骨太方針で医療費のマイナンバー資産額に連動は資産課税の布石!?絵に描いた餅は不味い!

前回はマイナンバーについて書きましたが、新たなニュースがいくつか出ているので今回も。
3日付けのロイターには、6月末公表の「骨太方針」に歳入強化策を盛り込み、医療・介護・年金国庫負担分の年金支給停止等を実施する方針と複数の政府筋が明らかにしたそうです。
記事のタイトルには「資産課税強化」とあるのですが、内容には資産に対して何%課税する等の話はなく、ちょっとミスリードですね。
 
政府筋情報なんて怪しくて鵜呑みには出来ないのですが、5日付けの日経にも「骨太方針」で医療・介護の負担額を資産額に連動させる仕組みの検討が明記されるとの記事が出たので、どうやらこの部分に関しては確かそうですね。
政府筋からのリーク記事で世間の反応を見てる可能性もあるので騒いでおきましょう!?
 
マイナンバーで個人の資産額を把握できれば当然その先には資産課税と連想されますが、資産額の大きい高齢者に福祉の受益を減らし負担を増やすという措置と全国民の金融資産に課税するという乱暴な話は分けて考え議論する必要があります。
前者は資産額が概ね正確に把握できる(完全に正確は有り得ないので)という前提で、歳出が高齢者福祉で膨らみ続けている状況では適切な考えだと思います。
 


後者はそもそも何故金融資産に課税されにゃならんのだという問題もあり、仮に全国民のマイナンバー資産に年間0.1%課税すると言っても賛成する人は少ないでしょうし、富裕層だけボッタクレの「正義」(笑)の声に応えるのも難しいでしょう。
 
上位1%の富裕層にだけ鬼のような課税をするなら「民主主義」では「正義」(笑)も実現しますが、彼らは節税の術に長けています。
たんす預金や海外口座や金の延べ棒(?)などマイナンバーに紐づかない所で資産の保有をする知識も知恵も掛けるコストも豊富にあります。
中途半端に実施すると、庶民には「正義」(笑)で課税せす、大金持ちはあの手この手で逃れて殆ど取れず、正直者の小金持ちだけが他力本願で他人の金を当てにし過ぎで「正義」(笑)の国民に奉仕することにもなり兼ねません。
 
更には、富裕層ほど預金以外の株や不動産で保有する割合が多いはずですが、マイナンバーの資産額とは一体何を指すのでしょうか?
証券会社にもマイナンバーが紐付くので国が個人の株資産を把握することは可能でしょうが、課税するなら取得価額なのか時価なのか?
時価なら来年には消えるかも知れない含み益にまで課税して納めるのか?
含み損の株を仕方なく塩漬け中なのに毎年鬼のように課税するの?ほな配当課税に+1%でええやん?
金のETFなら資産課税されるが、金の延べ棒を保有すれば非課税なのか?
FXにマイナンバーは今のところ話を聞かないが、FXの証拠金を把握できるのか?
 
何を以って個人の資産額なのか?
また抜け道も沢山ありそうだし、それを防ぐのは至難であり、マイナンバーは策を講じない一般人の金融資産を概ね正確に把握することが限界なのでは?
 
預金偏重の一般高齢者で上位20%程度に制限を掛ける等の措置はまあまあ機能するように思いますが、これを上位1%にした途端逃げ足速くてカスリもしないという本末転倒になり兼ねない。
 
資産課税という話まで発展するなら、そもそもこんな年貢の取り方をしないと首が回らないこの国の人口減に反比例して膨張を続ける歳出に問題があるので、高齢の富裕層が生活するのに必要ない年金を支給していることや、現役よりも支払能力が高いのに年齢で医療費窓口負担が優遇される措置を資産額によって制限するのは必要な措置なんですよ。
(勿論、資産の把握の仕方や正確性は充分議論されるべきだが)
 
理屈と理想だけで餅を絵に描いて美味しそうに見えても、実際は不味くて食えないことも多い。
マイナンバーで資産を把握できるから、このように様々な税の取り方も可能になり、歳入が歳出を常に下回る国ではそこに手を出したくなるが、キャピタルフライトも含めて的外れで逆効果を招きかねないことを充分検証して慎重に進める必要があるでしょう。
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