貧者のiDeCo攻略法:出口を完全非課税でNISA化せよ!

iDeCo

金持ちに優しく貧者に厳しいiDeCo

iDeCoは金持ち(高所得者)優遇制度であり、庶民の味方ではありません。
基本は課税を老後に繰り延べるシステムなので、現役時代の課税率が高い人ほど効果を発揮します。
拠出額を限度額一杯に増やす余力も大きい層であり、思考停止で拠出額を増やしてもまあ損することはないでしょう。
これほど高所得者を特別好待遇する制度は他にないかも知れません。

しかし、貧者(低所得者)にとってiDeCoはそう単純ではありません。
住民税を含めた最低課税率15%程度ならそもそもiDeCoをやるメリットを含めて拠出額をいくらに設定するのが最適なのかはよーく検討する必要があります。
貧者こそ頭を使ってiDeCoの使い倒し方を練る知恵が必要です。
拠出時にそもそも減税メリットのない非課税層はiDeCoをやるべきではないと考えられています。
さて、本当にそうでしょうか?
貧者には金持ちには使えない貧者だからこその強みもありますね!?

iDeCoの出口を関税非課税にしてNISA化せよ!

iDeCoの出口を課税0円にしてしまえば、拠出時に減税メリットがなくてもiDeCoをやる意味があります。
iDeCoをNISA化して使う訳ですが、この方法は金持ちには無理で貧者だからこそ可能になります。
拠出時に最低ラインの15%でも減税メリットを受けている人が出口を非課税に出来れば、iDeCoはNISA越えのオトクな制度となります!
そんなことが可能なのでしょうか?

一時金受取なら受給額を退職所得控除枠内に収めよ!

一時金として受け取る場合は「退職所得」扱いとなり、条件によってはiDeCoでも退職所得控除の枠を貰えます。
加入年数20年以下の場合は、40万円xiDeCo加入年数が控除額となります。
(20年超の場合は越えた分から年70万円に増額されますが、雇用流動化・転職促進のために優遇廃止も検討され、決定の場合はiDeCoにそのまま流用される可能性も高く、20年超の場合も控除額は年間40万円x加入年数で見積もっておいた方が無難だと思います。)

但し、iDeCo一時金を受け取った後に会社の退職金を受け取る場合は10年以上期間を空けないと退職金控除額の重複適用は不可となり、重複期間の控除額を減額されます。
逆に退職金を受け取った後にiDeCo一時金を受け取る場合は19年間以上期間を空けないと重複適用は不可となります。

普通にサラリーマンが定年を迎えて、退職金にもiDeCo(DC)にも重複期間を二重適用させて節税するのは(条件によって不可能ではないが)後出しジャンケンで封じられて難しくなっています。

一方、退職金のない自営業や一部零細企業等の退職金弱者にとっては重複なんて心配するまでもなくiDeCo加入年数分の控除は得られます。
また、アーリーリタイヤして早めに退職金を貰った人は重複期間のiDeCo控除額は得られませんが、退職後もiDeCoを続けていればその加入期間は19年ルールでも削られず得られます。
(退職後のiDeCo加入年数は勤続年数と重複しないので19年ルールも関係ない!)
また、50歳までに早期退職できた場合はiDeCo一時金を70歳に受給することで19年ルールをクリアして両者に重複適用可能とする選択も残され有利です。

このように退職金弱者の方がルール適用外でiDeCo加入年数を退職金控除額の対象年数に全カウントできる可能性が高まります。

控除額の対象になれば、iDeCo加入年数x40万円分は一時金受給額の完全非課税枠として使えます。
10年で400万円、20年で800万円分と見れば(元本枠と増加後受給額の違いはあれど)NISAつみたて枠程度の規模でiDeCo非課税枠を利用することが出来る訳です。

年金受取なら受給額を公的年金控除枠内に収めよ!

iDeCo出口のNISA化、完全非課税ルートはもう1つあります!
受給額を年金受取にして公的年金等控除の枠内に収めてしまえば完全非課税で出口を抜けられます!

高給取りではなくても普通に定年近くまで務めたサラリーマンは厚生年金も充分に貰えて公的年金控除は使い切ってしまい、iDeCoに回す余力は通常ありません。
しかし、貧者には貰える年金も少ないという強力な武器があります!?

公的年金等控除額は65歳以上で年間最低110万円の枠が貰えるので、iDeCoを含めた年金総額を年間110万円に収めれば非課税となり、先日言及したように国保料の算定にも含まれません。

国民年金の保険料を40年間満額収めると、令和8年度で年額847,300円の国民年金(老齢基礎年金)を受給できます。
これでも25万円強の控除額が余りiDeCoに回せますが、令和5年度ベースの平均受給額は月額57,584円で年間ベースでは約69万円になります。
インフレにより徐々に受給額が上昇していることもありますが、40年間全てキッチリ収められる人は多くなく、山あり谷ありの人生で未納や免除の期間もそりゃありますわ。


国民年金の平均受給額を丸めて年間70万円とするとiDeCo受給額を年間40万円に収めれば完全非課税で逃げられます!?
iDeCoの受給期間最大20年を有効活用すれば、800万円(=40万円x20年)の非課税枠となりNISAの規模に負けてないし、拠出時に減税メリットも得られていればNISAより更にお得な制度に化ける訳です!
(住民税と国保の基礎控除額年間43万円も含めれば、更にiDeCoから年金受給に回して非課税とする枠が広がりますが、これは特定口座の譲渡益にも配当金にも控除として使えるのでiDeCo制度の損得を見る場合は加えるべきではないと考えます。)

受給併用でiDeCoのNISA化枠1600万円の1例

受給時の一時金と年金受取は併用できるので、多くはないケースだと思いますがNISAに匹敵する非課税枠を作れるケースを上の2例のミックスで示します。

厚生年金は貰えず退職金もなく、国民年金も多少の未納・免除期間があり平均受給額年70万円になる人がiDeCoに20年間加入したとします。
受給総額からまず800万円分を退職金として受け取ることで退職金控除枠内(=40万円x加入20年)に収めて完全非課税で逃げます!?
残額が800万円以内であれば、年金受給として65歳から最長の20年間で年間40万円以下に分割して受け取ることにより、公的年金等控除枠内(110万円-国民年金70万円)に収まり完全非課税で逃げられます!?

(投資元本ではなく増加後の受取額であることには注意ですが)このケースではiDeCo総額1600万円の非課税枠を有効活用できるので規模はNISAに匹敵して、拠出時の減税メリットも考慮すればNISAよりお得な制度に化けます!
また、拠出時に減税メリットを一切得られない層でもこの枠を活かせればやる価値はあることになります。

貧しても鈍せずiDeCo!

しかしながら、これ程の非課税枠を得られるのは貧者の中でもかなりのレアケースであり、様々な制約条件を慎重に考慮する必要があり、安易に飛びつくべき制度ではありません。
退職金がない(少ない)、貰える年金が少ない、ないない尽くしの貧者だからこそ高所得金持ちでは得られない非課税枠をiDeCo内で作れる可能性が高まります。
その為には「貧すれば鈍する」では駄目で制度の理解に努力すべきだし、思考停止の満額拠出でも損しない高所得者より頭を使うべきだし、他人任せで自分で考えることが苦手な人はiDeCoに向かないと思います。
(突き放しているのではなく、NISAと違ってiDeCoは大変に複雑面倒で色々な意味でリスクの高い制度ですから関わらないのも賢明。)

貧しても鈍せず「貧」を武器に変えてiDeCoを使い倒しましょう!


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