何度かこのような内容を書いてきましたが、「自立した投資家を目指す」ことに共感して読んで下さる方には何度でも強調してお伝えしたいことです。
ウォーレン・バフェットは証券会社のレポートを読むかと問われ、
「読みません。床屋に行って“散髪したほうがいいかな”と聞くようなものです」
と答えました。
我々凡人が証券会社のレポートすら読まずに投資判断を行うことは難しく、世界一の投資家だからこその発言ですが、彼の言葉には含蓄があります。
米シティが買い手の付かないことをわかっていながら75億ドル相当の証券を4万人に不正販売したことに対して、全てを買い戻すことでSEC(米証券取引委員会)と和解しました。
ストレートに言えば詐欺ですが、フィリピンのウナギ養殖話のようなうさん臭さもなく、ブランドのある大金融機関にこんなことをされたら投資家は堪りませんね。
金融機関はモラルを失えば情報格差を利用して顧客の財布から金を掠め取ることは簡単に出来てしまいます。
日本ではここまで酷いことはなくても、金融機関は情報格差を利用して彼らが売りたいもの・売り易いもの・マージンの高いものをプッシュしてくるのは当たり前です。
ETFなんて顧客にしかメリットのないものは絶対に勧めてきません。
以前にも書きましたが、儲かるかどうかは彼らに判る筈がないのです。銀行員・証券マンはエリートだとか、FP資格を持っているとか、自分より優れた判断が出来る筈だと思う人は「投資家」ではない。
日本で馬鹿売れしている投信に「グロソブ」(略称)があります。
毎月分配高配当で年金層の心を鷲掴みにしたのはわからなくもありませんが、毎月分配が複利には不利・基準価額を削って高配当を維持していることはよく指摘されているデメリットです。
お金持ちで金融知識のない高齢者は彼らのカモネギです。
金融機関が売り煽りやすい商品設計であり、「皆さん購入されていますよ」と言われた日には「ナニ?お隣の田中さんも買っているのか?ウチも買わないと村八分になる。乗り遅れるな!」と考える日本人の国民性を上手く利用して巨大投信になってしまった訳です。
自分の判断・選択なんてありません。(言い過ぎ?)
金融商品で「皆が買っているから」「流行しているから」安心と思ってはいけない。逆に不安を覚えるべし。今年の水着を買いに行くんじゃない。
散髪するかは鏡を見て自分が決めることで、床屋はこう切ってくれと注文する所です。
金融機関も床屋も同じです。
次回はメディアを斬ります。
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