私はスワップ派の常識として語られる事のいくつかには疑問符をつけています。
以前にも書きましたが、FXのスワップ運用の歴史は浅くその道のプロなんていない訳です。
人様の意見は(勿論私の意見も)参考に留め、自分でゼロから考えることが重要だと思います。
学生時代から教科書嫌いの私が斬りましょう。
「スワップ派の常識を疑え!」シリーズとしていくつか書いていきたいと思います。
スワップ派はバイ&ホールドの長期投資なので含み損が出てもひたすらホールドすべきであるとの考えがあります。
これを否定することが目的ではなく、疑うことが重要だと言いたいのです。
株式の長期投資でもアマがプロに勝つ方法としてバイ&ホールドは有効な戦略と言われています。
(プロ中のプロであるウォーレン・バフェットの投資スタンスもこれです。)
何故有効なのか?
①株式市場は右肩上がりを前提に投資ができる。遠い未来になる程株価は上がっている筈である。(どこかの国の20年は例外中の例外)
②売らないことにより税金支払いを5年でも10年でも先に繰り延べることができ、複利の力が更に有利に働くから。
③機関投資家には長期投資は許されない戦略(1年に1度だけ買って会社に来て寝ている訳にはいかない)であり、個人だからこそできる特権である(上述の通り本物のプロはこの戦略だが・・)。
などが挙げられます。
ここで気を付けなければならないのは、アマが駄目企業を選択して有効な戦略だからとバイ&ホールドを決め込むと破滅すること、信用取引で長期投資を決め込む人は1人もいない(?)ことです。
では、FXのスワップ運用でこの3点は当てはまるでしょか?
一番強調したいのは①が全く当てはまらないことです。
クロス円はここ何年も右肩上がりで上がっているとは言えますが、2国間の相対評価である為替レートが一方的に長期に片側が強くなると前提を置くべきではありません。
また、自分の選んだ通貨ペアをファンダメンタルズの変化を無視・あるいは知ろうともせずに、買い増し続けるのも危険です。
②と③は当てはまると思いますが、大きな罠になるのが②です。
何故ならFXの場合、含み損で決済しても税制上損失を繰り越せないから、決済した場合のデメリットが頭をよぎり危険な状況になっても更にひたすらホールドを決め込むことになります。
その結果、証拠金を失い退場する羽目になれば税金繰り延べも複利効果もへったくれもありません。
レバレッジを極めて低く抑えれば証拠金を失う心配は必要ないと思いますが、
それでも株式インデックス分散投資でのほったらかし運用とは異なり、
FXのスワップ運用は相場観・通貨ペアのファンダメンタルズを押えておくなどの手間・努力はある程度掛け、必要なら損切り・通貨ペアの乗り換えを判断することも重要だと思います。
何があってもホールドなどと自分を縛るべきではないというのが私の意見です。