これはニッセイの同ファンドにピタリと合わせたコストとなりますが、純資産総額は1千億円を越えており今更このタイミングで実入りが半減となる値下げを敢行するのは違和感があります。
より意識しているのは、今年の設定にも関わらず信託報酬0.198%の4カ月足らずで純資産290億円を集めている楽天の同ファンドかも知れません。
楽天の再値下げを刺激するのも嫌だし、運用会社への信頼やブランドを考慮すると楽天と同値にする必要もなく、楽天とニッセイ両社への対抗とNISAで選ばれるようにとこのタイミングで値下げ敢行したのでしょうね。
現時点での販売ランキングを見ると、
SBI証券(楽天の扱いなし)では週間販売ベースでニッセイ5位に対してeMAXIS57位、
楽天証券では週間買付ベースで楽天17位ニッセイ25位に対してeMAXIS57位
となっているので、大手ネット証券での売れ行きの違いも値下げを促したかも知れませんね。
楽天はまだ未知数なのでこの程度の信託報酬差で飛びつくべきではなく、今回の値下げによりNASDAQ100投信はニッセイかeMAIXSのどちらかを選んでおけば無難だと思います。
SBI証券で現時点の1年騰落率を比較すると、eMAXIS57.26%に対してニッセイ57.70%で0.44%上回ります。
単純な信託報酬差は0.2365%なので、残り0.2%程度はその他要因でニッセイが上回っていることになりますが、今後は確実に信託報酬差による優劣はゼロになります。
ニッセイの「その他経費」は23年9月決算の第一期で0.06%、総経費率は0.26%と記載されています。
eMAXISは23年1月27日から24年1月26日における「その他経費」率が0.02%、総経費率が0.46%と記載されています。
その他経費率ではeMAXISの方が年間0.04%低く、その分だけ1年騰落率も良化する筈ですがそれは見受けられず、実際にはトラッキングエラー等でそれ以上にeMAXISが劣後する要因があると推測できます。
また、ニッセイの方はファンド立ち上げ後約半年に掛かったその他経費を年間ベースに直しているので、0.06%は今後圧縮されていくことが期待できるでしょう。
その為にも必要な純資産規模も3年超運用しているeMAXIS1千億円超に対してニッセイは1年余りで1千5百億円に迫っています。
ということで優劣を決めつけるのは難しい状況ですが、事実としては仮に同じ信託報酬だったとしても過去1年ではニッセイのパフォーマンスが年間0.2%程上回っていた筈ということ。
そもそも0.0X%の微小世界で今後縮小していくと期待される「その経費」率の違いだけでeMAXISを選択するのも個人的には疑問です。
その他経費が更新されるのも年1回なので、当面の選択には両社の騰落率の違いをウォッチするのがベストだと思います。
大きな差はないと考えて両方を買うのも一案ですし、今選ぶなら個人的にはパフォーマンスからもニッセイですかね。
それに心情的にも競争対抗上後から仕方なく値下げしたeMAIXSよりも、最初から良心的な信託報酬を設定したニッセイを応援したいですね。
それにしても本家米国NASDAQ100連動ETFのQQQが経費率0.2%ですから、日本のNASDAQ100投信のコストは今やそれに匹敵するし、その先陣を切ったのがニッセイです。
もちろんeMAXISの今回の値下げと競争拍車は大歓迎ですけどね。
NASDAQ100投信を信託報酬0.2%前後で複数選べるなら贅沢な悩みかも知れませんね。

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