KDDIとMUFGがネット銀行(auじぶん銀行)とネット証券(auカブコム)を互いに出資し合って持ち合っていた訳ですが、KDDIがauじぶん銀行を100%子会社、MUFGがauカブコムを100%子会社にすることで両グループが手を握ったようです。
引き続きKDDIグループ傘下でau経済圏と連携させるauじ銀はさておき、三菱UFJ銀行の完全子会社となるauカブコムには今後のより良い展開があまり想像できません。
出資関係がなくなっても「両社グループが新たに締結する業務提携契約に基づき、今後もau経済圏におけるネット証券の役割を担い続け、諸プログラムで従来と同じサービス・機能を提供します」と言ってはいますが、当面は大丈夫でも5年先10年先も提携契約が続いているかはわかりませんね。
新たな三菱UFJ eスマート証券は「MUFGの中核ネット証券として、MUFG顧客基盤との結びつきを抜本的に強化し、その機能を縦横に発揮することで、業界における確固たるポジションの獲得を目指します」とのことですが、現状では具体的に何がどう変わるのかサッパリ(笑)。
基本的に低コストでの勝負が求められるネット証券と大手メガバンクは水と油でそれが100%の親と子になることに期待感は抱けません。
SBIや楽天が更なる低コスト競争を仕掛けて来た時に「三菱UFJ eスマート証券」の親会社である三菱UFJ銀行やそこから出向して来た(気位だけは高いであろう)社長や役員達がどんなスピード感でどんな意思決定をするのでしょうか?
穿った見方をすれば、大手ネット証券の中における競争で脱落気味のauカブコムを撤収救済するために大銀行の100%子会社化を決めた?
天下のMUFG100%ですから低コスト競争から距離を置き、「三菱」のライバルではないSBIや楽天みたいな安売りブローカーとのシェア争いもせずパイの拡大も諦めて、MUFGのコア顧客(だけ)を対象にした安売りしないネット証券に再生する可能性。
eスマート証券で少々の赤字を垂れ流しても三菱UFJ銀行の顧客になんらか貢献してくれれば連結ベースでのMUFG利益には何の影響もなく今後も存続させられると?
以前のカブコムは入出金サービスでも三菱UFJ以外は扱わなかったり有料だったりと排他的な扱いをしてその傾向がありましたが、auの出資がなくなって悪い意味で先祖帰りする懸念もあります。
ということで、auカブコムの三菱UFJ銀行100%子会社化に期待感はありませんし、KDDIとの提携もいつまで維持されるのか不明ですが、auじぶん銀行もauカブコム証券も一応ユーザーなので今後もしかしたら良い方向に向かうかも知れないと見守るしかありませんね!?

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