ニッセイ・インド株式ファンド<購入・換金手数料なし>(愛称:ギフトシティー)が今年の2月19日に設定されましたが、経済特区を活用してキャピタルゲイン課税を回避できるメリットがあるので運用開始前に期待して記事にも書きました(↓)。
『「ニッセイ・インド株式ファンド」にはキャピタルゲイン課税回避の圧倒的優位性あり』
インドの場合はキャピタルゲイン課税のマイナス影響が大きいので、このファンドだけがギフトシティーの特権を活かして騰落率の向上により他ファンドを出し抜けるのではないかと?
まだ運用が5カ月足らずなのであくまで参考ですが、3カ月騰落率は比較でき運用開始時に生じがちな大きな乖離も除外しされた比較ができるので他ファンドと騰落率を並べてみましょう。
比較対象は、同じNifty50に連動して現物と先物でハイブリッド運用して純資産も1500億円を越えている「iFreeNEXTインド株インデックス」と、先物だけで運用してブランド名だけで純資産260億円を集める「eMAXISインド株インデックス」とします。
3カ月 1カ月 前日比
ニッセイ △15.12% △2.31% ▲0.69%
iFreeNEXT △15.02% △2.24% △0.11%
eMAXIS △12.13% △2.05% △0.07%
(SBI証券の7/11付けデータより引用)
ヤッター!ニッセイが3カ月騰落率でインド株インデックスの先駆けとなった大和iFreeに勝ちました!(って私はニッセイ持ってませんけど)
まずeMAXISとiFreeの違いに着目すると、3カ月なので信託報酬差はほぼ無視して、一番大きな差は先物ほぼ100%運用と先物約30%組入れの違いにより生じていると推測されます。
eMAXISは先物100%とすることによりキャピタルゲイン課税は回避できますが、先物特有のコストや現物に対するパフォーマンス劣化が投信の基準価額上昇の足を引っ張ります。
一方、大和iFreeは現物を約70%組み入れて先物運用による騰落率劣化を抑えると共に売却は30%組み入れた先物を対象とすることでキャピタル課税も回避するという両者のいいとこ取りを狙っています。
そのiFreeNEXTに対してインドインデックス新入りのニッセイが3カ月騰落率で上回った訳ですが、差は0.1%に過ぎないので誤差中の誤差であり、買った負けたは言える段階ではないと思います。
しかしながら、1カ月騰落率でも上回っており、少なくとも運用開始後5カ月足らずでiFreeNEXTと同等のパフォーマンスは示していて、その理由が現地のETFを通じたほぼ現物100%運用にも関わらずキャピタルゲイン課税免除の優遇があるからとは言えそうです。
でも、7月11日時点の前日比を見るとiFreeは上昇なのにニッセイは下落でその差は0.8%もあります。
(たった1日で0.8%も差が付くので、3カ月で0.1%上回ったなんて意味ないことがわかりますね。)
同じ指数に連動するファンドなのですが、明らかにニッセイは騰落率の反映が他ファンドより遅れるので日々の騰落率は比べても意味を為しません。
単純に1日遅れとなる訳でもないのでカラクリがわからないのですが、日本から直接インド現物株を買いに行く訳ではなく現地のETFを通していることと関係はあるのでしょうね。
それと基準価額の前日比が0円となる日が結構あるのですが、これはたまたま計算結果が0円だった訳ではなく前日の基準価額をスライドしているだけと思われるのですが、何故そうなるのかも不明です。
例えば、S&P500投信は米国休場でもドル円レートの変動だけは反映されて必ず基準価額も動くのですが、ニッセイ・インドは動きません。
今目視で数えても基準価額変動0円が運用開始から10営業日以上あるのですが、他のインドファンドは動いているのにこれでは買いにくいですね。
ニッセイ・インドは現状の純資産が16億円程度に過ぎませんが、大和iFreeに3カ月騰落率でも勝っている(少なくとも大きく負けてはいない)のに認知されないのは勿体なく、キャピタルゲイン課税回避のメリットと共に基準価額計算のカラクリを積極的に情報開示しつつもっとアピールすべきでしょう。
それがない限り、私には理解できない投資商品であるニッセイ・インドにまだ手は出せません。
但し、3カ月騰落率で大和iFreeと勝負できていること、先物100%ファンドには誤差とは言えないレベルで勝っていることは事実であり、今後のわかり易い積極的な情報開示とファンドのパフォーマンスには期待しております。
ニッセイ・インド株式ファンドにキャピタルゲイン課税免除のメリットは数字で見える?
