2009年の国内新車総販売台数は、08年比9・3%減の460万9千台。
マイナスは5年連続で、1978年以来ナント31年ぶりに500万台を割り込んだそうです。
インドのニューデリーで行われている自動車ショーでは、トヨタもホンダも100万円を切る小型車を発表したようですが、国内市場が1割も縮めば打って出るしかないでしょう、明らかに拡大する市場に対して・・。
一方、米国の2009年通年の米新車販売台数は、前年比21・2%減の1042万9千台でナント27年ぶりの低水準となったようです。
日米が30年ぶりの低水準に落ち込む一方、中国は09年1~11月で既に1223万台を記録し、09年通年では1300万台を越える見込みで、今年2010年は1500万台を越えるとの予想もあるようです。
中国の自動車メーカーは昨年中に、GMから「ハマー」ブランドや「サーブ」の一部資産も買い取り、12月には吉利汽車がフォード傘下の「ボルボ」買収を発表し、欧米ブランドを次々に手に入れてます。
(日本でボルボやハマーに乗っている人は「おっ、中国車だよ、かっこいい!」と言われるのだろうか!?)
一方、独フォルクスワーゲンは日本のスズキと資本提携を発表しましたが、狙いはスズキが既にインドで高いシェアを持ち、新興国で戦える低価格小型車を作れる技術があるからだと言われています。
一方、韓国の現代(ヒュンダイ)自動車グループは新興国にも先進国にも強くて、世界ビッグ5に入る可能性も浮上してきました。
実は、現代は日本では年間千台も売れずに日本市場での乗用車販売から撤退を決めました。
同じ先進国でも日本は欧米と異なる自動車生産王国だから現代ですら入り込む余地はないと言えばそうかも知れませんが、世界では売れまくっているヒュンダイが日本では全く売れないことと本邦自動車メーカーの新興国対応が遅れて苦しんでいることは同じ根っこのように思います・・。
取りとめもなく書きましたが、自動車の勢力図を見ていると、世界経済の勢力図が見えてくるように思います。
●中国の市場規模が日米を抜き去り世界一となり、今後も続きそうである
●低迷する先進国の需要を補うのは、伸びる新興国の需要しかない(しかし、需要の質は違う。)
●新興国メーカーは(傾いた)先進国メーカーのブランドや技術を手に入れて、今後世界を代表する企業になる可能性を秘めている
●へこむ需要に妄信的に頼りすぎていた企業が苦しみ、質の変換を図らずに伸びる需要に乗り遅れる企業に未来はない?
(韓国勢が強さを見せるが、日本勢は?)
●世界は先進国も新興国も巻き込んで、需要と供給共にボーダーレスな弱肉強食の競争へと突入しそうである。
(日本の政官は明らかにズレている。自分達の仕事のパフォーマンスとは関係なく、赤字国債発行して好きなだけ自分の給料を維持できる人達にはわからないでしょう。)
自動車が売れる国では、電化製品全てが売れるはずです。
自動車と同様に買い替え需要(先進国)よりも初めて需要(新興国)の方が強いでしょうし、自動車には手が届かなくてもテレビ・パソコン・携帯を初めて手に入れたい人達は自動車需要の何十倍もあるはずです。
自己満足で高い技術を誇って高機能製品を作っていても、世界でパイは取れません!
日米の新車販売台数が30年前の水準まで落ち込み中国が世界一の市場となったことが、低迷する先進国需要と拡大する新興国需要を象徴していますが・・。
裏を返せば、新興国の需要が拡大するためには先進国の需要が縮小する必要があったとも言えるのでは?
地球環境の為にも、資源価格の安定の為にも・・。
もっと言えば、より公平な世界の富の分配の為にも・・?
米国が浪費を止めて、車も買わずに石油も使わずに借金を返済して貯金に励むのは秩序ある世界の未来のためには必然!
米国の象徴で世界一の自動車メーカーだったGM破綻も間接的に招いた今回の金融危機と大不況・・。
一体世界の何を変える為に起こったのだろうかと視点を変えて観察することも重要だと思います。
米ドルの基軸通貨体制も変更を余儀なくされるだろうと私は思います。(いびつだから!)
不自然でいびつな構造は長く続かないことを、自然が教えてくれるのかも知れない・・?
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