JALが上場廃止の方向で株主責任も問う・・!?
長年ホールドして断腸の思いで売りに出している方は別にして、こんなタイミングでJAL株を買っている人は宝くじと同程度の大投機であることは理解していると思いますが・・!?
ジム・ロジャーズ氏もJAL株で大損していると言っていましたが、大投資家でも紙くずになる株を掴んでしまうこともあると認識してポジショントークを聞くべきだし、不謹慎ですが雲の上の人でもこんな失敗もあることがわかると安心するのは私だけだろうか?
JALの株価は前日終値67円に対して、怒涛の売り玉殺到で37円の気配値を示していますが、前場終了時点では取引が成立していません・・。
37円で6億8千万株の売りに対して約8百万株の買い注文ですから、100対1に近いですね・・。(売りたくても売れないよ・・。)
しかし、買う方も信用売りの買戻しでなくて新規買い注文も含まれているとすれば、チャレンジャー(!?)ですね・・。
(まあ宝くじも10枚のうち9枚は紙屑だからね!?)
でも、JALって団塊の世代が一番勤めたかった憧れの企業だって知ってました?
リクルートの情報で過去5年毎の就職死亡(おいブラック過ぎるだろ!)、もとい就職志望ランキングが載っていたのですが、
JALは1970年と75年のランキングで堂々の1位です。
以降も80年4位、90年8位と上位に顔を出し、2005年でも5位にランクしています。
(因みに常にANAより上のランキング!)
日本一の人気だった1970年頃にJALに就職された方がそろそろ定年を迎える頃だと思います。
団塊の世代だけではなく、それ以降の40年間も大学生が就職したい企業のトップクラスに位置し続ける人気を誇ったのです。
もっと言います!
ANAよりもJALの方が概して人気が高かったのです。
はっきり言います!
何故、優秀な学生を選り取り見取りで獲得できたJALという人気大企業が大赤字に陥って国民の税金にすがる事態になっているのでしょうか?
(ANAはそうなっていない!)
敢えて誇張して酷く言いますが、日本で一番稼がなければいけない人達が税金で生活保護を受けるようなものです!
(狭き門をくぐってJALに入ったエリート集団が赤字を垂れ流し続けて何をしているの?)
まあいつの時代も大学生の就職志望企業はイメージに騙されがちですが、JALの場合は「潰れない」「万が一の時でも政府が救うはず」「企業年金等の福利厚生も手厚い」と思われていたでしょう。
誤解を恐れずに言えば、人気のあるJALという大樹が「寄らば大樹の陰」体質の人材を引き寄せて、沈むべく沈んだと言えば言い過ぎだろうか?
沈まぬ太陽???
だからこそ、そういうぬるま湯が大好きな人達が集まってきて、沈まないと妄信している人達が必死に船を漕がないから沈むんじゃないの?
普通の企業努力で普通に漕いでりゃ沈まないはずなのに・・。
沈まぬ太陽と思っているからこそ、沈むんだよ!?
潰れないからと保険を選ぶように就職先にJALを選び、相思相愛で(JALの定義で)優秀な人材を集めて、日本一優秀な民間企業であってもおかしくないはずなのに、利益を生み出す能力とメンタルが欠如していたからJALが潰れるんだと言えば、言い過ぎだろうか?
保険でJALを選んだOBは企業年金の減額には賛成しないでしょう・・。
手厚い企業年金について、良い人材を集めるためには必要だったと言い訳していたと思いますが、良い人材が集まればJALがこうはなっていない筈です。
JALが教えてくれているものは、学業を終えてからの社会に出てからの努力や能力発揮の方が遥かに重要なはずなのに、(就職ではなく)就社すれば一生高給安泰のシステムがポテンシャルのある人材も組織もスポイルするということだと思います。
昨日は成人式でしたが、バブル崩壊後の日本の低迷と共に歩んだ平成生まれが成人を迎えました。
バブル崩壊の20年前に就職した団塊の世代が、バブル崩壊後の20年後の今定年を迎えようとしています。
団塊の世代の憧れだったJALは「沈まぬ太陽」ではなくなっています・・。
抽象的ですが、日本も大きな変化の時代を迎えていると思います。
20年前にやるべきだった変革をせずに硬直化しているものを、残念ながら日本がやり残した宿題に取り組みつつ前を向く必要がある・・。(解決すべきツケは沢山残っている。)
「沈まぬ太陽」が何故沈むのかを真正面から見つめる必要があると思います・・。
JALの抱えるリスクは日本国が抱えるリスクそのものでもあるから・・。
えっ、根拠レスに「陽はまた昇る」って?
そう言って、20年が過ぎなかった!?
祈っても願をかけても、そこに意思と努力と知恵と行動のない限り、昇るはずがないって!
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]
コメント
付け加えると(?)・・・
優秀な人材が多いはずの官僚組織が非効率という点に象徴されるように国有組織がうまくいかない場合が多いこともあるかと思います。
「陽はまた昇る」の考え方の前提にあるように、JALは形式上は民間企業でも運輸省、国土交通省の支配下の半国有企業。
田中角栄移行の列島改造論の亡霊か・・・地方空港を乱立させて、そこに飛行機を飛ばせ続けたら重石でしょう。でもそれを実行したのが日本政府と官僚。企業再建が叫ばれても客が乗らない赤字路線からの撤退できないJAL。撤退させない国土交通省。さすがにJALが潰れる国土交通省も認めだし始めていますが・・・
こんな官僚支配企業ではいくら人材を突っ込んでも黒字化できないのは仕方ないかなと。今後の再建も事実上の経営者の国土交通省が変わらないとまた同じことの繰り返しになりそうです。
そうですね。
私の書いたことはJALという1企業だけにフォーカスしていますが、様々な利害関係者が絡んでこのような結果を招いたことは事実ですね。
しかしながら、JALの中にいる人達も政府・官僚の強い関与を望んでいたから言いなりになってしまった面もあるのでしょう。
(だからこそJALに入社した人も多いと思われるし、メリットとトレードオフでデメリットを甘受した。)
JALの抱えるリスクは日本国が抱えるリスクと書いたのは、このような関係も含んでいます。
今後の再建についても稲盛さんを社長で送り込んで立て直すのかわかりませんが、簡単ではないでしょうね。
(適任だと思いますが、年齢的に・・。)
税金を注ぎ続ける事態になりそうなら、さっさと損切りしてANA一社体制も検討すべきだと思います。
何れにせよ、JAL問題は日本の様々な負の面が凝縮されていると思います・・。