だって「ドイツ銀行がー・・」の前にウェルズ・ファーゴ問題!
バフェット銘柄としても有名なウェルズ・ファーゴ銀行が顧客に無断で口座を開く等の違法行為で罰金を科されました。
行員の厳しいノルマとボーナス稼ぎのために無断で作られた口座が150万、クレカが56万枚、処分で解雇された従業員5300人という組織的な不正規模はバフェットが大株主の「優良銀行」というイメージを地に落としました。
ウォール街の投資銀行がサブプライムバブルに踊り歴史的な金融危機を起こす中、リテール顧客密着で堅実経営のウェルズ・ファーゴがリーマンショック後に銀行では時価総額世界一となったことは、良い意味で時代の健全な変化を象徴する出来事だったと思います。
ということは、3年続けた時価総額世界一からこのような不祥事で転げ落ちるのもやはり象徴的なのかも知れません。
不正を生んでしまった報酬制度と見て見ぬ振りした経営陣は投資銀行がサブプライム問題を起こした大きな要因の1つと同じです。
バフェット氏はこの件について発言するのは11月まで控えるとコメントしましたが、こういう不正をしない銀行だと認識していたから永久保有できると考えていたのでしょう。
安くなって喜んで買い増したのか?許容出来ない不正で売った(売る)のか?
米国でウォール街の対極にある銀行が「勝ち組」となったのに、こういうウォール街に酷似した不正で躓き転落するのは大変残念ですね。
さて、リーマンショック後も堅実な国家運営でユーロの雄として独り勝ちを続けてきた「勝ち組」国の問題児ドイツ銀行!
色々な問題が指摘され危ぶまれていましたが、リーマン前に米国で住宅ローン担保証券を不正販売した問題で米司法省から約1兆4千億円の和解金を要求され、更にメルケル首相が救済否定と伝わると市場に不安が走りました。
こちらはリーマン前で10年前のサブプライム問題を未だに引きずって今頃経営危機が危ぶまれていることが象徴的に思えます。
また、メルケル発言はリーマンを公的資金で救済せずに破たんさせ結果として市場と世界経済に大きな影響を与えた当時の米政府を彷彿とさせます。
2008年9月15日:リーマンブラザーズ破たん
2016年9月 8日:米消費者金融保護局がウェルズ・ファーゴ不正問題で罰金で和解と公表
2016年9月15日:米WSJ紙が司法省からドイツ銀の和解金要求を報道
あれから8年でリーマンと対極にあるはずだった「勝ち組」優等生のウェルズ・ファーゴが躓きを見せ、健全財政「勝ち組」国のドイツ銀行がサブプライム問題を引きずり破たんも噂されるという似て非なる世界金融の2つの問題・・。
9月15日前後に問題がクローズアップされているのも単なる偶然なのだろうか?
アフターサブプライムの終わり(ウェルズ・ファーゴ)と終わらないサブプライム問題の亡霊(ドイツ銀行)が複雑に絡み合って8年間のサイクル終了を示唆しているのだろうか?
両銀行の体質は置いておいて、優良と思われがちな「バフェット銘柄」と「ドイツ」の銀行で問題が起こっていることも金融危機第二弾の筋書きには出来すぎかも知れません・・。
と脅かすつもりもないのですが、サブプライムから約10年で喉元とっくに過ぎれば熱さ忘れて、そろそろドカンと来てもいい頃かも知れないと用心しておくに越したことはないし、それがリーマンを亡霊にせず教訓にすることなのかも知れません!?

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