最新の月次レポート(11月末)を見て現状の運用内容から改めて様子見が無難であると考えるので前回の補足をします。
為替ヘッジなし(2840)のレポートで確認すると101銘柄の現物株投資は全体の64.5%に過ぎません。
残りの22.0%がNASDAQ100先物であり、13.5%が米国ETFのQQQへの投資です。
いくら信託報酬が低くてもQQQを組み入れている限り、QQQのパフォーマンスを上回ることは難しくなります。
高い比率ではありませんが、QQQの経費率分(0.2%x13.5%=)約0.03%が信託報酬0.11%分の外側で発生することになります。
また、先物への投資比率が約2割を占めているので、金利コスト等の負担があり現物投資よりもコスト高(実際には先物価格に反映されているので騰落率の減少)となりがちです。
この2つの要素は確実にパフォーマンスを押し下げる要因になりますが、実際はどうなのでしょう?
運用実績10年超でiFree値下げ前は同一信託報酬だった野村NEXT FUNDSヘッジなし(1545)と比べてみます。
1545も先物比率が2.2%ありますが極めて小さく、株式比率が97.6%で「外国投資信託」の記載もないのでQQQは一切組み入れていないものと推測されます。
<11月29日現在の騰落率>
3カ月間 6カ月間 1年間
野村1545 +11.8% +7.8% +33.5%
大和2840 +11.7% +7.6% +32.7%
差異 0.1% 0.2% 0.8%
直近1年をどこで区切っても野村のパフォーマンスが大和を上回っているようです。
要因は1つや2つでなく複数あるでしょうが、上記に挙げた先物・QQQ組入れの違いによる影響が小さいとは考えられません。
しかしながら、この1年で劣後した0.8%は前半の6カ月で0.6%の差を付けられ、後半の6カ月は0.2%の劣後に過ぎず運用が改善されているようにも見えます。
もしかしたら、半年以上前は更に先物とQQQ比率が高かったのかも知れません。
大和がこのような運用方法を取っているのが純資産総額の小ささによるものだとすれば、今後は規模増大に伴いQQQ比率0%を目指し先物比率を極小化することで、信託報酬最安値が効いてパフォーマンスでも1位のファンドになれるかも知れません。
因みに分配金利回りも比較してみると、12月12日を基準日として野村1545の0.39%に対して、大和2840は0.44%で0.05%上回ります!
配当金のない先物比率が高い大和の方が下回りそうですが、こちらも様々な要因でこの程度はぶれますね。
とは言っても、信託報酬差0.1%のファンド優劣を比較する時に分配金0.05%分を誤差だと見做す訳にもいきません。
(それなら、そもそも信託報酬が誤差ですから!?)
ということで、現状のiFreeETF NASDAQ100の組み入れ方(先物とQQQの比率)では現物株組入100%に近いファンドに必然的にパフォーマンスは劣後すると推測され、運用方法の変化・向上と実際のパフォーマンスを今後1年程度は確認した方が無難と思われます。
やはり騰落率で年間0.1%は他ファンドを出し抜いてくれないとNASDAQ100連動で信託報酬0.11%の圧倒的低コストも意味がありません!
大和は純資産1600億円のNASDAQ100投信も運用しているし別に難しいことでもないと思われ、iFreeETF NASDAQ100の今後の運用改善と低信託報酬を活かして騰落率トップのファンドになることを期待します!

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