2025年05月21日

NEXT FUNDS S&P500配当貴族ETFが信託報酬0.1155%で東証上場

野村アセットマネジメントの
「NEXT FUNDS S&P 500 配当貴族指数連動型上場投信(364A)」
(NF・米国株S&P500配当貴族ETF【愛称】)
が信託報酬0.1155%(税込)で6月11日に東証上場予定です!

おー、安い!う〜ん、安いか?どっかで見た数字のような?
S&P500配当貴族指数に連動する投資信託は既にいくつか存在します。
実は野村アセットマネジメントも分配金あり・なし・為替ヘッジありの3種類を投信で出していて信託報酬は税込0.55%で設定しています。
自社比ではETFがとても低廉なコスト設定になっていますね。

ETFも当然分配金があり3・6・9・12月の年4回を予定しているので、1・4・7・10月に分配する自社の投資信託「米国株式配当貴族(年4回決算型)」と類似しています。
では、この既存投信の信託報酬を下げただけのETFバージョンと考えて良いかと言えば少し違いますね。

この投信では各期の分配金が同一となるように、一万口あたり分配金を75円とか80円で毎期揃えているので、あくまで「分配金」に主眼を置いている投信です。
ETFの方は配当金を含むこともそれ以上に過大分配することも許されないので、各四半期に受け取った配当金から経費を控除してキッチリ分配されるはずなので、毎期分配金が同額となることはなく、分配の仕方はETFの方が健全となる筈です。
おそらくマザーファンドは投信と共通になるのではないかと思われ、その場合は投信の純資産総額約3000億円規模によるコストダウンの恩恵をETFでも得られると思います。

実は日興アセットも投信で「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」を出していて、信託報酬0.1155%に設定しています。
野村アセットの狙いがもうわかりましたね!?
今回出すETFで日興投信と同信託報酬に設定して対抗しつつ、既にソコソコの規模に達している自社投信は0.55%から下げずに利益に貢献し続けて貰うということです!?

ということで、364Aが劇的な低コストという訳ではなく日興投信と同一なのでETFとしては誇れません。
というかTracersが安過ぎ設定なので、S&P500連動のETF・投信と比べても配当貴族指数で0.1155%が激安であることは確かです。

それなら配当貴族連動は日興Tracersを買えばよくて、野村ETF(364A)は存在意義が小さいかと言えばそうでもありません。
日興Tracersは分配金目当ての投資家をターゲットにしていないようで、過去に分配したことはなく、あくまで配当貴族指数に連動する(今後も無分配と推測される)インデックスファンドです。

そもそも配当貴族指数と言っても、配当利回りは3%を超えずに2%台なので高利回りではありません。
過去20年超の配当込みリターンでS&P500を上回ることを売りにしていますが、あくまでキャピタルゲインとインカムゲインを合計した結果なので、分配せずに含めばS&P500投信をパフォーマンスで凌駕したはずで、将来の期待としてそれを狙っているインデックスファンドです。

確かに配当・分配金目当ての人が2%台で飛びつくのか?
それなら含んで何兆円ファンドのS&P500投信に騰落率で勝ちにいこうという考えもわかります。

そうは言っても分配金利回りはS&P500指数の2倍程度はある訳でキャピタルゲインも求めつつ、分配金は四半期毎に受け取りたいというニーズも強いはずで「NF・米国株S&P500配当貴族ETF」(364A)がその受け皿になると思います。
投信とETFの違いと言うより、単に分配金を受け取りたいか含ませたいかで選択すれば良いかと。

この指数はハイテク比率の低さに特徴があるのでNASDAQやM7に偏重し過ぎていると感じる投資家が分配金を求めなくても組み合わせると分散効果があると思います。
(S&P500を組み合わせても分散にならずM7を買い増す行為だが、配当貴族ならそうはならない!)

ということで、配当貴族指数連動なら少なくとも野村の投信はスコープから外して、同信託報酬0.1155%の日興Tracers投信と野村ETF(364A)から分配金あり・なしの違いで二択すれば良いし、その選択肢を増やす低コストETFの東証上場は歓迎ですね。
posted by 太助 at 13:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック
スポンサードリンク