正式名称は非常に長いのですが、
「NEXT FUNDS S&P500 半導体・半導体製造装置35%キャップ指数連動型上場投信」が3月27日に東証上場します。
長いので愛称の「NF・米国株S&P500半導体ETF」(346A)を使います。
信託報酬は税込0.352%に設定されています。
この指数は「S&P 500 半導体・半導体装置(産業グループ)指数の構成銘柄のパフォーマンスを測定します。また、指数は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、1社あたりの比重は指数全体の35%を上限としています」とのことで現状は19銘柄。
米国の半導体指数としてはSOX指数がメジャーですが、こちらは米国上場で半導体の設計や製造、流通、販売などを手掛ける30銘柄で構成されています。
と言われても、具体的に何がどう違うのかはわかりにくいですね。
構成銘柄と構成比を見ると、違いがわかり易いと思います。
346Aの連動指数の1月時点構成銘柄と構成比で上位2社はエヌビディア32.0%とブロードコム29.1%で6割超を占めています。
これが35%上限を掛けている理由でしょう。
なければこの2社の比率が更に上がって分散の意味を為さなくなるのでしょうね。
(既にそうなっているとも言えますが)
一方、SOX指数も上位2社は同じ銘柄ですが、「ニッセイSOX指数インデックスファンド」の月次レポート(2月末)で確認すると、ブロードコム12.9%とエヌビディア11.0%で順位は逆になり計24%弱と構成比は抑えられています。
346Aの方がSOX指数より遥かにリスクは高いですし、個別株でブロードコムとエヌビディアだけを同じ比重で買う場合と騰落率はあまり変わらないでしょう。
ざっくり言えば、346A=エヌビディア30%+ブロードコム30%+オマケ半導体株17銘柄40%です。
もちろんオマケ17銘柄のうちで第二のエヌビディアが出て来れば構成比は変わって来るしそれがETFで買うメリットではありますが、現状はこのETFを通して主にエヌビディアとブロードコムの2社を保有するという意識でいた方が良さそうです。
これはこれでメリットもあります。
日本時間に米ドルに変換せず円べースで東証にて「エヌビディア+ブロードコム」を大手ネット証券であれば取引手数料0円で売買できます。
信託報酬は年間0.352%掛かりますが、米国株のように高い取引コストは発生せず値動きの大きい指数なので安い所で買って高い所で売るというトレードにも使い易そうですね。
本当はエヌビディアやブロードコムに投資したいのだけど、米ドルで米国個別株投資するのは敷居が高いと感じる人がこのETFを通じてこの2銘柄を保有するというイメージを持った方が良さそうですね。
そうでなければ、ただでさえリスクが高く暴れん坊将軍のSOX指数で1銘柄に偏らずより分散させた方が無難でしょう。(SOX指数に無難なんて領域はありませんが)
2019年12月末からの約5年間騰落率ではSOX指数の約4倍に対して、346Aの連動指数は約6倍で上回るそうです。
(そりゃエヌビディアの大躍進期間だから不思議はないですね。)
ということで、多くの人が怖い恐いSOX指数にも手を出さない中でこのETFに興味を持つ人は少数だと思いますが、エッジの効き過ぎた面白いETFで個人的に使い道はあるかなと思います。
米国中心の半導体銘柄に投資したいなら、「ニッセイSOX指数インデックスファンド」が信託報酬も0.1815%と低廉に抑えられているのでまずはこちらで充分だと思います。
346Aはマニアの世界だとは思いますが、個人的にこのようなエッジの効いたETFは嫌いでなく大歓迎ですけどね。
2025年03月14日
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