2025年01月29日

DeepSeekというモンスターを中国に産み鍛えたのは米国の制裁というパラドックス

降って湧いたようなDeepSeek(ディープシーク)ショックにより27日の株価は米国のハイテク企業を中心に急落しました。

話を盛っている部分があるかないかはわかり兼ねますが、米国テック企業の1/10未満の開発コストで米国最先端AIモデルを上回る性能を示したとのこと。
2023年設立で80年代生まれの起業家が短期間と低資金でこれを成し得たというから驚きですね。

トランプはディープシークの登場を受けて、「我々へのウェークアップコールだ」と米国内のハイテク企業に目を覚ませ!負けるな!と鼓舞しました。

でも、中国にDeepSeekというモンスターを生み出したしまったのは、中国のAI開発を抑え込もうと半導体輸出規制をかけた米国だという事実が面白いですね。

最先端の半導体を使えない環境だからコスト安めの半導体を使って開発するしかない。
米国のメガテックのような潤沢な資金もないから低予算でAI開発に挑むしかない。
金も道具もないなら勝つために知恵で勝負する以外に残された道はない。

このような恵まれない環境でおそらく稀有な才能とも出会ったんでしょう、最先端AIと変わらない性能を低コストで少数精鋭が実現してしまった。
不自由と抑圧はヒトに反骨心と他力なしで考える力を与えるのかも知れませんね。

私は民主や自由と独創性や想像力が表裏一体という考えに必ずしも賛同しません。
では、何故自由民主先進国の欧州や日本にGAFAMやM7に匹敵する企業が1つも現れないのか?

テスラの対抗馬は中国のBYDであり、米国内で人気の外国製スマホアプリはTikTokを中心に専制国家の中国企業が作ったものであり、米国制裁により世界市場から締め出されたファーウェイは独自開発により逞しくなって息を吹き返し始めているし、オープンAIの強力な対抗馬に今後DeepSeekが育っていくのかも知れない。

世界で人気が上昇し続ける日本の漫画やアニメは日本が自由民主国家だから花咲いたのではなく、少々窮屈で抑圧的で不自由も多い社会のお陰だと思います。
その社会で少々アウトサイダーな人達が親兄弟教師に漫画家なんて夢見るのは止めろ!安定した公務員になれ?と猛反対されながらも突き進み、抑圧社会から自由な空想の世界で制約なく日本人に不得意と言われる想像力や独創性を日本人の国民性に制約されない無国籍のキャラ設定とストーリーの中で解き放てたからだと思います。

もちろん手先が器用で繊細な描画が得意という日本人の長所は大前提ですが、自由の国アメリカでは漫画の世界で自由と独創性を解き放つパワーと必要性が日本より足りないんだと思います。
日本は現実逃避も含めて読者もそれを強く求めるから独特の漫画アニメ文化が形成されたのだと思います。

話が脱線しましたが、自由民主だから独創性や想像力に花が咲き、独裁や専制国家は横並び画一的で革新性は育たないという見方はあまりにも単純で浅薄だし、事実にも現実にも反していると思います。

米国の対中半導体規制なかりせばDeepSeekは誕生しなかったのかも知れません。
米国の中国イジメが才能ある者や組織を虎の穴でタフに鍛え上げてしまい、米国が震え上がるモンスターを米国の手により中国に産み出してしまったのかも知れません。
まさに事実は小説よりも奇なり。

DeepSeekという米国アシストのパラドックスを契機に中国経済全体も息を吹き返すように頑張らないとね。
posted by 太助 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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