物議を醸した鳩山論文!本当のことをグサリと言われて苛立つ米国!でもオバマは怒ったのだろうか?

鳩山論文がニューヨークタイムズに掲載され物議を醸しましたが、これは鳩山さんが日本の雑誌に寄稿したものが、一部米国に関するものだけ抜粋されて編集されたもののようです。
 
NYタイムズはカチンと来たのかエラソーに日本に警告記事(?)を書いてやり返していますが、人間本当のことをオブラートに包まずに鋭く言われると感情的になるものです。
 
鳩山さんがVoice9月号に寄稿した「私の政治哲学」というタイトルの論文(?)は鳩山さんのホームページに掲載されています。(↓長くて難しいですよ)
http://www.hatoyama.gr.jp/masscomm/090810.html
 
これを読めば米国に反旗を翻していないことはわかるが、抜粋でなくても単純で米国=世界と考えているアメリカ人にはカチンと来るでしょう。
 
「今回のアメリカの金融危機は、多くの人に、アメリカ一極時代の終焉を予感させ、またドル基軸通貨体制の永続性への懸念を抱かせずにはおかなかった。私も、イラク戦争の失敗と金融危機によってアメリカ主導のグローバリズムの時代は終焉し、世界はアメリカ一極支配の時代から多極化の時代に向かうだろうと感じている。」
 
これは多くの人が言っていることではあるが、総理になる人が思いっきり言っていいのかという話だと思う。
 
特に「マルクス主義とグローバリズムという、良くも悪くも、超国家的な政治経済理念が頓挫したいま、・・・」
と述べているが、これは米国に対してかなり挑発的に喧嘩を売っていると取られかねない。(私でもこの表現はビックリ!)
 
米国が大嫌いな共産主義と同列に扱い、共産主義と同様に米国のグローバリズムも終焉したと言ってしまっている!(鳩山さん、ある意味カッコイイ!)
 
だが、正論を言うのは学者や評論家のやることで総理大臣は潔癖な正論を吐いて務まる立場でないこともまた事実だと思います。
 


この論文をご本人自らが書いているならとても知的な人物であることはわかるが(麻生さんならゴーストライターとバレバレだけど!?)、戦術として麻生さんと自民のつまらない揚げ足を取る野党党首の仕事とは使い分けができていたのかも知れない。
 
なんせ鳩山さんは東大・スタンフォード大卒で経営工学博士のインテリですからね。
 
「武者小路実篤は「君は君、我は我也、されど仲良き」という有名な言葉を残している。「友愛」とは、まさにこのような姿勢で臨むことなのだ。」
はい、私もそのような人間になりたいと願います。
 
「市場の論理では「人」というものは「人件費」でしかないが、実際の世の中では、その「人」が地域共同体を支え、生活や伝統や文化を体現している。人間の尊厳は、そうした共同体の中で、仕事や役割を得て家庭を営んでいく中で保持される。」
美しい!賛成です!何の反論もございません・・、が。
 
「郵政民営化は、長い歴史を持つ郵便局とそれを支えてきた人々の地域社会での伝統的役割をあまりにも軽んじ、郵便局の持つ経済外的価値や共同体的価値を無視し、市場の論理によって一刀両断にしてしまったのだ。」
これには全く賛成できない。
 
鳩山論文を読む限り、経済成長は後回しで優先順位は低く、経済外的価値を重視し「機会の平等」「結果の不平等」よりも友愛による「結果の平等」を求めているようにも思える。
 
NYタイムズはカチンと来たようだが、鳩山論文はオバマ大統領が米国の過去を反省しChangeしようとしていることと大きな隔たりがあるとも思えない。
 
鳩山さんの米国批判は何も間違っていないと思うし、それに基づいてChangeしなければならないことも基本的には間違っていないと思うが、結局温度差や程度の問題なので、行き過ぎた「友愛」もまた問題があると思います。(それは政府の役割ではないと思う。)
 
オバマの考え方との共通点はあると思うし、米国が中国を重視するのと同様に日本も中国を中心にアジアを重視するのは当然です。
 
でも、総理になる人が「アメリカは今後影響力を低下させていくが・・」と思いっきり言ってはいけないでしょう。
(影響力低下の20年先輩の日本に言われたくないと!?)
 
米国に何も主張できずに要求されたままに行動してきた日本を国家として自立させるとの考えには100%賛成です。
既成概念の中でヌクヌクやってこれた自民党の年寄り達では不可能です。
 
米国が久しぶりに日本を気に掛けたねと言っていられるレベルに留めて、過激な発言で無意味な摩擦は起こさないように願いたいものです。
 
変化に気付けない・認めない者はいつも奢った側の人達です。
NYタイムズしかり、自民党しかり・・。
 
問題意識は大きく違わないと思われるオバマが鳩山論文を読んで腹を立てたかどうかはわからないと思います。
 
日本を守ることは米国の負担でもあり、そのあり方は変わっていかざるを得ないと思います。
(長くなったので、アジア共同体についてはまた別途。)
 
にほんブログ村 株ブログへ  [←参考になりましたら一押し。m(._.)m]

コメント

  1. 太助 より:

    こんにちわ
     今日のブログ内容は時機、内容ともとてもすばらしい。
     PHP研究所の月間Voice掲載の鳩山論文を読んだときは、特に違和感を感じませんでした。
     太平洋戦争の真の意味での総決算が始まるのかなー、なんて思っていました。
     小沢氏の第七艦隊不要論や在日米軍のあり方インド洋給油の是非など、既に対米外交の基軸はちらほら出ていましたから。
     タメにする超抜粋論文はともかくとして、米国から見ればATM日本から、少なくとも暗証番号を必要とする日本へ変貌することは煩わしいのでしょう。
     予見ですか、月刊誌「Voice」への掲載タイミングは、総選挙以前に綿密な計算に基づき確信的に実行されてます。
    英訳韓国語訳も同時に流されてますから。
     ともあれ、超親米外交から親米外交・普通のお付き合いにいずれシフトしなければならなかったのでしょう。
     私見として、外交基軸はイギリス型よりもフランス型がいいなー、なんて
    こんばんは。
     戦後の総決算とバブル崩壊後の総決算が必要だと思うのですが、日本ではまともな言論人の絶対数が不足しているように思います。
     >ATM日本から、少なくとも暗証番号を必要とする日本へ変貌することは
    わかりやすく的確な例えだと思います。
    日本は米国債を買わないことと中国への接近で米国を揺さぶることができると思いますが、外交手腕と米国の対応にかかっていると思います。
    うまく駆け引きできる人がいるかどうか・・?
     >掲載タイミングは、総選挙以前に綿密な計算に基づき確信的に
    私もそう感じました。
    8/10付けなら政権取れることと自分が総理になることも読めたはずで、あのタイミングで出すのは敢えてまだ野党である立場できつめの発言で米国に自分達の考えを刷り込んでおきたかったのだと邪推しました。
    その戦術が正しいのかは私にはわかりませんが、そうだとするなら自民よりも外交で駆け引きはできるのかも知れません。
     自民なら思考停止で米国と一蓮托生のままだと思いますが、離米の道も大変ですね。

タイトルとURLをコピーしました