昨年12月に信託報酬を0.11%に引き下げた「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)」(2840)ですが、以前の記事で運用内容に問題ありで様子見が無難と書きました。
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大きな問題は、昨年11月時点で先物の組入比率が22%、米国ETFであるQQQの組入比率が13.5%もあり、双方共に騰落率の低下を招く原因になると想定され、いくら信託報酬が最安でも騰落率で0.1%以上の劣化を招けば帳消しになってしまうと考えられること。
ところが、最新の月次レポート(6月末)で確認すると運用状況に大きく改善が見られました。
資産別構成を確認すると、外国株式先物が5.8%、外国投資信託(←QQQと推定される)が1.4%まで大きく減少しています。
約7カ月間でNASDAQ100銘柄直接投資以外の(パフォーマンス低下を招く可能性のある)割合が計35%から計7%まで下がりました。
これがまだ改善の途上で最終的にはほぼ0%に持っていき、今後も現物株100%に近づけていくと期待したいところですが、既にパフォーマンスにも好影響が見られるようです。
同じ6月末基準で野村の「(NEXT FUNDS)NASDAQ-100(為替ヘッジなし)」(1545)と比較してみます。
両者のベンチマークは同じ筈ですが、四捨五入の関係と思われる0.1%の違いが生じるので、iFree(2840)の記載数字を採用します。
1カ月間 3カ月間 6カ月間 1年間
ベンチマーク 6.2% 13.3% ▲3.7% 2.9%
大和iFree(2840) 6.2% 13.4% ▲3.8% 2.5%
野村NF(1545) 6.2% 13.3% ▲3.7% 2.8%
1年間では大和iFreeが野村NFに0.3%も劣後してしまっていますが、この期間にはiFree信託報酬値下げ前の時期も半年近く含むので勝てませんね。
6カ月間で見るとかなり善戦して0.1%の劣後になりますが、この期間では完全に大和iFree信託報酬値下げ後の時期になり、その好影響もある筈ですが信託報酬差0.11%x半年間(1/2)で△0.055%の有利に過ぎません。
それがあっても▲0.1%劣後したのはやはり先物とQQQ組入れ比率の高さが原因と推測されます。
しかし、直近1カ月では野村と同率で3カ月間ではなんと負け犬(!?)iFree(2840)が野村NF(1545)に△0.1%の差を付けて勝ちました!やりましたー!(って、私は2840を持ってませんけど)
更にはこの期間においてはベンチマークに対する騰落率劣化も見られません。
やはり先物とQQQ比率を徐々に下げて来た好影響が表れ、信託報酬引き下げの影響も少し寄与した結果と考えられます。
それでも先物を1.0%だけ組み入れて99%は現物投資している野村NF(1545)の運用内容とはまだ差があります。
3カ月という短い期間で0.1%程度上回ったことはズレやブレや誤差で片付けられる話でもあるので、これで1545に追いつくほど騰落率が改善したと見るのも早計でやはりまだ半年程度は様子見した方が無難と思われます。
しかしながら、運用内容が改善されてそれがベンチマークに劣後しない騰落率にも表れていることは間違いなく、せっかくNASDAQ100連動で圧倒的な最安信託報酬という武器のある大和iFree(2840)なので、今後も期待しつつ運用状況はウォッチしたいと思います。
信託報酬最安0.11%のiFreeETF NASDAQ100運用問題と騰落率に改善が見られる
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