昨夜オバマ新大統領の就任式を途中まで生で見ていました。
彼の演説は訴えるものがありますね。
(英語だからよくわかりませんけど!?)
オバマ大統領のスピーチライターは若干27歳だそうです。
27歳が名演説を書いて、47歳の大統領が上手にしゃべり、米国と世界中の老若男女が熱狂する。
我が国では3つの意味で考えられないことです。
(1つは若い年代にそのような人材がいるか?
2つ目は居てもそのような立場になるチャンスが与えられるか?
3つ目は小僧が何を言っているとの既得権益者である年配者の色眼鏡?)
まさに演説の中にあった「60年前にレストランにも入れなかった父親の息子」(遠まわしに肌の色の差別を言っている)が第44代アメリカ大統領になれる”自由の国”と”アメリカンドリーム”を体現した男である。
(ルーツがアフリカ奴隷ではなく、貧困層ではなくハーバード大卒であっても)
演説の内容を聞いていて、彼は非常にバランスが取れていると再認識しました。
本日全文日本語訳の文章を見ましたが、生で聞いていた同時通訳から削除されている箇所に気付きました。
1つ目は前任のブッシュへの感謝・ねぎらいの言葉。演説内容は結果としてブッシュ政治の徹底非難ではありますが、演説の最初の方で(社交辞令の)感謝を述べていました。
2つ目は「一部の人の貪欲さと無責任が今回の経済危機をもたらした。しかし、これは我々全員の責任である」とのスピーチ。(正確ではないがこのような趣旨)
日本語訳だけ削除したのかと思い、原文を見たが“貪欲さ”(greed)という単語が見当たらなかった。
新大統領がウォール街の過ちを素直に認めたことは前任大統領との決定的な違いでもあり、重要な箇所だと思うのだが、米政府側で削除したのか、メディア側で削除したのかはわからない。
まあ、米政府にとってもメディアにとってもウォール街は大スポンサーだろうから、メディアがありのままを伝えないケースもあるとの良い例でしょう。
オバマは米国・米国人の良い面・悪い面をよくわかっていると思う。
「我々と同じように比較的満たされた国々よ、我々が国境の向こう側の苦悩にもはや無関心でなく、影響を考慮せず世界の資源を消費することもないと言おう。世界は変わった。だから、我々も世界と共に変わらなければならない。」(Yomiuri Onlineの訳より)
これを一番拒んできたのがブッシュであり、米国民であった。
オバマは自国民を賞賛し鼓舞する演説をする一方、米国と米国人が変えなければならない負の面もよくわかっていると感じた。
オバマによって、米国は世界の支配者から協調的な世界の一員に変わることを期待したい。
バランス感覚のある彼なら“Yes, He Can!”である。
ところで、市場は昨夜NYダウがオバマ演説終了後から更に下げて4.2%減の8,000割れで引けました。
オバマ演説の中に具体策を期待した訳ではないでしょうが、金融機関の業績不安が勝ったようです。
いきなり市場に挑戦状を叩きつけられた(?)オバマさんの今後の舵取りに注目です。
彼が時代の寵児なら、米国と世界の窮地を乗り越えるために、この時代に選ばれるべくして選ばれ、立つべくして立っているのだと未来を楽観したい。
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