NYダウっていい加減!?GM・シティを構成銘柄から除外!入れ替えの影響は良いに決まっている?

NYダウは辛うじて3日続伸ですが、為替はドル買いの影響でクロス円も下げて来ました。また、短期の押し目で終わるのでしょうか?
 
そのNYダウですが、昨日から2銘柄の入れ替えが行われました。
 
自動車大手GMと金融大手シティが構成銘柄から外されて、代わりに通信機器大手シスコシステムズ(昨日は横這い)と保険大手トラベラーズ(昨日は1%高)が加わりました。
 
投資家初級編(?)の質問をしてみます。
日本のメジャーな株価指数であるTOPIXは東証一部上場企業の時価総額加重平均、日経平均は大手225社の株価単純平均で算出することは知られていますが(それすら知りませ~ん!)、NYダウ平均株価はどのように算出されているでしょうか?
 
正解は、・・・米国代表30社の株価単純平均!
 
たった30社で、しかも単純平均でっせ、旦那!
 
いい加減だと思いませんか?
 
こんな(適当な?)指数に世界中の投資家は一喜一憂して毎日世界の株価と為替は振り回されているのです!
 


まあ個人投資家のポートフォリオと同じで、主要30社も集めればリスクは分散されて全体を推し量れると言えばそうなのかも知れませんけど。
 
しかもダウ平均はもともと工業株30種で構成されていたので、今では金融・サービス業も含まれていますが電力株などは含まれず、業種のバランスが取れているとは思えません。(30社では無理でしょ)
 
更に指数算出開始時から今も残っている銘柄はなんとGE1社だけですから、長期的な指数の連続性にも疑問符です!
 
30社は投資家でなくても聞いたことのある有名米企業ばかりですが、個人的には「こんなの米国個人投資家の誰かのポートフォリオだろ?」という印象です!?
 
さて、今回2銘柄入れ替えられましたが、単純平均ですから指数の6.7% (2÷30)がまるっきり変わってしまったので、その影響は無視できないと思います。
 
では、この4銘柄の過去5年間の株価推移を比較してみましょう。(^DJIはダウ平均指数)
DowStockChange_090709.bmp
 
チャートを見ると、外される2銘柄は当然ながら過去5年で70%以上下げていますが、意外にも08年1月までは大きな差は見られません。(GMは別)
 
シスコなんてまだ創業25年程度ですが、ダウに採用される頃には急成長も止まってしまいますね。
(インテルやマイクロソフトも採用されているし、その新陳代謝が米国の強みだと思いますけど。)
 
このチャートを見る限り、新2銘柄はダウ指数をぐいぐい押し上げるような力はないが安定的である。
 
では、2銘柄が年間騰落率+-10%の場合と+-20%の場合で指数全体の騰落率がどう変わるかを計算してみると、
 
+-10% : ダウ全体は1.3%変化する
+-20% : ダウ全体は2.6%変化する
ことになります。
(注釈:この計算には個別銘柄の株価の違いを考慮していないので、今回の入替に関して詳細な影響度を知りたい方はコメント欄の吊られた男さんの詳細分析を参照ください。)
 
やはり2銘柄入れ替えの影響は無視できないし、世の中何も変わらなくてもダウ指数がその影響で上昇するなら、投資家は歓迎ですね!?
 
この米国30社が世界の市場を振り回すのですから!
 
にほんブログ村 株ブログへ  [←参考になりましたら一押し。m(._.)m]

コメント

  1. オージー より:

    そうですね~。
    世界の市場がこのわずか30種の平均であるダウを目安にして動かされているということにはあきれてしまいます。
    とくに為替市場は時間外のボリュームの薄いダウ先物の動きに振らされる状態がかなりの間続いていますよね。
    本来ならばS&Pやナスダック、さらにラッセル2000(これも時価総額比では小さいですが)といった指数の方が重要だと思うのですが・・・。
    昨日のダウは終盤にクルーグマン氏の発言に反応して強烈なショートカバーがおきてしまうようにマーケット自体が薄い感じが致します。
    週末からのドル高はNFPの結果を受けて利上げ観測が一気に浮上したためのようですが、なぞぺん様の記事の内容にもありましたように今回から算定基準が変わったため22万人ほどかさ上げされたようです。
    なぜこのようなことをしかも後付けで出してくるのでしょうか。もしかして当局がドルショートを一時的にせよ解消させたかったのではと勘ぐってしまいます(笑)。
     
    もしかしたらアメリカは実の所相当ヤバイのかもしれませんね(爆)。

  2. Trinity より:

    トラベラーズは「旅行大手」じゃなくて、「保険大手」ですよ。

  3. 吊られた男 より:

    いろんなところで疑心暗鬼になってしまいそうですね。アメリカ、私もやばいんだと思いますよ。
     
    元々V字回復などしないだろうと思っていますが、市場の一部にはV字回復説が出てくるくらいにまで楽観論が出てきています。
     
    エコノミストが同じ方向に向き始めると、いきなり反対に動き出すこともよくあることですので、ここは逆張りもあり? まぁ外れたときが青天井などとなると怖いので、株もFXも焦らずもう1度買い時を待つというのも手なのかも知れませんね。
    2銘柄入れ替えの指数変動に与える影響が大きいことには大いに賛成です。
     
     
    以下は細かい突っ込みでスミマセン。
    ダウ30種は単純平均ではなく、除数も考慮に入るのでは無いか?なんて思いますがいかがでしょう。日ごろの値動き上は単純平均としての考え方でよさそうですが、銘柄入れ替えなどでの連続性の話が出ていましたので、そうすると除数は無視できないのかな・・・なんて思いました。
    また、6月8日の価格で計算してみましたが【新規採用2銘柄だけが±20% & 他28銘柄が±0%】ではダウ平均は±1.1%になるように思うのですが、違いますでしょうか?^^;

  4. 太助 より:

    オージーさん、
    そうですね。こういう大雑把なところはアメリカンという感じがします。(笑)
    細かくて(それが苦にならない)日本人はこんな指数は許さないでしょう。
    米国は指標のみならずイロイロと怪しいものを抱えていると思っています。
    破裂するしないは置いておいて、GM以上の爆弾だって抱えていると思います・・。
     Trinityさん、
    ご指摘有難う御座います。訂正しました。
    社名直訳しての大間違いで、ダウよりも私の方がいい加減ということで!?
     なぞペンさん、
    下にドッカーンがあるかどうかは私にわかりませんが、少なくともV字ではなくL字だと考えています。
    でも、全ての市場がL字になるかと言えばそうではないと思っています。(just my 相場観です)
     吊られた男さん、
    細かいツッコミではなく重要なご指摘だと思いますが、正直私にはわかりませんでした。
    私の±2.6%は非常に単純化して計算したのは事実です。
    ダウ指数の細かな調整をどのように行っているのか不勉強なので、単純平均であっても各銘柄の株価に違いがあれば新規1銘柄は3.3%(1/30)よりも影響が大きくなったり小さくなったりすることは理解します。
    今回の銘柄入替でダウ指数が連続性を保つように除数を変えたと思いますが、それ自体は影響ないかと?
    (除外2種+他28種)x(以前の除数)=(追加2種+他28種)x(今回の除数)=先週金曜日のNYダウ終値
    という理解ですが・・。
    宜しければお手隙の時に、吊られた男さんのブログで解説頂けると助かります。(笑)

  5. 吊られた男 より:

    私もここ1年で勉強した身ですので、えらそうなことはいえませんが・・・太助さんの考え方で計算式はあっているかと思います。ただ、ちょっと実際の株価との計算では乖離があったということかと。(&2で割り忘れた?)
     
     
    1日後の6月9日の株価での計算です。
     
    全30社株価合計は1159.52です。
    シスコは20.08ドル、トラベラーズは44.04ドルです。この2銘柄だけが+20%となると、シスコ:20.08⇒24.10、トラベラーズ:44.04⇒52.85となり、全30社株価合計は12.82ドル上昇して1172.34となります。
     
    12.82÷1159.52×100≒1.11です。つまり、約1.1%の上昇となります。
     
     
     
    せっかくですので、ブログでダウ平均の計算について書いてみます。

  6. 太助 より:

    2銘柄だけ+20%になると約1.1%上昇ならば、2銘柄が20%下げる場合と20%上げる場合とでは指数全体では2.2%変わってくるのではないかと思います。
    若干数字は違いますが、本文で2.6%の変化と書いたのは、除外銘柄が年間-20%下げた場合と追加銘柄が年間+20%上げた場合とを比較したときに年間で指数全体がどれ程異なるかです。
    ダメ銘柄は下げる、期待銘柄は上げると仮定して入れ替えで最大これくらいは指数が変わるかもしれないと単純化して計算しました。
    わかりにくいですね。(笑)
    吊られた男さんのブログ記事で勉強して、そちらにもコメントしますね。

  7. 吊られた男 より:

    旧採用銘柄(シティ、GM)が-20%、新採用銘柄(シスコ、トラベラーズ)が+20%ということだったのですね。
    それなら2倍の意味が分かりました。納得です!!
     
     
     
    ただ、またまた細かい突っ込みで済みませんが、現実にはそうならないかと思います。
    シティは3ドル台、GMは1ドル割れでした。2つ合わせても5ドル以下。これらが20%マイナスになっても、30種の合計が1100→1099になる程度でダウの指数は0.1%も下がりません。ですので、旧採用銘柄-20%、新採用銘柄+20%でも1.1%~1.2%程度の違いになりそうです。
    私の試算は、健全な銘柄は除外されて入れ替わった場合には当てはまらなそうですが、今回のようにボロ株かした株は±100%程度の上げ下げではほとんど指数に影響はなさそうです。

タイトルとURLをコピーしました