後期高齢者の医療費保険料に金融所得反映は29年8月開始方針!

税制

厚労省が実施予定時期を明確化!

厚生労働省が75歳以上の高齢者の金融所得を医療の保険料や窓口負担の判定に反映させる新たな仕組みを2029年8月から始める方針だと複数のメディアが伝えました。
以前から実施方針は示されていましたが、実施予定時期まで明確に示されました。

負担が始まるのは29年8月からですが、ここには28年分の金融所得が反映されるので、予定通りに実施されるなら金融所得の調整準備(?)は1年数カ月しか猶予はないことになりますね。
読売は29年8月から始めるものの完全実施は30年8月からと伝えていますが、私には何がどう異なるのかはわかりませんでした。
(29年は配当だけで30年からは譲渡所得も加えるとかある?少なくとも対象者に漏れがあるなら公平の観点から29年は反映できないと思いますが?)

全世代への実施に向けた実験場!

多くの読者はまだ対象ではないでしょうし、俺にはまだまだ関係ないと思う人もいるかも知れませんが、これは年齢制限なしの医療保険料への金融所得反映に向けた布石であり実験場だと思います。

税務署や自治体などの情報と連携する法定調書データベース(仮称)を構築して行う大掛かりで全国的な仕組みが必要です。
運用が上手く行くかは回してみないとわからない!?
それならまずは国民の一部で限られた対象だけで試してみたい!
ミスや間違いが多発して良い訳ではないが、その場合の被害は人口比で限られるってところで75歳以上限定は都合が良い訳です。
窓口負担率にも加えられる点で下の世代より算入の効果が大きいし。

さて、予算を投入して大掛かりな仕組みを構築して上手く運用できた場合に、この仕組みの利用を75歳以上に留めるでしょうか?
75歳以上で実験して上手く行ったということは、年齢制限なしでも金融所得を保険料の算定に反映できるということになります。
そもそも、その強い意志と方向性もなしで75歳以上限定で反映するためだけに大掛かりな仕組みを作るのは割に合わないと思います。
そんな素晴らしいシステムと全国的な運用が出来上がってしまえば、もっと広く有効活用したいと思うのが人情です!?

でも、全世代展開は容易ならず?

そうは言っても、そんな簡単に全世代へ医療保険料の金融所得反映が展開できるとも思えません。
後期高齢者への完全実施が30年8月からとすれば、数年は回して確認して早くても全世代への展開は30年代中盤だろうか?

更には下の世代に下ろすと国保以外をどう扱うかという問題が立ち塞がります。
75歳以上で実験するのが都合の良いもう一つの理由は後期高齢者医療制度に全員加入していることだと思います。
75歳以上になるとたとえ会社勤めをしていた場合も会社の健保には加入できません。
ところが、これ以下の年齢では国保と会社の健保加入者が混在します。
今回厚労省が構築しているシステムは市町村との連携なので国保料の算定にはそのまま展開できる筈ですが、会社の健保には反映する仕組みがありません。

よって、早期実施する場合は会社員の健保料に金融所得を反映するのは棚上げしつつ、国保料への反映を先出しで行う筈ですが、これは「公平性」の観点で大きな問題があります。
シンプルに労働形態の違いだけで、会社員は負担を免れ、自営業(フリーター無職等を含む)だけが金融所得分の保険料を払わせられる「公平性」や「合理性」がどこにあるのか?
永田町や霞が関はただ多く取りたい時に切り取った「公平性」を都合よく持ち出して正当化しますが、国保と会社健保における算定方法の違いを正さない限り、後期高齢者と同様公平に全世代に負担して貰おうと実施を急ぐことがより大きな「不公平」を生み出します。

よって、会社の健保は一切連携しないところでほぼ完璧な反映システムが出来上がったとして、全世代への展開が早期に容易に実行に移されるとも思えません。

しかしながら、その方向性だけは間違いないので今後の動きはウォッチして必要なら対策を取ることが必要になって来ますね。
一例を挙げると、老後の年金を補うために配当金積み上げ作戦を取る人も多いですが、その頃には配当金から税金だけではなく医療保険料も抜かれて手残りが少なくなる可能性も考慮する必要があるかも知れませんね。

75歳以上限定でまず始めるのは全世代徴収に向けた実験であり布石であることは間違いないと思います。

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