率はSBI同様に信託報酬の販売会社取り分(税抜き)で設定されると思われ、取り分が1%を越えるまでは全額還元の大盤振る舞いとなりそうです!
つまり、松井「投信残高ポイントサービス」がSBI「投信マイレージ」の還元率を下回るファンドは1つも存在しないことになりそうです!
これは松井証券が投資信託保有による利益をほぼ全額手放す大盤振る舞いをするということを意味してると思いますが、これを目玉サービスに新NISA口座で松井を選んで貰って他サービスに誘導して手数料を落としてもらう作戦なんでしょうね。
低コストであれば還元は同一なので信託報酬が高ければ高いほどSBIではなく松井でファンドを保有するのが有利となります。
上記のインド投信もわかりやすいですが、もう一例として両社が扱う「auAMレバレッジNASDAQ100」(auレバナス)で実質信託報酬を比較してみましょう。
信託報酬(税込)0.4334%に対してSBI還元は0.05%なので実質信託報酬は0.3834%になります。
一方、松井のファンド毎還元率は一例を除きまだ発表されていませんが販売会社取り分と同等と仮定すると0.1845%還元となり、実質信託報酬率は0.2489%まで下がります!
SBIより0.13%程度還元が大きいだけではなく、実質信託報酬がレバなし1倍NASDAQの信託報酬と同程度かそれ以下まで下がってしまいます。
これが松井証券「投信残高ポイントサービス」の強大な威力と言えそうです!
なんせ松井証券の口座を保有しながら今まで一度たりとも松井で投信購入を検討したことすらない私が興味津々ですからね!?
低コスト投信で同還元ならSBI証券で保有、還元率が上回るものは松井証券で保有という使い分けも出来そうです。
但し、新NISA口座を松井証券で開設するかと言えば今のところ時期尚早。
銘柄数もSBIの方が多いし、還元サービスも追随してくる可能性もあるし、他社がまだより良いサービスや施策を投入して来る可能性もあり、ギリギリまで決定は待った方が良いでしょう。
松井証券には「移管手数料無料サービス」もあるので他社保有の投信信託を還元ポイント目当てで移管することも出来ますが、これも慌てず他社の施策も出揃った段階で実行した方が良いでしょう。
注意書きにも「振替完了日から1年以内に、当該サービスを利用して振替入庫した株式および投資信託を他社へ出庫されると、当社で負担した手数料相当額を徴収させていただきます」とあります。
SBI証券が松井還元に追随してくれれば何も考える必要もなくなるのですが、対抗相手が楽天ではなく松井であることも含めて高見の見物を決め込む可能性もありますが、その場合は利用者としてケースバイケースで使い分けるだけですね。
取り敢えず松井証券の「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」は個人的に実質何の恩恵もないSBIと楽天の国内株式手数料無料化なんて吹っ飛ぶほどのインパクトだし、詳細なファンド毎還元率公表を待つと共に、他社特に丸パクリされた上で完全に上回られたSBI証券の対抗施策に期待します!
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松井証券「投信残高ポイントサービス」はSBI・楽天の国内株式手数料無料化よりインパクト大!?
