スティーブ・ジョブズがアップルCEOを退任することが8月25日に発表されました。
ずっと噂があったし、体調が芳しくないのは見た目からも明らかだったので驚きはない。
私はipod Touchは持っていますが、Macも所持したことはないし特別アップルのファンではない。
しかしながら、スティーブ・ジョブズに対しては、(安っぽくてあまり言いたくもないけど)歴史に名を刻む偉大な人物だと思っています。
アップルの昔のCMで強烈な印象に残っているのがコレなんだけど、このCMで最後に出てくる”Think different”という言葉にはジョブズの哲学・信念が込められていて好きなんですよね。
個人的にも、ジョブズの言葉には大いに励まされた経験があります。
知る人ぞ知る、2005年6月にスタンフォード大の卒業式で行われたジョブズの伝説のスピーチ!
たまたま見たのが、自分の人生で最大級の絶望に直面していた時だったので心に響いたんだな、このカリスマの演説が。
この演説の中で自分が育てたアップルを首になり追い出された最悪の出来事について「人生にはレンガで殴られるような経験をすることもあるが、患者である自分には必要な経験だったのだ。最悪の出来事は振り返れば自分にとって最善だった。」という趣旨のことを言っている。
ジョブズと自分では全く次元が異なるが、この言葉にレンガで殴られるような思いでした。
自分には非がないように思え、全てを他人のせいにしたくなるような出来事でも、自分の傲慢や思い上がりが招いたのではないかと(少なくとも疑えと)気付かされました。
他にも死を意識することは、「何かを失うと考えてしまう落とし穴を避ける最善の方法である。他人からの期待、プライド、恥や失敗に対する恐れ、これらのことは死を前にしては消えてしまい、真に重要なことだけが残るからだ。」
とか、「ドグマ(教条主義)に足を絡め取られてはいけない。それは自分自身の内なる声をかき消し、他の人々の思考 の結果に従って生きることだ。」とか、哲学や価値観に痺れるんだよね。
最後の「Stay hungry! Stay foolish!」(ハングリーであれ!バカであれ!)というフレーズは多分スタンフォードのエリート卒業生にはピンと来ないだろうけど、(インテリでも本当にfoolishでもない)カリスマのジョブズが言うから似合うし、日本でこのフレーズが似合うのはアントニオ猪木しかいないよ!?
スピーチの中で膵臓癌が奇跡的に治療できたことも触れられているが、ジョブズが大学を中退し芸術面を学んで、マイクロソフトのゲイツにマックを真似されてウィンドウズに市場を独占され、アップルを一旦追い出されて、癌から奇跡的に復帰できなければ、世界中の人々はipodもiphoneもipadも楽しめていないのかも知れないし、アップルはマイクロソフトに駆逐された単なるPCメーカーで終わっていたかも知れない。
彼は演説で言ったことを体現してきたし、その後も体現し続けているところがスゴイと思います。
レンガで殴られたぐらいで自分を疑わずに他人のせいにしたり愚痴って恨んでいるだけの人にはいつまでも女神を微笑まないよと教えられているように思います。
と私の思うことや感想をイロイロ書きましたが、15分程度の演説に何を感じるも感じないも人それぞれでポイントは異なると思います。
初めての方は先入観なく聞いてみてください。
<前半8分>
<後半5分>
日本語訳をじっくり読みたい方は以下のリンクを参考に。(微妙なニュアンスが訳者によって変わっちゃうけど。)
http://sites.google.com/site/himazu/steve-jobs-speech
今後も何らかの形でスティーブ・ジョブズが画期的なIT商品を世に送ることに関与することを切に願います。

コメント
素敵な演説を紹介していただいて、ありがとうございました。
kushiroさん、どういたしまして。