STAM新興国を斬る!(3):BRICsやVISTA・ASEAN投資の代替となり得るのか!?

前回で上位10カ国で9割近いシェアを占めていること、アジアのシェアが55%で過半数を占めているという特徴を指摘しました。
 
今回は別の切り口で斬ってみます。
 
因みに国別のシェアは今年2月時点の数字を用いていますが、直近の数字は不明です。
 
STAMの最新月次レポートでは一部しか判明しないので、今回も半年前のデータを使います。
(この辺りをもう少し情報を追えるようにして頂けると助かるのですが、住信さん!)
 
【STAM新興国をBRICs投資の代替にできるか?】
新興国大手のBRICsという観点で斬ると、4カ国のシェアは全体の45.5%を占めているので高いと言えます。
(100万円買えば、45万円はBRICs4カ国に投資される。)
 
国別に見ると、
——————————————–
     国別構成比(BRICs4カ国でのシェア)
中国   18.4 (40.4%)
ブラジル 14.9 (32.7%)
インド   6.5  (14.2%)
ロシア   5.7  (12.5%)
——————————————–
となっていて、インド・ロシアの比率が低い。
 
例えばHSBC・BRICsオープンなどは4カ国がほぼ等分に投資されているので、それに比べればバランスが良いとは言えません。
しかし、HSBCの信託報酬は約2%に対して、STAMは信託報酬約0.9%で45%分がBRICsに投資されるというコスト面の有利さを活かしたいところです。
 
個人的な感想は、ロシアの低シェアはあまりロシアを組み込みたくない私には助かるが、インドのシェアが低いのは物足りない・・。
しかしながら、全体で45%のシェアを占めていることは充分にBRICs投資の代替としてコストを下げられると考えます。
 


【STAM新興国をVISTA投資の代替にできるか?】
VISTAという切り口で見てみると、11.1%のシェアを占めています。
高いのか低いのか微妙ですが、中身を見ていくとビックリ!
 
なんと南アフリカが8.2%で、その他4カ国で2.9%のみです!
あまりにもアンバランスですが、南アは全体でも上位から5番目に位置しておりインドよりもシェアが高いのです。
 
個人的には、南アのこの高シェアはSTAM新興国の悪い特徴だと思います。
(私の場合は南アランドにも投資しているので、こんなに要らない!)
 
おそらく地理的なバランスを取る為にアフリカの雄である南アの配分が多くなってしまっていると思うのですが、全体で5位に位置付けるには力(+電力!?)不足です!
(逆にインドはアジアに有望新興国が多いので地理的シェアを下げる為に割を食っていると考えられます。)
 
VISTAのその他では、インドネシアとトルコが共に1.4%でアルゼンチンは最下位の0.1%、ベトナムは対象国になっていません。
 
よって、STAM新興国はVISTA投資の代替にはならないと考えた方が良いと思います。
まあ、今でもVISTAという括りに意味があるのか個人的には疑問なので、支障にはならないと思いますが・・。
 
【STAM新興国をアセアン投資の代替にできるか?】
アジアの有望新興国群としてアセアン地域という切り口で見てみると、全体の6.7%を占めています。
(マレーシア3.3%、インドネシア1.4%、タイ1.4%、フィリピン0.6%)
 
個人的にはシェアが低いし、シンガポールが含まれていないことからアセアン投資の代替にはできないと思います。(シンガポールは新興国ではないという扱いでしょう。)
 
インドネシアのシェアはもっと高くて良いと思いますが、新興国ひしめくアジア全体の中で押さえつけられている感じがします。
 
アセアン投資の代替には物足りませんが、韓国・台湾の除外を含めた見直しが行われれば、アジアのこの地域のシェアが上がる可能性も高いと思います。
 
さて、私なりに「STAM新興国とは何ぞや?」をまとめると、
●上位10カ国のシェアが9割近いので、この10カ国をよく押さえるべし!
●シェア55%でアジア新興国投信という顔を持つ!
●シェア45%でBRICs投信の代替になり得る!(個人的には一番重要!)
●韓国・台湾・南アのシェアが大きすぎて、インド・アセアン地域のシェアが小さいことはデメリット!
 
パッケージ物という(個人的には)使い勝手の悪さと断トツの低コストを秤にかけながら、STAM新興国をどう活用したらよいかを考えるのはまた後日!
 
にほんブログ村 株ブログへ  [←参考になりましたら一押し。m(._.)m]

タイトルとURLをコピーしました