三菱UFJ信託銀行が東証に「金」「プラチナ」「銀」「パラジウム」の価格に連動する4種類のETFを7月2日に上場します。
「金の果実」シリーズと来ましたよ!
(ETFのネーミングも投信のパンフレット並になってきましたね・・。)
コード 愛称 銘柄名 信託報酬(税込み)
1540 金の果実 純金上場信託 0.42%
1541 プラチナの果実 純プラチナ上場信託 0.525%
1542 銀の果実 純銀上場信託 0.525%
1543 パラジウムの果実 純パラジウム上場信託 0.525%
※指標価格は、株式会社東京工業品取引所における先物価格をベースに算出した各貴金属の現在価値(理論価格)
ETFの銘柄としての目新しさは全くありません。
金価格連動ETFは既に充分過ぎるほどあるし、プラチナ連動も既に2種類あります。
銀とパラジウムもETFセキュリティーズの多様なコモディティETFのラインナップに既に含まれています。
今回三菱が出す4種類の貴金属ETFは、ETFセキュリティーズのラインナップに完全に被っているのですが、信託報酬はほんの少し三菱の方が高いようです。
それよりも重要な違いは、税制の扱いが異なることだと思います。
三菱のETFは株式同様に分離課税で10%の優遇も適用されますが、ETFセキュリティーズの方は今年の4月から総合課税扱いになっています。
一概にどちらが有利とは言えませんが、株式同様に特定口座で扱えて損益通算できる分離課税を好む人の方が圧倒的でしょう。
(総合課税と言っても、FXとは異なり非課税枠もあるので、やり方によっては税金を抑えられると思いますけどね・・。
興味のある方は、私が正確なことを言っているとも限らないので、ご自分で色々と調べて下さいね。)
個人的には、このETFのメリットはわかり易い税制で貴金属に投資できるようになったことだと思います。
しかし、人によってはもっと強力なメリットがこのETFにはあります!
投資する貴金属の現物が国内で保管されている安心感(?)は勿論のこと、なんと希望すれば一定口数以上で貴金属現物との交換が可能です!
例えば金の場合、金地金1kg以上5Kg以内の質量に対する受益権口数が交換単位として定められています。
家に現物を置いて観賞したい方も居るでしょうし(?)、実際に現物と交換しなくても紙切れに投資しているのではなく貴金属現物に投資しているという感覚は持てるのかも知れません。
交換可能な証券会社は限られていて、カブドットコム証券がネット証券で唯一交換に対応し、2011年2月以降に交換を申し込めば宅配便(!?)で受け取れるんだって!
(但し、銀とパラジウムは非対応。)
貴金属現物の拠出・保管は三菱商事が行うし、三菱グループの排他戦略恐るべし!
(ETFの通常売買はどこの証券会社でも出来るはず。)
現物との交換可能という特徴がなければ、何故また日本的に横並び類似商品を沢山出してきて東証はホイホイ上場承認するのか批判したいところですが、このような投資家にも利便性のある商品設計は評価したいんですよね・・。
ということで、ETF新商品に辛口な私には珍しく批判半分・関心すること半分の反応になりました。
奇をてらうとか、ニッチ過ぎるとかの目新しさではなく、現物交換可能としたETF商品の画期性は、天下の三菱さん、Good Job!
(でも、金ETFは覚えられないほど上場商品多すぎだよね~。)
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