岸田元首相が会長の資産運用立国を推進する議員連盟が23日に石破首相に提言を行いました。
報道内容からではなく小林史明議員のサイトに提言全文が掲載されているので原文からNISA/iDeCo絡みを拾います。
●確定拠出年金(iDeCo及び企業型DC)については、・・・、昨年11月に当議連が緊急提言を行った水準(第1号被保険者は月20万円・その他は月10万円)に向けて、キャッチアップ拠出の創設を含め、今後も更なる引上げを進めるべき
●高齢者に限定して対象商品の拡大・スイッチング解禁を図る「プラチナNISA」の導入など、政府は退職世代向けの資産運用サービスの充実に取り組むべき
●つみたて投資枠に限り投資可能年齢の下限を撤廃し、早期からの投資を可能とする「こども支援NISA」を導入すべき
一方、金融庁のサイトには4月3日に行われた「NISAに関する有識者会議」(第1回)の議事要旨が公表されています。
制度運用の改善点から拾うと、
●日本に投資しやすい環境を整えるため、(つみたて投資枠に)国内の魅力あるインデックスを加えていくことが課題
●資産を管理・運用しながら取り崩していく使い方もNISAではできることを打ち出すことはできないだろうか。・・・資産寿命の延伸といった観点から高齢世代も上手にNISAを使い続けていけるようにしてほしい
●高齢者が、NISAで積立てた資産をよりリスクが低い商品に切り替えることができるよう、NISA口座内でのスイッチングについて検討することは出来ないか
●子供や孫に早くから資産形成を始めさせたいといったニーズも聞かれている。つみたてNISA枠のみでもよいので、対象年齢の引下げを検討できないか。
不思議なことに(?)金融庁が選んだ有識者と資産運用立国議連のNISA改善拡充案が非常に似通っています。
というより、4月3日の金融庁有識者会議の議論を踏まえて自民議連が提言をまとめたのか?議連と金融庁が擦り合わせた上で盛り込みたい内容をうまく学者先生達の客観的意見であるかのように追認させたか?のどちらかでしょうね。
これで政府は議連提案を踏まえ6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、金融庁は令和8年度税制改正要望に新たなNISA拡充策を盛り込んで押し込んで行きたいのでしょうね。
シルバー、もとい「プラチナNISA」と「こどもNISA」の新設に向けて客観的な有識者意見・判断という後ろ盾も作り上げて反対勢力を抑えに掛かりたいと・・。
資産運用立国議連だけではiDeCoの掛金月20万円を要望している等無責任に取り敢えず好き放題拡充を要望しているだけと受け取られますからね。
(財源責任感は国民民主と変わりない)
ということで、「プラチナNISA」「こどもNISA」は創設の方向で動いていきそうですね。
しかしながら、「こどもNISA」は新設と言っても現「つみたてNISA」の対象年齢引き下げなので現NISAの外枠とは言えません。
シルバー世代の「プラチナNISA」は今のところ外枠なのか内枠なのか判断できる情報は出て来ていないと思います。
というより決まってもいないのでしょうが、そこが一番のポイントですからね。
内枠(たとえば65歳になれば成長投資枠がプラチナ枠に変わり毎月分配型等も買えるシルバー特典を付与)なら反対意見も少なく通り易いでしょうが、外枠ならシルバー世代だけを過大に優遇して簿価1800万円以上のNISA枠を付与することと同義になります。
もちろん誰もが65歳になればNISA枠拡大するなら世代間不公平ではないと言えばそうですが、それなら拡大枠を減らしても単純に全世代のNISA枠を1800万円から増やすべきという強い反対も出て来るでしょうね。
個人的には、非課税枠を拡大したから金融課税ベースと税収が縮小して特定口座の税率アップ正当化という本末転倒につながらないようにお願いしたいですね。
2025年04月24日
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