先週後半は中国の存在感を世界に見せ付ける出来事が3つ重なったと思います。
コキントウ主席が訪米し、19日にはオバマ大統領と会談を行った後、米中共同声明を発表しました。
会談前からコキントウが米ドル基軸通貨体制は過去の遺物と発言したり、ヒラリー米国務長官がG2は存在しないと発言したりと牽制していましたが、会談でも溝は深くて内容があったとは言えないようです。
しかしながら、良かれ悪しかれ、望もうが望むまいが、幸か不幸か、世界の中心に(歪な関係かも知れないが)米中というG2があることを見せ付けていたと思います。
米国側のコキントウ訪米の(表面的だが)歓迎・歓待ぶりは、中国が米国債の最大顧客であること、輸出により経済立て直しを目指すオバマにとって中国が海外で一番大事な市場であることと無縁ではないでしょう。
コキントウはしたたかに会談前にボーイング200機を大人買いし総額約3兆7千億円規模の商談を成立させ、これが米国側の圧力を緩和させたのは間違いないでしょう。
(日本も今度北京に行った時は自転車2000台を大人買いしたらどうだろう?その程度は、くれてやるって言われるかな!?[笑])
その翌日の20日には中国の第4四半期の経済指標が発表され、中国が2010年にGDPで日本を抜き、世界第二位の経済大国になったことが明らかになりました。
(私は米国の圧力をかわしたい中国が、世界二位の経済大国になった事実が明らかになる前に、米中会談を終わらそうとスケジュールも考慮したのではないかと思いましたが、勘ぐり過ぎか?)
更にその経済指標の発表により、中国の利上げが近いと意識され、新興国・資源国・コモディティーのみならず欧米の株価も含めて、まさに世界中のマーケットでリスク回避の動きとなりました。
①米中のG2体制、
②日本を抜いて世界2位の経済大国、
③中国の経済指標や動向に振り回される世界のマーケット、
という中国の存在感は既に出来上がっていましたが、今回同時期に3つが重なり、改めてその存在感を見せ付けられた感があります。
世界は(それがいびつであっても)G2という体制になっていくことは間違いないと思います。
と言っても抽象的なので、確実に言えることは、
●超大国米国を脅かせる国は中国以外に見当たらず、米国が仕切る世界の旧秩序を(良かれ悪しかれ)ぶち壊せるのは中国だけ。
●中国が積極的なリーダーシップを発揮しなくても、経済的側面で他新興国を引き上げる(豊かにする)役割を果たすのは米国ではなく中国であろう。(アフリカに対する外交に見られるように)
中国が経済面以外でも様々な問題を抱えていることは確かだし、隣国である日本にとっても今後の関係は一筋縄ではなかろうと思いますが、今後は米国以上に中国が世界に及ぼす影響の方が大きいかも知れないことは想定すべきだと思います。
米国の動きを追わない投資家がいないように、望もうが望むまいが世界を牽引する両輪の片側として、投資家は中国の動きを追わざるを得ないでしょう。
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