スパイダーETF5本が11月に東証上場予定
ステート・ストリートが11月19日に3カテゴリーで5本(為替ヘッジあり・なし)のETFを東証上場予定ですが、注目点がいくつかあるのでカテゴリー毎に分けて書きます。
遂に本家匹敵で信託報酬0.03%のS&P500ETFが上場!?
ステート・ストリート・スパイダー S&P500ETF(為替ヘッジなし)[銘柄コード:449A]
ステート・ストリート・スパイダー S&P500ETF(為替ヘッジあり)[銘柄コード:450A]
信託報酬:0.0275%(税込:0.03025%)以内
遂に東証上場S&P500ETFの信託報酬が0.03%台ではなくほぼほぼ0.03%まで下がります!米国ETFの経費率とイコールではないので同等とは言えませんが、本家VOO等の経費率に匹敵するレベルまで更なるコスト低廉化が進むことになりそうです。
いやー、ステートストリートがよくぞやってくれました!ん?でも聞いたことあるETF名だし、同じ会社で既に同じような商品が上場してませんでしたか?
SPDR S&P500 ETF[銘柄コード:1557] 信託報酬:0.0945%
両者共に認知度のあるスパイダーを名称に入れているし表記が英語かカタカナかの違いだけで、これらはコストが違うだけの同一商品ですか?
正直今のところよくわからないのですが、既存の1557は米国ETFのSPYを東証に重複上場させた外国籍ETFという扱いです。
今回上場の449Aと450Aは国内組成のETFであり、ステートストリートのホームページにも「当社として初めての日本籍ETFが2025年10月21日に東京証券取引所から上場承認されました」と明記されています。
では、何故同じS&P500連動の似たようなスパイダーETFを2つも上場させる必要があったのか?私のguessも含めて書いてみます。
1557の純資産規模と二重課税調整なしデメリット
1557の信託報酬を0.03%に下げれば済む話ではないかと思うやん?
1557の純資産総額は6700億円程度あり(9/30付け楽天証券情報)、日経平均やTOPIXでもなく海外指数連動でこれだけの規模はかなり大きいですね。単純にこの信託報酬を1/3にしてしまえば利益を大きく減らしてしまいますね!?
しかしながら、S&P500は競合も多くより低コストで後から投入して来た他社に対抗する必要もある。
尚且つ1557は外国籍故に二重課税調整が自動では行われず、取られた外国税額分を取り戻すには自分で確定申告要。自動調整される他社ETFに対する大きなハンデとなり、投資家にもこの制度が認知されてスパイダーブランドの1557が避けられ他社に流れるようになった。
信託報酬0.03%で国内籍の449Aと450Aを投入して対抗
そこで1557は利益を守るために値下げせず、後発になるので他社を下回る最安コストで(まだ明言はされていないがおそらく自動二重課税調整の対象となる)国内籍ETFとして今回上場させるのが449Aと450Aという訳です!
特に為替ヘッジなしの449Aは1557とほぼ同一の商品であると思われます。SPYの重複上場である1557と、「主として米国株式インデックス・マザーファンド受益証券に投資」する449Aで、パフォーマンスやコスト構造に違いがあるのかも正直まだわかりません。
449Aの信託報酬が本当に約0.03%しか掛からずに二重課税調整も行われるなら高評価ですが、まだ情報が少なく要確認ですね。
特に449Aが本家米国ETFのSPY(経費率0.0945%)一本を買い付けるだけのファンドになるなら、これに上乗せで0.03%の信託報酬が発生する場合は低コストでも何でもなくスルーすべきETFになるでしょう。(この場合は1557に加えて出す意味が薄いので、ないとは思うのですが)
また、SPYの経費率にはS&Pライセンス費用を約0.03%含んでいます。449Aでこれが内数なら受け取った信託報酬は全て支払いに消えて全く儲からないことになります。外数だとしても計0.06%のコストなら安いことは安いのですが国内のS&P500ETFやファンドで圧倒的な低コストとはなりませんね。
ということで、まだ詳細が不明なので評価は保留しますが、信託報酬0.03%を謳うS&P500ETFの東証上場には期待したいと思います!