社会保障と税の共通番号「マイナンバー」は今年10月に通知されますが、一体何が決まっていて、何が予定で、可能性としてこんなことまで出来るという話がゴチャゴチャになり非常にわかりにくい。
(まあ、それが狙いかも知れませんが!?)
自動車登録や医療やクレカやタバコ自販機など様々な拡がりが予定や可能性として取り上げられますが、さて金融・証券分野については何が決まっているのでしょうか?
日経新聞の情報では、以下が検討されるとのこと。
●株券の名義の書き換えなどを担う証券保管振替機構が口座の名寄せに使えるようにする
●ネット上のマイナンバー専用ページで取引履歴を取り込み、納税手続きを簡単にする
前者は証券会社の事務作業効率化で既にしっかり名寄せされているし今更マイナンバーが役に立つとも思えない。
後者も既に特定口座の年間損益報告書に纏められているのに、投資家側の作業が大して簡素化されるとも思えない。
で、何が決定しているのかと証券会社のホームページを見ると、楽天とSBIにほぼ同じ内容でマイナンバーの告知がありました。
●2016年1月以降に証券口座新規開設の場合、マイナンバーの通知が必要
●2018年までに既存口座を含む全顧客が証券会社に番号通知必要
具体的にどう使われるかについて楽天では、税務署に提出する支払調書等に利用と当たり前のことが書かれていますが、それ以上のことには触れていません。
まあ予定や可能性なので現時点では書けないのでしょうが、どうやら顧客から証券会社への番号通知義務と時期だけは既に決定しているようです!?
しかしながら、預金口座へのマイナンバー適用は2018年から新規口座で開始されるが登録は任意で、2021年を目途に義務化も今後検討されるとのことで、証券口座よりも遥かに遅れています。
ということは、2018年では金融所得一体課税の前に一体把握も不可能で、早くて2021年ですが導入されてもその時点で正確に把握するのは無理でしょうね。
あまり意味があるとは思えませんが、2018年末までに取引証券会社全てに個人情報であるマイナンバーを登録する義務は決定しているようです。
個人的な意見ですが、後ろめたいことがなくても自分の知らない所で国家に金融や資産等の個人情報が筒抜けになるのは気味が悪いものです。
例えば、税金に関わる情報だけでなく、証券会社別の金融資産情報まで把握するなら事前の合意と告知が必要でしょう。(資産課税でも始めなければ、そんな必要性はない訳で・・。)
また、マイナンバーに税や医療や金融資産まであらゆる個人情報が紐付けされると厳格な情報管理も要求されます。
こういう制度を始めると、本質的には民主的ではなくお上意識の強い日本では、何故か国家が国民の個人情報を勝手に把握し管理して何が悪いのかという発想になりがちですが、徴税の公平性や歳出削減に資する制度ならオープンに議論し国家が情報をまず公開して、コソコソとなし崩し的にマイナンバーを押し進めることがないようにお願いしたい。
国家の国家による国家のためのマイナンバーが「私の番号」!?
マイナンバーで株の納税が簡単に?2018年までに証券会社へ番号通知義務は決定!?
