ニッセイアセットが2月19日に
「ニッセイ・インド株式ファンド<購入・換金手数料なし> 愛称:ギフトシティー」
を設定・運用開始します。
次から次へと同類のインド投信を、しかも今回もまたNifty50指数連動でお腹一杯もう充分とスルーしかけたのですが、いやいやこのファンドには驚きで唯一無二のストロングポイントがあるではないか!
なんとこのファンドにはキャピタルゲイン課税が掛からないのです。
もちろん自分がファンドを売った時の話ではなく、インド非居住者が保有する有価証券売却益に対して課税されるのですが、ファンド内の売却であっても容赦なく徴収されます。
これが国外からインドに投資する際に高コストを招く大きな要因であり、インドの場合は多くのインデックス投信が現物投資を避けてNifty50先物で運用する大きな理由です。
つまり、コスト的には
「キャピタルゲイン課税なしの現物運用」<「先物運用」<「キャピタルゲイン課税ありの現物運用」
と考えられ、ニッセイ・インド株式ファンドがNifty50連動のパフォーマンスで他ファンドを凌駕してトップを取れる可能性があると推測できます。
詳しいスキームはよくわからないのですが、愛称にもあるインドの経済特区ギフトシティーに拠点を持つことでキャピタルゲイン課税を回避できるようです。
日本生命が2019年にインド国内で当時の投資信託預かり残高5位の資産運用会社を子会社化して「ニッポンライフ・インディア・アセットマネジメント」に社名変更しました。
この現地会社に特区拠点で投資信託を運用させて、ニッセイアセットは日本からこの投信を買い付けることでキャピタルゲイン課税が回避されるようです。
現地の投資信託はインド上場のETFを買い付けるのですが(日本から直接買えばキャピタルゲイン税徴収)、どうやらこのETFも組成運用しているのはニッポンライフ・インディアのようです。
つまり、キャピタルゲイン課税を回避するスキームは全てニッセイグループ内で完結していると思われ、世界のニッセイパワーとネットワークを利用してニッセイアセットはこの投信を運用できる訳です。
ETF名は「Nippon India ETF Nifty 50 BEES」ですが、2002年の設定なのでニッセイの買収前から20年を超える運用期間があり、後から「ニッポン」の名前を入れたのでしょうね。
「ニッセイ・インド株式ファンド」の信託報酬は現地ETFと特区の投信信託を含めた実質的負担で税込0.298%~0.308%程度なので充分に低廉な部類です。
これより安いファンドもいくつかありますが、インドの場合は信託報酬0.1%の差なんてキャピタルゲイン課税の前では誤差レベルです。
では、キャピタルゲイン課税ってパフォーマンスをどの程度押し下げるのでしょうか?
一例ですが、Nify50ではなくBSE SENSEX30の現物に投資する「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」はベンチマークとの乖離要因としてキャピタルゲイン税で3.6%/13カ月(=年間ベースで約3.3%)と見積もっています。
デカいですね、信託報酬なんて気にしていては駄目ですね。
対象指数に違いもあり売買の頻度やボリュームによっても変わって来ますが、キャピタルゲイン課税のかからない「ニッセイ・インド株式ファンド」がこの優位性により年間パフォーマンスを3.3%押し上げられるならおそらく先物運用の他ファンドに圧勝できるはず。
ライバルは先物と現物のハイブリッド運用でキャピタルゲイン課税を抑制している大和の「iFreeNEXT インド株インデックス」!
直近では先物比率を30%以下に抑えた上で現物の売却はせずにキャピタルゲイン課税は避けているはずなので、現時点でニッセイが勝るとも決めつけられません。
スキームを複雑にしたせいで思わぬその他コストが発生するかも知れないし現時点では不透明。
同じNifty50連動でニッセイのコスト詳細が判明するのは1年以上先になるので、2月からの1年は単純に騰落率でどちらが勝るかを見れば良いと思います。
どちらかが恒常的にパフォーマンスで上回るならインデックスファンドなので今後も長期的にその傾向が続くと考えて良さそうです。
現地国内上場の現物ETF100%運用でキャピタルゲイン課税を回避する唯一無二の強みがある「ニッセイ・インド株式ファンド」に個人的には大注目です!
「ニッセイ・インド株式ファンド」にはキャピタルゲイン課税回避の圧倒的優位性あり
