金融庁の税制改正要望
今年8月に公表された金融庁の税制改正要望では仮想通貨(暗号資産)に関して、
「分離課税の導入を含めた暗号資産取引等に係る課税の見直しを行うこと」
「暗号資産ETFの組成を可能とするための検討を税制面を含めて行う必要」
と要望されていました。
政府与党は税制改正大綱に盛り込む方向
これらを受けて、政府与党は年末にまとめる2026年度の税制改正大綱に盛り込む方向のようです。
仮想通貨(暗号資産)を「金融商品」に位置付けた上で、総合課税から分離課税20%へ変更する。
分離課税への変更は26年の国会で金商法改正案が通り投資家保護の環境が整ったと判断された後になるのでもう少し先になりそうです。
(ニュアンスとしては27年からの開始も難しいとの印象は受けますが?)
仮想通貨のETFや投信の登場は税制変更後
金融庁は税制改正の実現を以って投信法の政令改正で仮想通貨を投信に組み入れることも認める方向なので、日本でビットコイン(イーサリアム)ETFや投資信託が登場するのも税制変更以降(同時はあるかも?)なのでもう少し先になりそうですね。
仮想通貨の投信ETFは特定口座で損益通算可のメリットありか?
仮想通貨が金融商品として扱われ分離課税に移行しても、通常の仮想通貨取引は申告分離課税となる可能性が高いと思います。
源泉徴収する仕組みもなく、それを業者に課すなら更に導入まで時間の掛かる話になります。
つまり、株投信との損益通算も(少なくとも当初は)不可だと推定されます。
FX/CFD/先物もまだ実現されていないのに、仮想通貨を先出しで損益通算可とする理由も必要性もない。
(申告分離課税扱いなら同じ税区分のFX/CFD/先物とは損益通算可にはなりそうですね。)
一方、仮想通貨のETFや投信は特定口座内で扱うことが出来て、株投信と損益通算可になる可能性が極めて高いと思われます。
これは先物でもゴールドでもコモディティでもETFなら株投信と損益通算可になるのと同じです。
そうなると信託報酬を取られ続けても株投信と損益通算できて、(申告分離課税なら対象だが)源泉徴収口座であれば国保料の算定対象にならない仮想通貨ETF・投信が選好されると思われます。
日本が石橋を叩いてようやく改正のタイミングは逆指標!?
慎重過ぎて前例のないことは判断せずに諸外国が先にやってようやく真似しながら始めることしか出来ず30年以上を失ったメンタリティーの日本が、石橋を叩いて叩いて米国や他国に周回遅れで仮想通貨を金融商品と認めて位置づけ、税制も変更して動き出そうとするタイミングは的確な逆指標だったのでしょうか!?
10月初旬に13万ドル台の高値を付けたビットコインは11月下旬に8万ドル台まで急落して、足元は9万ドル台まで戻していますが予断を許さない状況は変わっていませんね。
この記事は仮想通貨を資産運用として推奨するものではありません。
正直私には仮想通貨がここから10倍になるのと10分の1になるのと、どちらの確率が高いのかわかりません!?
つまらない優等生発言で恐縮ですが(!?)、税制や商品が変わろうとも仮想通貨で資産を暗号化するのはケガしないよう全体の一部に留めましょう!

