選挙前からマーケットはトランプ勝利を織り込み始めましたが世論調査では拮抗していたので、東京時間で開票が進んでトランプ有利がよりハッキリ見えるごとに日経平均は上値を追う展開となりました。
トランプが勝利宣言を行ったのは日本時間16時半頃ですが、日経平均の終値にはトランプ勝利が完全に織り込まれていたと見て良さそうで、同様に6日の各国株価指数終値にもトランプ当選に対する初動としてのリアクションは織り込まれたと見て良さそうです。
では、トランプ勝利は世界のマーケットにリスクオンをもたらしたのでしょうか?
11月6日と7日の世界主要株価指数騰落率を比較してみます。
6日 7日
NYダウ +3.6% ▲0.0%
S&P500 +2.5% +0.7%
ナスダック +3.0% +1.5%
日経平均 +2.6% ▲0.2%
ドイツDAX ▲1.1% +1.7%
英国FTSE100 ▲0.1% ▲0.3%
香港ハンセン ▲2.2% +2.0%
上海総合 ▲0.1% +2.5%
インドSENSEX +1.1% ▲1.0%
ブラジル・ボベスパ ▲0.2% ▲0.5%
7日のNYダウは横這いだったもののS&P500とナスダックは続伸して、2営業日連続で囃して浮かれてトランプお祭り騒ぎをしているのは米国だけですね。
2営業日の合計なら日経平均の騰落率が米国に続きますが、その他の国々はトランプ当選を歓迎して上昇した形跡は見えません。
もちろん各国の株価指数には日々の国内要因も反映されるので一概には言えませんが、特に6日の騰落は米国(+日本)にトランプラリー、欧州・中国・他新興国にはトランプショックで嫌気下げが明らかに反映されていると思われます。
香港ハンセンも取引時間中にリアルタイムで米大統領選結果が織り込まれた筈であり、対中60%関税を掲げ米中摩擦が大きくなることを嫌気しての2%超下落はさもありなんですね。
では、米国以外で日経平均だけがトランプを歓迎して(株価指数まで思考停止の米国従属かよ!?)上昇したのかと言えばそうではなく、財政懸念による米国長期金利上昇によるドル高により円安が3円も進めば、その円安自体は日本企業の利益上昇をもたらすので機械的に株価指数も上昇したのであり、決してトランプ勝利が日本株を利すると判断した訳ではなく7日には反動で下げています。
6日にリスクオフで下げた国も7日には反動上昇の動きが多いので、決してトランプ当選を大悲観している訳でもなく実際に政策が出て来るまで様子見と言ったところでしょう。
初動として世界は経済面でトランプ米国大統領を全く歓迎していないが、米国だけがイケイケでお祭り騒ぎ!
まさに相場の初動はトランプの熱狂的MAGA信仰者そのもの!?(Make America Great Again!)
トランプが今度米国だけは必ず利する訳でもないと思いますが、さてトランプ大統領が掻き回す今後の世界と米国はどうなりますかね?

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