早いもので、今年も残すところ10日程度になってしまいましたね。
今年前半の良いタイミングで買って利益がたっぷり出ている方、サブプライムショック前から持っていてまだ含み損がタップリの方、状況は様々だと思います。(私もどちらかと言えば後者)
昨年も書いた記憶がありますが、株式の含み損の年末大掃除なんてしてはいけませんよ!
スッキリして新年を迎えたい気持ちはよくわかるのですが、株式の実現損は3年間繰り越して将来の利益と相殺できる税制上の優遇を上手く使うべきでしょう。(取引所FXも同様。)
年内に決済すれば2012年の利益までとの相殺になりますが、10日待って年明けに決済すれば2013年の利益までとの相殺が可能です。
私も昨年結構な実現損を申告しているし、今年も夏頃アロケーション変更の際それなりに実現損が生じているので、これ以上実現損を膨らますと相殺できるほどの利益が今度出るかとの不安もあります。
大きく構えれば、二番底はあったとしても3年後の株価は今より高いだろうと思います。(決して日本株のことを言っているのではありませんが)
塩漬け株ホールドのススメではありませんが、上がると思うなら含み損でホールドを続けながら、かつ買い直しやアロケ変更での実現損は年明けに持ち越し最小限に留めることが節税としては良いと思います。
また、2012年からは少額株式投資の非課税枠が創設される方向なので、これも視野に入れておいた方が良いでしょう。
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政府税制調査会は3日、少額で上場株式等に投資する個人の非課税措置を、上場株式の配当や譲渡益が本則の20%に戻る2012年に導入する方針を固めた。
投資促進と証券市場活性化が目的で、金融庁が個人投資家の裾野を広げる観点から要望していた。現行の軽減税率が本則の税率に戻る2012年に合わせて、非課税口座を開設できる期間は3年間とし、年間投資額100万円を上限に導入する。(12月3日付ロイターより)
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詳細な情報がないのですが、金融庁が要望した5年間で500万円から3年間で300万円に減額されています。(今流行の金持ち優遇はけしからん合唱のようですけど!?)
かつ、非課税期間は10年間との記述も見当たらないので、そこも変更されたのかも知れません?
まあとにかく、2012年から税率が本則の20%に戻って100万円の非課税枠が3年間設けられると仮定します。
年明けに実現損を出せば2013年まで持ち越せるて20%の税率がかかる利益と相殺でき節税になります。
また、100万円の非課税枠を考えると新規資金の投入だけで使いきれる人は多くないでしょうし、既に投資している分を廻すならどこかで実現損or実現利益が発生します。
2012年に入ってから実現利益を出して20%の税金を払って非課税枠に移す奇特な人はいないでしょう!?
2011年末あたりに非課税枠に移行する分だけの実現利益を出して、残りは含みで持ち越す方が良いでしょう。
あるいは、税率10%が適用される2011年までに整理して3年分の非課税枠300万円分の資金を確保しておく方法も有効かも知れません。
あるいは高等戦術(?)として、人によっては実現利益は2011年までにできるだけ出して税率10%に抑えて、含み益は2012年以降に持ち越して税率20%がかかる利益を小さくする方法も有効かも知れません。(かつ非課税枠も利用できる。)
書いているうちに何が良いのかわからなくなってきましたが(!?)、非課税枠も絡むので人によって状況によって作戦は変わってくると思います。
少なくとも今は、12年から税率20%に戻り非課税枠ができることを想定し、11年末までに非課税枠用の資金を準備することを考慮に入れて、含み益含み損をどう処理するかを考えるのが良いと思います。
確実に言えることは、今年中に含み損を実現させるのは、
●今年既に出した実現利益と相殺して今年の税金を抑えるため
●年末の大掃除でスッキリしたい気持ちの問題
以外に経済的メリットはありません!?
含み損の処理は年明けにスッキリ行って、税制上の繰越を実質4年間にしてしまうのが、打算的な投資家の合理的なやり方ではないでしょうか!?
非課税枠の有効活用は詳細が判明してから、もう一度考えてみます。
[P.S.]店頭FXも支払調書が業者から提出されるようになるのでしっかり申告しましょう。あこぎではない程度に節税は考えても、稼いだなら気持ちよく払って無責任借金大国日本を救おう!
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