SOX指数連動で驚異の信託報酬0.1815%(税込)で「ニッセイSOX指数インデックスファンド」が登場したのが23年ですが、楽天は二番煎じで若干下回る信託報酬0.176%(税込)で24年に専属商品として「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」を投入しました。
楽天ファンドも運用期間1年を越えてデータが揃って来たので両者を比較してみましょう。
6月末時点の月次レポートから拾える数字として、
【純資産総額】
ニッセイ406億円 vs 楽天157億円
後出しで楽天専属の割には善戦してニッセイのリードが弱いようには感じます。
【騰落率】
1カ月間 3カ月間 6カ月間 1年間
ベンチマーク 14.9% 25.6% ▲0.6% ▲7.4%
ニッセイ 14.8% 25.3% ▲0.8% ▲7.7%
楽天 14.8% 25.1% ▲0.7% ▲7.4%
これはなかなか評価が難しいのですが、直近3カ月ではニッセイが楽天に対して△0.2%上回るものの、半年から1年ではニッセイが楽天に劣後して、特に1年騰落率では▲0.3%も楽天に負けてしまっています。
えっ?信託報酬で楽天に若干の優位はありますが、ニッセイ二期目が楽天一期目に負ける?
楽天の1年騰落率はベンチマークと同一であり、後述しますがニッセイのベンチマークに対する▲0.3%の劣後はまあ妥当な範囲と考えられます。
目論見書から簡単に拾える数字として、
【総経費率】
ニッセイ 0.20% vs 楽天 0.18%
(直近決算期間の数字で両者の対象期間が一致しないことには注意)
仮にコスト面で楽天の方に△0.02%の優位があったと仮定しても、1年間で騰落率0.3%の違いは全く説明できませんね。
総経費率も定義がいい加減で売買委託手数料等を含まなかったりするので、直近の運用報告書から合計費用の%を拾うと、
【合計費用率】
ニッセイ 0.207% vs 楽天 0.193%
(楽天の1期目は1年に満たないので1年換算で%を算出)
売買手数料が大きくないので総経費率と大きくは変わりませんが、両者のコスト差は0.014%に過ぎず、1期目の楽天が下回ったのは保管費用がニッセイほど掛かってないことが大きそうです。(理由不明)
ということで、ニッセイが運用コストによりベンチマークに1年間で▲0.2%劣後するのは妥当であり、残り▲0.1%分はズレ(?)でも四捨五入の関係でも片付けられる程の誤差であり、運用に問題がある訳ではないと考えます。
むしろ年間0.19%のコストが掛かりながら、何故ベンチマークと1年騰落率が同一なのかと楽天の方が小一時間問い詰められるべきかも知れません!?
直近3カ月の騰落率ではニッセイの方が上回っているし、今後も楽天の方が高い騰落率を出し続けるという予想は出来ませんね。
但し、楽天が一期目で二期目のニッセイをその他費用でも下回るのは評価できるし、今後も継続的な低コスト運用が出来れば、年間の信託報酬差0.0055%(←気にするのはほとんど無意味ですけどね!?)の恒常的優位と合わせて騰落率でニッセイを上回り続けることが出来るかも知れませんね。
個人的にはこの程度のコスト差であれば、楽天囲い込み専売商品ではなくニッセイを選択しますが、予想以上に楽天が健闘しているのは驚きでした。(もっと明確にニッセイに劣後するものと)
どちらを選んでも総経費率0.2%前後の低コスト運用です。
因みにSOX指数連動の本家米国ETFであるSOXXの経費率は0.35%です。
最近は米国3大指数に加えて、エヌビディア注目でSOX指数が何%上がった下がったとかニュースでも報じられるようになりましたが、概してNASDAQ指数より遥かに高いボラティリティーであり、暴れ馬好きには堪らないジェットコースター指数に低コストで投資したい人、目先のボラよりも半導体株の長期的未来を信じでストロングホールドしたい人には、米国ETF不要で低コスト投資可能な日本製SOX指数インデックスファンドは魅力ですね。
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・プラス・SOXインデックス・ファンドの比較
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