MSCIエマージングETFの上場は無難な船出?信託報酬が安くても市場価格の上方乖離を軽視するな!

24日にMSCIエマージングETF(1681)が上場されましたが、取り敢えず無難なスタートを切ったようです。
 
上場初日の売買高も約1億3千万円で、MSCIコクサイETF(1680)上場時の約7千万円を倍近く上回る人気ぶり(?)です。
 
この事実を以ってして、本邦投資家が先進国よりも新興国をより選好していると捉えるのは早計だと思います。
 
ポイントは、コクサイとエマージングの信託報酬が同一の0.2625%に設定されていることです。
 
先進国でも0.26%は充分低コストですが、新興国株の信託報酬としては他を寄せ付けない圧倒的な優位性があります。
 
つまり、新興国投資の中で、まだ海のモノとも山のモノともわからない今回の新ETFが圧倒的な低コストにより選好された可能性が高く、STAMやeMAXISの投信よりも優先された可能性が高いと思います。
 
勿論、新興国人気や欧米先進国への不安も影響していると思いますが、2つETFの売買代金だけを比べて論じるのはミスリードだと思います。
 
では、基準価額と市場価格との乖離はどの程度あるのでしょうか?
 


日興AMのHPでエマージングETF(1681)の基準価額を確認すると、
104,433円 (2010/02/25 現在)
となっています。
 
本日(26日)の始値が1064円です。
単位株数が10株なので、本日の寄り付きで市場価格は106,640円と解釈できます。
 
ということは、基準価額に対して2.1%上方に乖離していると言えます。
 
つまり、2.1%高い値段で買わされるということですね!?
 
更に言うと、25日の基準価額は24日の新興国各国の株価終値を基準にしていると思われ、今日の市場価格が連動すべき25日の新興国株価(円換算値)は円高株安進行で更に下げているはずです。
 
つまり、乖離は2.1%よりも更に大きいと推定できます。
 
海外株連動の国内ETFでは更に大きな乖離も当たり前という状況ですので、この程度の乖離なら(低次元のハードルで)頑張っていると言えるかも知れません・・?
 
でも、私なら2%も上に乖離した状況では買いを入れることはありませんね。
(ETFを基準にすれば、STAMやeMAXISの方が2%安く買えるということです。信託報酬の差で埋めるのに何年掛かるでしょうか?)
 
そうは言っても、場中の変動幅も小さいですし(それが嫌な方も多いでしょうが)、22カ国分散の新興国連動ETFで信託報酬0.26%は魅力ですし、乖離が解消あるいは下方乖離したら是非検討したいですね。
 
私も今現在は手を出すつもりはありませんが、半年~1年かけて値動きや連動性を観察して、良いタイミングでゆっくり乗り換えれば良いと思っています。
 
コクサイETF(1680)と合わせて、国内ETFの存在意義が掛かっていると言っても過言ではないと思います。
 
その為には、派手なプッシュ営業がなくても、国民性に反しても、本邦投資家も良い商品を自主的に選択する姿勢が問われていると思います。
 
それがなければ、広告宣伝費や営業マンの人件費をたっぷり乗せられた高コストのアクティブ投信を煽られて、パッシブ(受動的)に買わされるのが日本にはお似合いだ!?
 
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