ブラジルが日本時間の今朝に政策金利を0.5%引き下げて、12.0%にすると発表しました。
0.25%引き下げの予想は一部あったようですが、連続利上げの後に急に0.5%の引き下げはサプライズでしょう。
ブラジルの株式市場がクローズした後の発表なので、反応はまだわかりませんが、当然利上げに頭を抑えられてきた株式は好感するものと思います。
ところが、日本時間では為替も若干ブラジルレアル高に振れたようです。
普通は為替市場で(短期的に)利下げした通貨が買われることは稀だと思いますが、これでは中銀の目的の1つであると思われる通貨高の抑制には寄与しないことになりますが、まだ初期反応なので様子見が必要ですね。
日本で爆発的人気を誇るブラジルレアル建て投信を持っている方は利回り低下を喜ばないと思いますが、ボベスパ株価指数にベットしている私は基本大歓迎ですね。
しかしながら、ブラジルのインフレが沈静化して利下げに舵を切った訳ではなく、苦渋の決断であり、次の一手が利上げなのか利下げなのかもわからない状況です。
ブラジル中銀の声明では、
●先進国経済の見通しが下方修正され長引く公算が高い
●ブラジル経済への影響も大きく、国内の経済活動をより鈍化させる見通し
●利下げは世界的環境からの影響を現時点で和らげ、インフレ目標達成にも支障はない
という趣旨のことが述べられています。
これに対して、今回の利下げは間違った判断でインフレ率を大幅に押し上げ、結局利上げに転じることになると批判的な意見もあるようです。
そりゃあ苦渋の決断だろうし、ある程度ギャンブルでしょうが、ブラジルは過去の苦い経験から保守的過ぎる程慎重に利上げをしてきたと思います。
取り敢えず0.25%で様子を見ればと思わないでもないが、このタイミングで一旦利下げするという判断は支持したいと思います。
決してインフレが沈静化している訳ではないが、ブラジルの北にある大きい国がQE2をようやく止めて、米国ジコチューQE3なんて期待する声もある中、アメリカのバー様!冗談じゃないよとプレッシャーを掛ける意味でも、ウチは利下げするからインフレのタネを勝手に世界に巻くなよと先手を打つのは重要。
ブラジルのサプライズ利下げが、
新興国各国の利上げから利下げへの転換点となるのか?
インフレ止まらず大失敗で逆に大幅利上げを招くのか?
米国のQE3に歯止めを掛けて結局は新興国の経済も減速させるのか?
は私にわかりませんが、ブラジルのギャンブル決断には拍手を送りたい。
「南米の雄」が世界の中心で仕切っていると信じている「北米の雄」の身勝手に振り回される必要はない!
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ブラジルが政策金利を0.5%引き下げ12%へ!暴挙か?英断か?
