住信SBIネット銀行が7月に「デビットカード Point+(Mastercard)」をリリースしますが、これに合わせてキャンペーンで行っていたポイント還元率アッププログラムを条件向上させた上で常設化しました。
まだあまり注目されていませんが、条件クリアなしの基本でも還元率が1.25%になるので今や高還元クレカでも見掛けない好条件ですね。
更に上乗せポイントがあり、
預金残高200万円以上:+0.25%(計1.5%)
預金残高500万円以上:+0.5% (計1.75%)
預金残高1000万円以上:+0.75%(計2.0%)
となるので、最大2%還元も可能となります。
でも、預金残高1千万円ってハードル高いし、これだけの為に普通預金で遊ばせたくないですよね。
残高判定は「月末点での円普通預金およびSBIハイブリッド預金の合計預金残高で判定します」とのことなので、月末の日付を跨ぐまでに資金移動させて翌月直ぐに資金を戻しても大丈夫です。(それでも資金1千万円のハードルが高いことには変わりないが)
かつ、残高には定期預金が含まれないことに注意して下さい。
住信SBIで定期に1千万円預けっぱなしにしても残高判定には加えられずデビットカードの還元率は基本の1.25%です。
では、仮に1千万円を動かせたとして住信SBIより金利の高い口座から動かしてまで還元率2.0%を取りに行く意味があるのかを考えてみます。
松井バンクやauじぶんは普通預金が最大0.41%になりますが、計算上も面倒で大差はないので金利0.4%のSBI新生銀行から資金移動する場合を例に取ります。
税率を丸めて20%とすると、SBI新生で残高1千万円に対して付与される1日あたりの金利は
1千万円 x 0.4% x 80% ÷365日 = 約88円
となります。
一方、住信SBIのハイブリッド預金金利は0.21%なので
1千万円 x 0.21% x 80% ÷365日 = 約46円
となるので、1千万円を月1回SBI新生から住信SBIに移動させた場合に失う金利はネットで約42円/月だと計算できました。
このトレードオフで得られる利益はデビットカード+0.75%の還元率アップなので月に何円利用すれば元が取れるのかを計算すると、
約42円 ÷ 0.75% = 約5600円
のデビカ利用が損益分岐点になるので、月の利用額がこれ以上なら1千万円を資金移動させた方がオトクだとわかりました。
ここでようやくあまりにセコイことを計算してしまったと気付く訳ですが(笑)、月5600円利用は多くの人に容易いが、資金1千万円移動は多くの人に容易くないので下の残高クリア条件も考えてみます。
残高500万円の場合:金利差約21円 ÷ 0.5% = 約4200円
残高200万円の場合:金利差約9円 ÷ 0.25% = 約3200円
デビカ利用額がこれ以上なら資金移動させても元が取れるということになりますが、1千万円の場合と大きな差はありません。
しかしながら、観点を変えて自分の想定利用額に対して何円を資金移動させるのが一番得なのかはまた別の計算になります。
残高1000万円の場合と残高500万円の場合を比べて、月の利用額をA円とします。
0.75% x A円 -42円 = 0.50% x A円 -21円
A=8400円となり、
この時に両者の金利差損込みの実質還元率は0.25%(+基本還元1.25%=合計1.5%)で一致して、これ以上使うなら残高1千万円が有利、これ以下なら残高500万円の実質還元率が高いとわかります。
同様に残高500万円と残高200万円を比べた場合に実質還元率が一致する利用額は5200円となり、これ以上なら残高500万円が有利です。
言い換えて纏めると、SBI新生から月末だけ資金移動させる場合は金利差損も考慮して、デビカ想定利用額が月に
約8400円以上なら1000万円の資金移動が一番有利
約5200円以上なら500万円の資金移動が一番有利
約3200円以上なら200万円の資金移動が一番有利
約3200円未満なら資金移動せず基本還元で使うのが一番有利
となります。
これでようやく計算した甲斐が多少はあるってものですが、このデビカは公共料金等では基本還元率が0.3%に下がり残高による還元率アップもなく、リアルカードの発行には1100円が掛かります。
クレカのような審査もなくカード発行なしにスマホ決済(Apple Pay・Google Pay)で使うのが一番良いと思われますが、この場合は利用先が限られて毎月の利用額も増やせないかも知れません。
月利用8000円程度なら無理して1千万を移動させる必要もなく、残高500万円の方が移動による金利差損込みの実質還元率も高いのです。
個人的には月末だけ200万円 or 500万円を住信SBIに資金移動させて、デビカの還元率計1.5% or 1.75%を狙って使うのが現実的かなと思います。
2025年06月16日
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