9月12日に掲題のETFが大証に上場されます。
不明点が多いのですが、野村アセットマネジメントのプレスリリースから概要を拾ってみます。
[正式名称]
NEXT FUNDS ブラジル通貨レアル連動型上場投信
NEXT FUNDS ロシア通貨ルーブル連動型上場投信
NEXT FUNDS インド通貨ルピー連動型上場投信
[対象指標]
各通貨の日本円に対する外為レート(ロンドン時間午後4時のスポットレート仲値を用いる)
[分配金]年4回・四半期ごと
[信託報酬]0.8925%
[投資単位]各ETFとも10万円以内となる見込み
日本の株式市場で外国通貨に連動したETFを取引できるという意味で画期的だと思います。
株価以外の様々な金融商品に連動させられるというETFの可能性を示していると思います。(後で落としますけど!?)
最初は取引時間中はリアルタイムで為替レートに連動するのかと期待しましたが、ロンドン午後4時仲値でデイリーで固定のようですね。
信託報酬が高過ぎです。野村さん、取り過ぎ、もっと抑えられる筈。
各国の政策金利はブラジルレアル13%、ロシアルーブル10.25%、インドルピー9%と高金利です。
基準価額は為替レートに連動し、金利分が年4回の分配に充てられると推測しますが、政策金利に近い利回りとなるのかは購入前にしっかり確認すべきでしょう。
FXではルーブルだけが日本で取引できますが、スワップは政策金利と乖離して低水準です。
従って、取引したくても出来ない高金利好きのFXスワップ派も興味がそそられるETFではないでしょうか?(信用取引でレバを掛けるのはお勧めしません)
FXスワップ派のためにもう一つ強力なメリットを。
通貨連動ETFですが、商品分類が追加型株式投資信託となっているので、優遇税率10%ですよ!
(私の推測ですのでご自身で確認下さい)
ここからは日本のETFへの苦言です。
今回のETF投入でも様々なガラパゴス問題が垣間見えました。
[供給側の論理優先]
今回のETFは大証と野村AM双方にメリットあるニッチ商品の投入と見ます。
ブラジル株・ロシア株ETF上場の際も指摘しましたが、野村AMはBRICsの中でこの2つは投信を出していません。
相変わらずドル箱投信販売に支障のない範囲内です。
ETFに本当に本気であれば(上海A株ではない)中国株・インド株のETFを出すのが筋です。
それをインド通貨連動へ逃げているので今後も出すつもりはないでしょう。
大証は来年3月にFXサービス開始を予定しています。
通貨連動型ETFに本気であれば、インドルピーを出す前に南アランド・トルコリラを出して来る筈です。
FXサービスに影響しない通貨を選んだとも取れます。
(ここで私の大胆予想!大証FXもランド・リラを取り扱う!)
野村:Win – 大証:Win – 顧客:はあ?(特にインデックス投資家さん)という構図は変わっていない。
[“冷やし中華始めました”のETF投入]
私が8月18日に書いた「煽りに乗れば火傷する!」の記事が早くも活かされました。
野村AMは昨年の上海A株ETF投入で見事に天井を当てています。
その時々で流行の商品を投入するからこうなるのですが、それは投信だけにして下さい。
今回のETFもなるほどと思わせます。特にインドは強く金融引締を行い、高金利で株価暴落となっていた時期に商品設計したのでしょう。
でも、金融引締も終盤で今後は据え置きから利下げへと転換される時期ですよ。
今年の夏だけ売れれば良いと“冷やし中華始めました”とETF売り出すのはやめて、地に足のついたラインナップを期待します。
(それでも、やる気なしの国内他大手証券よりは期待です。)
外資のETFを日本に上場させてガラパゴスにガツンとやってくれ!
※落としましたけど、通貨連動型ETF投入それ自体は評価しています。
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