15年ぶりの円高と113年に一度の猛暑と消えた100歳以上のお年寄り(戸籍上は国定忠治と同い年ってオイオイ!)と記録ずくめの夏でしたが(!?)、まだどれも終わってないけど円高の話を・・。
アナリストの中には現在の超絶円高を予想できた人達がいます。
(さすがですね、私なんて80円台前半は想像も出来ませんでしたもの・・。)
中には、リーマンショック前からいずれ円安バブルが弾けて外貨崩落(?)し、とんでもない円高が来ると予想していた人達もいます。
予想が当たったことは素晴らしいのですが、中にはだから海外に投資するのは危険だから為替リスクを負わずに日本株を買うべきという意見も多かったように記憶しています。
極端な円高予想を信用していなかった私も、日本株で為替リスクを避けられないだろうと思っていました。
検証と言う程のものではないが、日本株で為替リスクを避けられたか例を挙げて振り返ってみます。
概算なので手抜き計算のために数字は少し丸めます。
わかりやすいようにドル円で円高と円安の差が大きい期間を取ってみます。
円高は現在(10年8月末)で1ドル84円として、円安は2006年12月末で丸めて1ドル120円とします。(期間は3年8ヶ月間)
同じ期間でNYダウの値を丸めて拾ってみると、
06年12月 10年8月 減少率
12,500 10,000 -20%
一方、ドル円レートは既述の通り、
06年12月 10年8月 減少率
120円 84円 -30%
ですから、あ~らビックリ!
株価より為替の変動による損失の方が大きいですね。
やっぱり為替リスクは恐ろしいですね、この期間はドル円がダウの変動を上回っちゃってます。
やっぱり外国株に投資するのは間違いかな?
因みに、円ベースでのNYダウ減少率は-44%となります。
わかりやすく言えば、06年末にNYダウに100万円投資した人は現在の評価額が56万円まで目減りしている状態のはずです。(かつ、ダウよりドル円レートが主犯!)
次に、手抜きでドルにペッグしている香港ドルの香港ハンセン指数を例に取ります。
株価指数の変動は丸めると、
06年12月 10年8月 減少率
20,000 20,000 0%
でほぼ変わりません。
アメリカ人も香港の人も3年8カ月で損はしていないことになります。
でも、日本人は円ベースで-30%の大損です・・orz。
株価は下がっていないのに、香港ドル円の変動(つまりドル円レートの変動)だけで3割も損しています。
為替リスクは恐ろしや~。外国株投資なんて一部アナリストの言うように危険だからやってられないと思いました?
甘~い!(この先の展開バレバレだけど・・)
強い通貨の円ベースの日経平均を見てみましょう。
06年12月 10年8月 減少率
17,000 9,000 47%
減少大きめだけど為替リスクないからやっぱり安心~って、そんな訳ないだろ!
NYダウの円ベースでの減少率(44%)も上回っています!
確かに円で売買して為替リスクはないけど、結局日経平均が為替リスクに敏感に反応するから意味ないじゃ~ん。
日本が内需拡大するか外需企業が海外移転をガンガン進めて構造が変われば、為替リスクに動じない株価指数に将来なるのかも知れませんが、そのようにファンダメンタルズ予想するなら円高で安いうちにガンガン買えば良いのかも知れません。(私には予想できませんが・・)
いい加減な手抜き試算なので、期間の取り方を変えたり、ドル以外のユーロ・ポンド等で計算すれば日本株有利になるのかも知れません。
言いたいのは、直接算数には為替レートの影響が表れなくても、日本株のファンダメンタルズにはしっかり織り込まれているから日本株で為替リスクを避けるなんておかしな話です。
(勿論、単純に日本株の約30%の含み損が為替の影響とは言えません。)
また、今回はリーマンショック前後の歴史的にも特別な期間でしょうから、為替>株価の変動リスクになっていますが、通常は圧倒的に株価>為替の変動リスクであることは、為替が一方的に右肩上がり・下がりにはならないことからもわかると思います。
為替リスクが怖いから安心の日本株と思っている方は、世界でも稀な日経平均の20年チャートでも見て下さい。(笑)
為替リスクの軽視は良くないが、怖がり過ぎもより危険なことが目に入らないのかも・・。
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]
コメント
「為替リスクが怖いから日本株」というのは笑っちゃいますね。
円高はいまや世界的な景気悪化の象徴ですから円高になるほど株は下がる、特に成長が頭打ちの日本の場合は円高によるデフレ圧力でキャッシュの価値が上がるので株などの資産価値の下落圧力は当然強くなるのだと思われます。
そう言えば今回の金融危機のしょっぱなのBNPパリバショック時に円高と株安が進み始めた際に「年収300万円で・・・」の著者のM氏が「一ドル80円で日経2万円」などとエラソーにほざいておりましたが彼は今の状態をどう言い訳するのか聞いてみたいです(どうせ人のせいにするのでしょうね・・笑)。
円高になる度に、「自国通貨が評価されているのだから」「円高にもメリットがある」「輸出依存の構造を変えるべき」と相変わらず(何もしないくせに)同じことを繰り返し言っているように思います。
輸出企業が為替リスクを減らす行動の結果、日本の国益が損なわれる(=雇用も富も失われる)ことがわからずに円高を肯定しているように思います。
テレビに出まくる売れっ子経済評論家で、弱者の見方のあなたの年収は一体どんだけやねんとツッコミたくなるM氏ですか?(笑)
(そんなにテレビ映りも良くないし、タレント性もあるとは思わないのですが・・。ましてや経済評論のクオリティは・・?日本のテレビは不思議です。)
円高なのに日経が上昇すると予想した人も多いのですが、そんなに簡単に日本の構造が変わると思っていたのでしょうか?