本日の日経に、東証のアローヘッド導入後に値動きが荒くなる銘柄も出ていると記事にありましたが、個人投資家にとっては少し注意が必要なようです。
アローヘッドは従来注文から約定まで3秒掛かっていた売買処理速度を2ミリ秒(従来の千分の一以下)に短縮することで、売買の活性化が期待されていますが、副作用としてボラティリティの上昇をもたらすケースもあるようです。
私自身は東証でたまにETFを売買する程度ですが、それでもアローヘッド導入の威力は感じました。
私が肝に銘じたのは、
成り行き注文は危険!
どんな値段で約定するかわかったもんじゃない!
ってことです。
それほど取引が活発ではないETFの場合は、注文を出しているのが機関投資家ばかりというケースもあります。
個人投資家が成り行き注文を出した場合に、アローヘッドに対応したシステムを持っている機関投資家は、瞬時に売り板を消して、その成り行き注文を高値で約定させることは可能なはずです。
(個人投資家の売買注文が常に賑わっていて、機関も複数なら簡単ではないでしょうけど・・。)
板を見ながら成り行き注文を出しても、人間の目では追えないスピードでヤラれる可能性があります。
だから、前日に寄り付きで成り行き注文を出しておくなんて、私は怖くてできません。
可能なら、板を見て指値注文を出す方が無難だと思います。
私はあるETFで売り注文を出すときにアローヘッドの威力を感じました。
成り行き買いに喰いついて貰おうと、一番安い売り注文を下回る価格で売りを出したところ、注文を出し終わると私の出した値段の下に既に厚い板があります。
あれ早いな~たまたまかなと再度下回る売り注文を出すと、また同じ数量で即座に私の注文の下に板があります。
再度やっても同じ現象が起きます。
愚鈍な私でもここで気付きました。
お~、これが噂のアローヘッドかと!
一度は私の注文がミリ秒の世界では下回っているはずですが、目には見えないので、常に即座に瞬時に下回られているのと同じです。(成り行きで私の注文がミリ秒の間に喰われる可能性も奇跡的なはず!)
これは人間技ではなく、機械的に売り注文を察知して即座にそれを下回って自動発注することをシステム化しているはずです。
これでは、個人投資家は槍で戦車に立ち向かうようなものです!
日経には、自己売買を柱としてきた中堅中小証券が収益悪化で人員削減を強いられていると書かれていましたが、まだアローヘッド導入から数カ月しか経っていませんが大袈裟ではないのかも知れません・・。
日経は、
「売買の高速化時代に追随してシステム武装を進めるのか」
「企業業績といったファンダメンタルズ(基礎的条件)などを吟味して長めに保有する手法に回帰するのか」
という2つの選択肢を述べていますが、これらは東証に取っても悪くないオチだと思います。
しかしながら、ファンダメンタルズも吟味した上で、日本離れで海外の証券市場にますます流れていくことも個人投資家にとっては魅力的な選択肢です!
後手後手でようやく高速売買システムを導入したのは良いが、
本当の意味で日本の株式市場の活性化となるのか?
ファンダメンタルズ抜きでトレーディングには使える(にしか使えない)市場として盛り上がりを見せるのか?
大口機関の優遇で、冷遇された個人や中小は退散して、結局閑散市場となるのか?
はわかりませんね・・。
「一瞬の急騰・急落という事故に巻き込まれないよう注意が要る」と機関投資家も身構えているそうですが、さらに弱い立場の個人投資家はもっと身構える必要でしょう・・。
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]