「恐竜」という言葉を使いますが、歴史があり戦後日本を支えた巨大なリーディングカンパニーという意味であり、悪い意味で使うわけではありません。
昨日、パナソニックが3800億円の赤字見通しで1万5千人の人員削減を発表しました。
「松下は人を作る会社であわせて家電も作っています」と言った創業者にして名経営者である松下幸之助さんの精神も社名変更とともに薄れてしまったか?
(時代も違うし決して批判しているわけではありません。)
トヨタ・ソニーをはじめ日本の名だたる有名大企業が赤字に陥っています。
その一方、こんなご時世に日本マクドナルドの08年12月期決算が売上・利益ともに過去最高を記録しました。
さて、不景気だからデフレの勝ち組マックは時の運で増益になったのでしょうか?
答えはノーです!
マックは2006年から3期連続で増収増益を果たしています。
好況時は好況を見方に付け、不況時は不況を見方に付け、勝ってきたのです。
すぐに「100年に一度の不景気だから」と言い訳から始まる大企業の経営者は反省すべきではないでしょうか?
海外から牛肉・いもを仕入れて国内でハンバーガーにして売るマックには最近の超絶円高も追い風だったでしょう。
でも、06年から07年前半は超絶円安でしたね。
この時期は輸出型大企業も素晴らしい業績を上げた筈です。
その頃の黒字は経営のおかげで、今の赤字は全て円高のせいだと言うのは通用しません。
中小企業の社長さんには許されても、あなた方は有名大企業の出世競争に勝ってトップに立った、凡人には出来ないことが出来る(?)エリートではないですか?
マックやユニクロ(ファーストリテイリング)がデフレ不況だから躍進していると捉えるのは間違いですよ。
もう日本は20年デフレ不況なんだって。
(かげろう景気なんて景気ではない!)
外部環境に素早く対応して消費者ニーズを的確に掴むから躍進しているのではありませんか?
ノートPCで日本人のニーズを的確に掴んだのは激安を投入した台湾のASUSです。
5万円以下でネットとメールが出来れば充分と考える人も多いのに、日本メーカーは頼みもしないのに使わない余分なソフトをバンドルして価格低下を避けようとしました。
結果、上位PCにも値崩れが起こり利益が取れなくなり、スルーした低価格PC市場では外資が圧倒的なシェアを握り参入できない。(二重苦)
こういうことも含めて業績低迷が全て「100年に一度の危機」のせいにされてしまいます。
先進国が駄目なら、高機能を望まない新興国のニーズに合う価格を抑えた製品を作っていますか?
企業も栄枯盛衰を経るが、昭和の恐竜達が厳冬期に苦しむ姿は、その先に春があるのか、単なる「衰」なのかを投資家としてはしっかり見極める必要があると思います。
人は100年生きられないが、企業は生きられる。
でも、そのような組織は官僚化せずに常に自己革新していける一握りだけでしょう。
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